コーヒー時間がもっと豊かになるクラシック音楽20選【通好みのセレクション】

    コーヒーを片手にクラシック音楽を聴く時間は、それだけで一日の質を変えてくれます。

    この記事では「カノン」や「エリーゼのために」のような定番曲はあえて外し、朝・作業・午後・夜の4シーンに合わせて、知る人ぞ知る”通好み”の20曲を厳選しました。

    いつものコーヒータイムに、少しマニアックな音楽の彩りを添えてみませんか。

    あなたは何曲ご存知でしょうか?

    また、作曲家についての関連記事も紹介しており、この記事1つで、クラシック音楽への興味がグッと深まりますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

    Table of Contents

    朝の目覚めコーヒーに寄り添う5曲

    一日の始まりを優しく後押ししてくれる、透明感の作品を選曲しました。

    ちなみに三大Bの一人ブラームスは、毎朝5時に起きてコーヒーを淹れるのが日課だったそうです。

    作曲家たちにとってもコーヒーは、一日のスイッチを入れる存在だったのかもしれませんね!

    コーヒーに寄り添う作品1. ラウタヴァーラ「カントゥス・アルクティクス」

    フィンランドの作曲家ラウタヴァーラが1972年に発表した、鳥の声とオーケストラのための協奏曲です。実際にフィンランド中部の湿原で録音された本物の鳥の鳴き声をテープに収め、生演奏のオーケストラと重ね合わせるという斬新な手法が使われています。

    第2楽章はその名の通り「憂愁(メランコリー)」を意味し、静かな弦の響きの上を鳥の声が漂うように流れていきます。

    コーヒーに寄り添う作品2. レスピーギ「鳥」

    イタリアの作曲家レスピーギが、17〜18世紀の古い鍵盤曲を素材に編曲した組曲「鳥」の一編です。

    原曲はフランスの作曲家ジャック・ド・ガロが書いた鳩をテーマにした小品で、レスピーギがそれを豊かな管弦楽の色彩でよみがえらせました。弦楽器の柔らかなトレモロにのって、木管が鳩の鳴き声を思わせる旋律を優しく歌います。

    派手さはありませんが、そのぶん朝の静けさに寄り添うような穏やかさがあります。 

    レスピーギ

    コーヒーに寄り添う作品3. ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ第5番」アリア

    ブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスが、敬愛するバッハの様式とブラジルの民俗音楽を融合させて生まれた連作の第5番です。

    8本のチェロが織りなす分厚い響きの上を、ソプラノが言葉を持たないヴォカリーズで伸びやかに歌い上げます。まるで大きな弦楽器のクッションに包まれているような、独特の温かみのあるサウンドが特徴です。

    コーヒーに寄り添う作品4. フォーレ「ドリー組曲」より”子守歌”

    フォーレが、恋人だった歌手エンマ・バルダックの娘エレーヌ(愛称ドリー)の誕生を祝って書いたピアノ連弾のための組曲、その第1曲です。2台ではなく1台のピアノを2人で弾く形式のため、音の重なりに親密さと温かみが生まれます。

    ゆったりとした8分の6拍子の旋律は、まさに赤ちゃんを揺らすようなやわらかい揺れを持っています。過度な感傷に流れない上品な筆致もフォーレらしいところ(美しい)。

    コーヒーに寄り添う作品5. ラヴェル「マ・メール・ロワ」より”パゴダの女王レドロネット”

    童話をモチーフにした組曲「マ・メール・ロワ」の中の1曲で、東洋趣味あふれる可愛らしい小品です。五音音階(ペンタトニック)を使った旋律が、まるでオルゴールのような異国情緒を醸し出します。

    もともとは連弾のために書かれ、後にラヴェル自身の手で管弦楽版にも編曲されました。軽やかな装飾音と透明感のある響きが、眠気の残る朝の頭にちょうどいい刺激を与えてくれます。

    ボレロ

    作業タイムを彩る集中の5曲

    集中力を切らさない、耳に負担の少ない選曲です。コーヒーといえばベートーヴェンの逸話も有名ですよね。

    一杯につき豆を60粒きっちり数えて淹れていたと語り継がれています。

    実はこの話、出どころが彼の秘書アントン・シンドラーの証言のみで信憑性には諸説あるのですが、それでも「一音一音に妥協しない作曲家像」を象徴するエピソードとして今も愛されています。

    1. テレマン「ターフェルムジーク」

    「食卓の音楽」と訳されるこの作品は、18世紀ドイツで貴族や富裕層が食事の際に演奏させるために書かれた、いわば元祖BGM的な作品。

    全3部からなる大規模な曲集で、序曲・協奏曲・室内楽・トリオソナタなど多彩な編成の曲が収められています。当時のヨーロッパ各国の音楽様式を貪欲に取り入れた、テレマンならではの折衷的で華やかな作風が特徴です。

