ラプソディ2番(ブラームス)の難易度をわかりやすく解説!

グールド

    この記事ではブラームスの人気ピアノ曲ラプソディ2番の難易度を解説します。

    ブラームスのラプソディ第2番は、その劇的な音楽展開と力強い響きが特徴的な作品です。
    技巧的な要素も多く含まれていますが、果たしてどの程度の難易度なのでしょうか?

    本記事では、ラプソディ第2番の構成や技術的な特徴を詳しく解説し、どのレベルのピアニストに適しているのかをわかりやすく説明します。

    さらに、演奏のコツやおすすめの楽譜も紹介しますので、ぜひ参考にしてください!

    画像出典:アマゾン:ブラームス:間奏曲集、4つのバラードより&2つのラプソディ(グレン・グールド)

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    ブラームスのラプソディ2番について

    ピアノ

    ラプソディー2番の難易度解説の前に、作曲の経緯や特徴を超ざっくりと紹介します。
    歴史的背景や特徴を知ると、より作品への理解が深まるはずです。

    歴史的背景や作曲の経緯

    ヨハネス・ブラームスが作曲した「2つのラプソディー作品79」は、1879年の夏、オーストリアのヴェルト湖畔で作曲されました。この時ブラームスは46歳。
    翌1880年に初演され、短くも力強い表現を持つピアノ曲として知られています。

    2曲とも劇的な展開を持ちながらも、異なる音楽的特徴を備えています。
    特に第2番は、流れるようなメロディラインと重厚な和音が組み合わさった構造になっており、ブラームス特有のロマンティックな要素が随所に見られます。

    この作品を作曲していた頃のブラームスは、唯一のヴァイオリン協奏曲の初演を成功させ、作曲家としてさらなる高みへ登り始めた時代。まさに円熟期の頃の作品です。

    そのため、本作は彼の濃密なロマンティシズムが味わえる1曲と言えるでしょう。
    もう少しだけ詳しい解説はこちらの記事で紹介しています。

    楽曲の特徴

    第2番はト短調(Molto passionato, ma non troppo allegro)で書かれ、4分の4拍子です。
    曲の冒頭から力強いオクターブと和音が特徴的で、深い情熱を持った楽曲になっています。
    演奏時間は5分程度です。

    1. 第1主題(冒頭部分)
      • 3連符を伴うダイナミックなフレーズ。
      • 低音のオクターブが強調され、力強い印象を与える。
    2. 第2主題(中間部)
      • 半音階の滑らかな進行。
      • 穏やかな雰囲気を持ち、対比的な美しさが感じられる。
    3. 展開部と再現部
      • 第1主題と第3のアイディアが発展。
      • ドラマチックな盛り上がりと静かな収束。

    この曲はリストのハンガリー狂詩曲とは異なり、即興的な要素は少なく、より構成的なアプローチが求められます。
    参考までにリストのハンガリー狂詩曲と聴き比べるのも面白いかもしれません。

    出典:YouTube

    ブラームスのラプソディ2番の難易度は?

    難易度のポイント
    • どのレベルのピアニスト向けか?
    • 難易度のポイント
    • 演奏者の声
    • 1番の難易度との比較

    どのレベルの向け

    • 中級から上級レベル
    • ベートーヴェンのソナタを数曲弾ける程度の技量が必要
    • ヤマハの「ピアノ名曲120選Ⅲ(中級〜上級)」に収録

    難易度のポイント

    • オクターブや跳躍が多く、手のコントロールが必要。
    • 和音の精密な処理が求められる。
    • 3連符のリズムを安定させるのが難しい。

    演奏者の声

    1. 「幻想即興曲より少し難しく感じた。」
    2. 「オクターブの多さと力加減のバランスが難しい。」

    ラプソディー2番の難易度:1番との比較

    リサーチしてみると、「1番との難易度の比較」に関心がある方が多いようです。
    もちろん、作品ごとに難しさは異なるので、一概には言えません。

    しかし、技術的には1番の方がやや難易度が高い傾向にあるようです。
    ラプソディー2番との難易度の違いは以下の通り。

    • 2番の方が旋律の表現がしやすい
    • 1番は10度の和音があり、手が小さい人には弾きにくい
    • 一般的には2番の方が弾きやすいと言われるが、実際にはどちらも難しい

    技術面の他に、「手が小さいと10度の和音が届かない」など物理的な難しさも・・・。
    そのため、演奏時にはしっかりと先生に相談して、マスターしましょう!

