現代の日本クラシック音楽界において、圧倒的な存在感を放つチェリスト・辻本玲(つじもと れい)さん。
日本最高峰のオーケストラであるNHK交響楽団の首席奏者※として重責を担うだけでなく、ソリストとしてのリサイタル、さらにはチェロ四重奏団「クァルテット・エクスプローチェ」の主宰など※、その活動はとどまることを知りません。
一方で、ネット上では彼の卓越した音楽性だけでなく、「父親」「結婚」「離婚」といったプライベートなキーワードでの検索も目立ちます。
中には、ある大ヒットドラマの影響で事実とは異なる噂が飛び交っているケースもあるようです。
この記事では、日本が世界に誇るチェリスト・辻本玲の生い立ちから現在の輝かしいキャリアまでのプロフィールを網羅。
さらに、ネット上で囁かれる家族や結婚に関する噂の真相、世界的トップアーティストからの評判、そして2026年後半に控えている注目のコンサート情報までを詳しく掘り下げていきます!
辻本玲のプロフィールと音楽的ルーツ
まずはその圧倒的なプロフィールと経歴を紐解きます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 氏名 | 辻本 玲(つじもと れい) |
| 生誕 | 1982年 |
| 出身地 | 愛知県岡崎市(生後4ヶ月〜11歳まで米国フィラデルフィア育ち) |
| 学歴 | 東京藝術大学音楽学部器楽科(首席卒業)/シベリウス・アカデミー(フィンランド)/ベルン芸術大学(スイス) |
| 担当楽器 | チェロ |
| 所属 | NHK交響楽団 首席チェロ奏者 |
| 使用楽器 | アントニオ・ストラディヴァリウス(1730年製作)※NPO法人イエロー・エンジェル(宗次コレクション)より貸与 |
| 主な受賞歴 | 第72回日本音楽コンクール 第2位および聴衆賞/2009年 ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール 第3位(日本人最高位)/2013年 齋藤秀雄メモリアル基金賞 |
辻本さんとチェロとの出会い
1982年、愛知県岡崎市に生まれた辻本玲ですが、生後わずか4ヶ月でアメリカ合衆国ペンシルベニア州のフィラデルフィアへ移住します。
フィラデルフィアは、名門カーティス音楽院を擁するアメリカ東海岸屈指の芸術都市です。
姉がヴァイオリンを習っていた影響で、7歳の時にチェロを開始。
きっかけは、当時通っていたカーティス音楽院のチェロ発表会を聴きに行ったことだったといいます。
そして本格的にチェロの魅力に引き込まれたのは、その少し後、テレビで偶然目にした世界的チェリスト、ヨーヨー・マの姿でした。
チャイコフスキー・ガラでロココの主題による変奏曲を自在に、そして心から楽しそうに弾くヨーヨー・マが「スーパーマンのように見えた」と辻本は振り返っています。
この豊かな音楽環境の中で11歳まで過ごした経験が、現在の辻元さんの自由で伸びやかな表現力の原点となっているのかもしれません。
首席卒業と「両極端の教え」が育んだ唯一無二のスタイル
日本へ帰国後、音楽への道を真っ直ぐに進んだ辻元さんは、東京藝術大学音楽学部器楽科へ進学。
ここを首席で卒業し、栄えあるアカンサス音楽賞を受賞するなど、国内で早くも頭角を現します。
しかし、本当の進化はヨーロッパへの留学後にありました。
フィンランドのシベリウス・アカデミーでは、北欧の巨匠アルト・ノラス氏に師事。「友だちは作るな」と言われるほどの過酷な練習漬けの日々の中で、全弓を使った情熱的で大音量のソリストとしての表現を徹底的に叩き込まれます。
一方、続いて留学したスイスのベルン芸術大学では、アントニオ・メネセス氏に師事。
メネセス氏の指導はノラス氏とは対極で、コンパクトな弓使いによる緻密なコントロールや、引き出しの多さを求めるものだったとのこと。
情熱的でダイナミックな推進力と、極めて精緻で内省的なアンサンブル能力。相反する「両極端の教え」を自分の中で統合できたことこそが、辻本さんがオーケストラの首席奏者としても、ソリストとしても超一流である最大の理由といえるでしょう。
参考|SPICE|実力派の若手チェリスト 辻本玲インタビュー 煌びやかな響きで魅せるリサイタルに
辻本さんの父親は?
