ヘンデルシリーズも最後。今回は『調子の良い鍛冶屋』について解説します。
鍛冶屋が「カン!カン」と道具を作る表現が印象的な作品です。
ピアノを練習している方、あるいはお子さんがピアノを習っている方なら、
誰しも通る作品かもしれません。
初心者🎹から中級者の方まで、
いろいろな楽しみ方のある作品なので、ぜひこの記事を参考にしてみてください!
記事後半に、レベル別でわかる楽譜も紹介しています。
さらに参考動画も載せますので、練習中の方のご一助になること間違いなしです。
ということで、今回もざっくり解説です。
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『調子の良い鍛冶屋』の解説
ヘンデルの代表作の一つ、『調子の良い鍛冶屋』について解説します。
親しみのあるメロディーで、現在でも多くの人に愛されている名曲です。
難易度もそれほど高くなく、
発表会のレパートリーとして頻繁に演奏されています。
『調子の良い鍛冶屋』とは?
ヘンデル作『調子の良い鍛冶屋』は、
1720年に出版された『ハープシコード組曲第1集』の第5曲、第4楽章「エアと変奏」の別名です(意外にややこしい)。
また、タイトルはヘンデル自身が付けたものではなく、
後の時代の人によって付けられたものです。
なお、『調子の良い鍛冶屋』のタイトルで知られていますが、
現在ででは『愉快(ゆかい)な鍛冶屋』というタイトルも使われつつあります。
全体の構成は次のようなものとなっています。
変奏とあるように、本作は主題(テーマ)と5つの変奏からなり、
伝統的な「変奏曲形式」をとっています。
「エア」とは?
「エアって?」思われた方もいるかもしれませんので、
簡単に解説します。
「エア(エール)」とは、イタリア語のアリアにあたる形式です。
声楽的で歌謡的(かようてき)な器楽曲(楽器曲)を意味します。
「歌っぽい」という理解でひとまず大丈夫です。
「ハープシコード」について
ついでにもう一つ。
このブログで以前にも解説していますが、
- ハープシコード(英語)
- チェンバロ(ドイツ語)
- クラヴサン(フランス語)
これらは全部同じ楽器です。
もちろん、時代や国ごとに異りますが、
「同じ楽器を指す」と覚えておいてください。
ちなみに、こんな楽器です。
『調子の良い鍛冶屋』の由来
このタイトルはヘンデルが名付けたのではないと上に書きました。
しかし、逸話も残っているので、豆知識として覚えておくのも面白いかもしれません。
ハンマーを打つ音にインスピレーションを受けた
ヘンデルがシャンドス侯爵という人物のお抱え音楽家だったころ。
街に出たヘンデルは突然の雨に遭遇します。
そしてしばらくの間、一軒の鍛冶屋の軒下で雨宿りをしたそうです。
耳を澄ますと、鍛冶屋からハンマーで金床を打つ音が・・・。
このリズムにインスピレーションを受けて、
ヘンデルは『調子の良い鍛冶屋』を作曲したと言われています。
『調子の良い鍛冶屋』の難易度は?
ピアノ学習者の方にとって、難易度も気になる所だと思います。
そこで、『調子の良い鍛冶屋』がどの程度の難しさなのかを簡単に紹介します。
『調子の良い鍛冶屋』の難易度は楽譜によりさまざま
この曲を弾くことのできるレベルとしては、
『ツェルニー30番』程度の技術が必要というのが一般的見解のようです。
『ツェルニー30番』というと、初心者から中級者の間くらいの技術力だと思われます。
また、全音出版社のピアノピースだと難易度「C」とされており、
やはり中級程度のレベルが求められます。
難易度「C」の他の作品には、
例えば、
・シューベルト『楽興の時』
・ドビュッシー『月の光』
・パッヘルベル『パッヘルベルのカノン』
などが挙げられます(他多数)。
また、ドレミ楽譜出版社から発売の、『ピアノ名曲110選 グレードA』では、
簡易バージョン(レベル1)も掲載されているので、まずはコチラからチャレンジしても良いかもしれません。
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『調子の良い鍛冶屋』の参考動画
最後に、youtubeにアップされている動画を掲載しますので、
これからチャレンジする方は参考にしてみてください。
『調子の良い鍛冶屋』youtube
こちらは変奏曲(元の)バージョンです。
難易度は中級レベル。
音楽コンクールのピティナでの演奏です。
さらに、こんな演奏も。
セルゲイ・ラフマニノフによる演奏だそうです。
『調子の良い鍛冶屋』解説まとめ
ということで、今回は『調子の良い鍛冶屋』を解説しました。
この作品はヘンデルの死後も忘れられることなく、
その人気を保ち続けたそうです。
これからピアノを練習する方や、始めたばかりの方にとって、
一つの目標となる作品だと思いますので、
ぜひ、本記事を参考に取り組んでみてください。
ヘンデルシリーズはこれで終了です。
次回はヴィヴァルディについて書く予定。
これまでのヘンデルシリーズはコチラから!
アルマンド・・・「ドイツ風」という意味。舞曲の一種
クーラント・・・後期ルネサンスからバロック時代に流行した3拍子の舞曲