    全音でのラプソディー2番の難易度は「E」

    全音ピアノピースでは、本作(1番もあわせて)の難易度は「E」に設定されています。
    やはりこちらでも「上級」と判断されているようです。

    E難易度の作品には、例えば以下の曲があります(リンクから解説に飛びます)。

    などなど。

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    ブラームスのラプソディ2番の特徴や魅力

    ピアノ学習者の発表会で人気のラプソディ2番。
    そんな本作は、力強くも重厚な構成が魅力です。
    大まかな特徴や魅力を以下にまとめました。

    • 力強さと情熱的な表現
    • 対比の美しさ
    • 和声の豊かさ

    魅力1:力強さと情熱的な表現

    この曲の冒頭から感じられる圧倒的なエネルギーは、ブラームスの作品の中でも特に力強いものです。重厚な和音とダイナミックな展開が、聴き手を引き込む魅力を持っています。

    魅力2:対比の美しさ

    激しい主題と繊細なメロディが交互に現れ、ドラマチックな展開を作り出します。ブラームスならではの絶妙なバランスが楽しめます。

    魅力3:和声の豊かさ

    複雑な和声進行や転調が随所に見られ、ロマンティックな響きを作り出しています。特に中間部の美しい旋律は、しっとりとした感情を表現するのに最適です。

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    ブラームスのラプソディ2番のおすすめ動画3選

    いつものように、筆者の独断と偏見によるおすすめ動画3選を紹介します。
    演奏の参考にしていただければ幸いです。

    マルタ・アルゲリッチ

    世界最高のピアニスト、マルタ・アルゲリッチの演奏です。
    音の1つ1つが鮮明で、力強さと大胆さが魅力。

    出典:YouTube

    グレン・グールド

    記事の表紙にもなっている、鬼才グレン・グールドの演奏です。
    ペダルの使い方に注目!
    フレーズ1つ1つを味わうような演奏が素晴らしいです。

    出典:YouTube

    飯田梨洋子さんの演奏

    2019年時の演奏とのこと。
    中学3年生とは思えない、素晴らしい演奏です。
    これから演奏する方にとって、お手本になると思います。

    出典:YouTube

    ラプソディー2番のおすすめ楽譜3選

    全音ピアノピース

    1番と2番だけ欲しいと言う方には、これ1択です。
    でも、詳しい解説がないのが残念。

    ブラームス: 2つのラプソディ Op.79/原典版/ボイド運指/Eich編/ヘンレ社

    詳しい運指も記載されているので安心。
    大きくて見やすいのも助かります。
    ただ、ちょっとお値段高めです・・・。

    ブラームス集[2]〈新装版〉

    解説もしっかりしていて、紙も見やすいです。
    ラプソディー以外の作品も演奏したい方におすすめ。

    ラプソディー2番の難易度:まとめ

    1. 中級から上級レベルのピアノ曲
    2. オクターブや跳躍が多く、手のコントロールが重要
    3. ベートーヴェンのソナタが弾けるレベルの人向け
    4. 幻想即興曲と同じくらいの難易度と感じる人が多い
    5. 旋律の表現がしやすく、音楽になりやすい
    6. オクターブの和音が多く、力任せでは弾けない
    7. 1番と比較すると手の負担が少なく、取り組みやすい

    この曲は、ブラームスの力強さと繊細さが共存する魅力的な作品です。技術的な課題も多いですが、しっかりと練習すれば、表現力豊かに演奏できるでしょう。ぜひ挑戦してみてください!