辻本さんについて検索すると、関連キーワードとして頻繁に「父親」という言葉もちらほら見かけます。
これを見て「実家が音楽一家なのだろうか?」「父親も有名なチェリスト?」と想像する方も多いのではないでしょうか。
近年、Netflixなどで大ヒットした映像作品『地面師たち』において、「辻本拓海」というメインキャラクターが登場します。
劇中、この辻本拓海の父親は不動産詐欺事件に巻き込まれ、放火による一家心中を図るという壮絶な設定が描かれています。
このフィクションの登場人物と、実在するチェリスト・辻本さんの苗字が同じであり、出自や父親に関する情報が検索アルゴリズム上で混同され、ネット上で広がったことが考えられます。
実際の辻本さんの父親は、こうしたサスペンス作品の悲劇とは一切無関係です。
幼少期に一家がフィラデルフィアに移住したのも父親の仕事の都合によるものであり、ドラマのような境遇とは無縁の、ごく一般的な家庭で育っています。職業はわかりませんでした。
辻本玲さんの結婚と離婚。元妻はヴィオラ奏者の中恵菜さん
クラシック音楽ファンからの関心が非常に高いのが、「結婚」と「離婚」に関するトピック。
辻本さんは2020年(令和2年)、新進気鋭のヴィオラ奏者である中恵菜さん(なか めぐな)と結婚。中恵菜さんは、著名な弦楽四重奏団「カルテット・アマービレ」のメンバーとしてミュンヘン国際音楽コンクールなどで輝かしい成績を収め、国際的に活躍するトップランナーです。
日本最高峰のN響首席チェリストと、気鋭のカルテット・ヴィオラ奏者。この弦楽器奏者同士の「ビッグカップル」誕生は、当時の音楽業界で大きな祝福をもって受け止められました。
しかし、現在二人は結婚生活にピリオドを打ち、離婚に至っていることが確認されています。
辻本さんは2020年からNHK交響楽団の首席という重責を担い、全国でのソロ・リサイタルやCD録音などを並行。
中恵菜さんもまた、国内外での公演や客演で多忙を極めていました。互いに第一線で己の芸術を極限まで追求するプロフェッショナルであるがゆえの、生活のすれ違いや方向性の違いは、トップアーティストの宿命とも言えるのかもしれません。
業界内外からの圧倒的な「評判」と愛用する名器
辻本さんのチェロがなぜこれほどまでに多くの人を魅了するのか。その評判は、単なる技術的な絶賛にとどまりません。
五嶋みどりさんが絶賛した音楽に宿る「愛」
その評価の一つが、世界的ヴァイオリニストである五嶋みどりさんからの言葉です。
辻本さんは2006年・2007年、五嶋が主宰する「Community Engagement Program」に参加し、世界各地で共演を重ねました。
その演奏について五嶋さんは、「自然体でのびのびとした音色から音楽の大切な要素である「LOVE(愛)」が伝わってくる」と評し※、パーソナリティそのものを音楽で伝える技術の表れだと称賛しています。※オフィシャルサイトより引用
聴衆からも「これほど多彩で美しく、歌うような音が出るのか」と驚きの声が後を絶たず、彼のチェロは親愛を込めて「歌うチェロ」と称されています。
辻本玲さんの使用楽器は?
現在、辻本さんが使用している楽器は、NPO法人イエロー・エンジェル(宗次コレクション)から貸与されている1730年製のアントニオ・ストラディヴァリウスです※。
さらに弓は、近代弓の祖と呼ばれるF.X.トルテの名弓を特別に貸与されています。
数百年を生き抜いた世界最高峰の名器ですが、最初から素直に鳴ってくれたわけではありません。
辻本さん自身、貸与された当初は思い通りに音が出ず、まるで「暴れ馬」に乗っているような感覚だったと語っています。
約1年という長い時間をかけてこの気難しい楽器と対話し、手懐けていく過程で、彼自身のテクニックの引き出しも格段に増えました。
現在の彼の代名詞とも言える「深く、艶やかなブリリアント・トーン」は、名器のポテンシャルと彼の妥協なき探求心が完全に融合した結果生み出されているのです。
辻本玲さんのコンサート情報(2026年8月以降)
現在、日本のクラシックシーンで最もチケットが取りにくいチェリストの一人である辻本さん。
N響での定期演奏会に加え、個人のプロジェクトも精力的に行っています。ここでは、2026年8月以降に予定されている必見のコンサートスケジュールを厳選してご紹介します。
この記事をお読みになる時期によっては、終了している可能性もあります。その際は、オフィシャルサイトやSNS等でご確認ください
クァルテット・エクスプローチェ:アフタヌーンコンサート
日程:2026年9月13日(日) 会場:神奈川県立音楽堂
辻本玲が主宰する究極のチェロ四重奏団「クァルテット・エクスプローチェ」の公演です。辻本さんをはじめ、市寛也さん(N響)、髙木慶太さん(読響)、森山涼介さん(都響)という第一線で活躍するトップチェリスト4名が集結。
枠に収まりきらない爆発的なアンサンブルで、クラシックからピアソラまでチェロ4本のみによる極限の表現を堪能できます。
辻本玲&伊東裕 チェロ・デュオ リサイタル ~響き逢う、2本のチェロ~
日程:2026年11月28日(土) 14:00開演 会場:TOPPANホール(東京)
2026年の後半で最も注目を集めているのがデュオ・リサイタルです。NHK交響楽団首席の辻本さんと、東京都交響楽団首席の伊東裕さんという、「日本の2大オーケストラの首席チェロ奏者」が激突する夢の共演。
バリエールのソナタなど、2本のチェロが織りなす至高の対話は絶対に見逃せません!
辻本玲さんのプロフィール:まとめ
本記事では、現代日本を代表するチェリスト・辻本玲さんについて、多角的な視点から解説しました。
フィラデルフィアでの幼少期から、巨匠たちとの出会いを経て築き上げた確かな技術。ネットの検索窓を賑わせた父親の噂の真相や、結婚・離婚といった人生の転機。
そして、世界的アーティストから絶賛される「愛に溢れた歌うチェロ」の響き。そのすべてが、奏でる音楽に深い陰影と圧倒的な説得力を与えています。
オーケストラの重責を担いながらも、常に進化を続ける辻本さん。
ぜひ一度コンサートホールに足を運び、ストラディヴァリウスが紡ぎ出す至高の響きを全身で体感してみてください!