    もともと「ながら聴き」を想定して書かれた音楽だけに、コーヒー片手の作業タイムとの相性は折り紙付きです。 

    2. スカルラッティ ソナタ K.466

    イタリア出身でスペイン宮廷に仕えたドメニコ・スカルラッティが遺した、500曲を超えるチェンバロソナタの1曲です。多くが単一楽章の小品で、K.466もその例に漏れず、数分で完結するコンパクトな構成になっています。

    物憂げな短調の旋律に、スペイン音楽特有のリズム感がほのかに香るのが魅力。

    3. モンポウ「静かな音楽」第1巻より第1曲

    スペインの作曲家モンポウが、母と友人を相次いで亡くした深い喪失の時期に書き始めた、全4巻・28曲からなる晩年の代表作の冒頭曲です。曲名はスペインの神秘思想家、十字架の聖ヨハネの詩の一節「鳴り響く孤独、沈黙する音楽」に由来します。

    拍子や小節線をあえて明確にしない自由なリズムで、天使の歌声のように清らかな旋律が静かに歌われます。

    4. サティ「グノシエンヌ第1番」

    有名な「ジムノペディ」と並ぶサティの代表作で、1890年頃に作曲されたピアノ曲集の1曲目です。「グノシエンヌ」という言葉自体がサティの造語で、既存のどの音楽形式にも属さない自由さを象徴しています。

    拍子記号を持たず、エキゾチックな旋法を用いた旋律が、まるで漂うように流れていきます。楽譜には「疑わしげに」「歯を見せて」といった詩的で不思議な演奏指示が書き込まれていることでも知られています。

    5. ラモー「鳥の呼び声」

    フランス・バロックを代表する作曲家ラモーが、チェンバロ独奏のために書いた小品集「クラヴサン曲集」に収められた1曲です。右手で奏でられる細かなトリルや装飾音が、まさに小鳥のさえずりを模しています。

    フランス風の優雅な様式美と、自然描写的な軽やかさが同居しているのがラモーらしいところです。同時代のフランソワ・クープランにも通じる、洗練された装飾技法の宝庫としても知られています。

    軽快なテンポと繰り返される装飾音のリズムが、タイピングや細かな作業の手の動きとも心地よく重なりますね。

    午後のコーヒー・タイムに贅沢な5曲

    コーヒー・タイムに贅沢な作品1. バッハ「コーヒー・カンタータ」

    実はバッハ自身も大のコーヒー好きだったと伝わっています。当時のドイツでは「女性はコーヒーを飲むべきではない」という風潮があり、それに反発する娘リースヒェンの姿を描いた喜劇作品がこの「コーヒー・カンタータ」です(正式には「おしゃべりはやめて、お静かに」)

    舞台はコーヒーハウスで、コーヒーをやめさせようとする頑固な父親と、コーヒーなしでは生きられない娘のやり取りがコミカルに描かれます。

    教会音楽のイメージが強いバッハにしては珍しく、世俗的でユーモラスな一面を見せてくれる作品でもあります。まさにこの記事にぴったりの1曲と言えるでしょう。

    コーヒー・タイムに贅沢な作品2. フォーレ「パヴァーヌ」

    フォーレが1887年に作曲した、ルネサンス期の宮廷舞曲「パヴァーヌ」の様式を借りたオーケストラ作品です。もともとは合唱付きの版もあり、パリの社交界で人気を博しました。

    付点のリズムがゆったりと刻まれる中、フルートとピツィカートの弦が優雅な旋律を紡いでいきます。フランス近代音楽らしい上品な和声感覚が全体を包み、気品ある旋律が、午後のゆったりとした時間を静かに彩ってくれます。 

    コーヒー・タイムに贅沢な作品3. ブラームス「間奏曲 Op.118-2」

    ブラームス晩年の傑作、ピアノ小品集Op.118の中でも特に愛される1曲です。友人クララ・シューマンに献呈された曲集の一つで、円熟期のブラームスらしい内省的な作風が色濃く表れています。

    イ長調の穏やかな旋律の中に、時折翳りのある和声が差し込まれ、単純な美しさでは終わらない奥行きを生んでいます。技巧的な華やかさよりも、静かに語りかけるような親密さが際立つ音楽です。

    コーヒー・タイムに贅沢な作品4. グラナドス「ゴイェスカス」より”嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす”

    スペインの作曲家グラナドスが、画家ゴヤの絵画にインスピレーションを得て作曲したピアノ組曲「ゴイェスカス」の中の1曲です。

    ゴヤが描いた当時のマドリードの庶民の暮らしや恋物語の世界観を、音楽で再現しようとした野心的な作品でもあります。

    哀愁を帯びた旋律が繰り返される中に、ナイチンゲール(うぐいす)の鳴き声を模した装飾的なパッセージが差し込まれます。スペインらしい情熱と憂愁が入り混じった独特の色彩感が、この組曲全体を貫いています。物憂げでありながらどこか艶やかな、スペインの午後の情景が目に浮かぶような1曲です。

    コーヒー・タイムに贅沢な作品5. シューマン「子供の情景」より”トロイメライ”

    シューマンが自身の子供時代を回想して書いたピアノ小品集「子供の情景」全13曲の中で、最も知られる7曲目です。

    「トロイメライ」はドイツ語で「夢想」を意味し、そのタイトル通り、夢見るような穏やかな旋律が印象的です。

    シンプルな和声進行の中に、シューマンらしいロマン主義的な情感がぎゅっと凝縮されています。定番と言えば定番ですが、その完成度の高さゆえに、あえてここに置きたい1曲です。控えめな存在感でありながら、午後のリラックスタイムの主役を静かに務めてくれます。

    🌙 夜カフェ・一日の終わりに寄り添う5曲

    1. ショパン「夜想曲 Op.48-1」

    有名なOp.9-2ではなく、あえて陰影の深いこちらをセレクトしました。ハ短調の重々しい序奏から始まり、中間部で荘厳な聖歌のような響きに転じ、再び冒頭の旋律が情熱的に回帰するという、ドラマティックな構成が特徴です。

    ショパンのノクターンの中でも、規模と精神的な深みにおいて特に評価の高い1曲とされています。実はショパンが好んで飲んでいたのはコーヒーではなくホットショコラだったという説もあり、朝食にはミルクたっぷりのカフェオレを楽しんでいたとも伝えられています。

    2. デュパルク「旅への誘い」

    フランスの詩人ボードレールの詩集「悪の華」の1編に、デュパルクが曲をつけた歌曲です。デュパルクは寡作な作曲家として知られ、生涯に残した歌曲はわずか十数曲ほどですが、その一つひとつが高い完成度を誇ります。

    「あそこでは、すべてが秩序と美、豪奢、静けさ、そして快楽」という詩句の世界観を、ピアノの静かな波のような伴奏が支えます。声楽パートの息の長い旋律線が、まるで遠い理想郷へと誘うように広がっていきます。

    3. シマノフスキ「夜想曲とタランテラ」

    ポーランドの作曲家シマノフスキは、20世紀初頭に活躍しながらも日本での知名度はまだ高くない、いわば隠れた名匠です。後期ロマン派の濃厚な和声と、印象主義的な色彩感覚が独特の形で溶け合っています。

    夜想曲と題されたこの作品も、幻想的で神秘的な雰囲気を漂わせながら、聴き手を静かな夜の世界へと誘います。ショパンの伝統を受け継ぎながらも、より複雑で現代的な響きを持っているのが特徴です。

    4. フォーレ「夜想曲第6番」

    フォーレが生涯にわたって書き続けた全13曲のノクターンのうち、円熟期にあたる1894年頃の作品です。若い頃の甘美なロマン主義から離れ、より複雑で内省的な和声が随所に見られるようになった時期の1曲でもあります。

    冒頭の穏やかな旋律から、中間部では次第に情熱的な高揚を見せ、再び静けさへと戻っていく構成です。単純な美しさでは括れない、フォーレ独自の陰影に富んだ響きが魅力です。

    5. ラフマニノフ「ヴォカリーズ」

    ラフマニノフが1912年に作曲した、歌詞を持たず母音だけで歌われる声楽曲です。もともとはソプラノとピアノのために書かれましたが、後に管弦楽伴奏版や器楽版など数多くの編曲が生まれ、様々な楽器で演奏される人気曲となりました。

    言葉を持たないからこそ、旋律そのものの美しさと歌手の解釈が前面に出る、シンプルでありながら奥深い作品です。ラフマニノフらしい息の長い抒情的な旋律線が、聴き手の心にじわじわと染み渡っていきます。静かな締めくくりにふさわしい、深い余韻を残す1曲です。 

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    コーヒーにぴったりなクラシック音楽:まとめ

    定番曲だけでは物足りない、そんな方のためのコーヒータイム用クラシック20選をお届けしました。

    朝・作業・午後・夜、それぞれのシーンに寄り添う1曲を見つけて、いつものコーヒーブレイクをちょっと特別な時間に変えてみてください!

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