フェリックス・メンデルスゾーンのおすすめ代表曲11選。作品の特徴もまとめ解説!!

    やっとのことで、メンデルスゾーンの2記事目。結構時間が空いてしまいました。

    といってもグーグル検索結果ではバラバラに記事が検索されるから、あまり関係ないか・・・。今年(2023年)は、コンスタントに毎月6本くらいは書きたいですが、どうなることやら。

    前回の記事を見逃してしまった方は、こちらから、または↓からどうぞ。

    また、これまでのグーグルの評価では、こちら↓

    そして、こちら↓が高評価のようなので、まだの方はご一読ください。

    個人的にはブラームス関連の記事がお気に入りですが、筆者の思うようにはいかないようです。

    ということで前置きが長くなりましたが、メンデルスゾーンの作品を紹介していきます!!。

    出典:Aamzon「メンデルスゾーン:交響曲第2番「賛歌」」

    フェリックス・メンデルスゾーンのおすすめ代表曲11選

    「音楽史上最高の天才」と称される、メンデルスゾーンの作品にはどのような作品があるのでしょうか。まずは、交響曲から紹介します♫

    メンデルスゾーンの代表曲その1、交響曲第3番「スコットランド」

    1830年から1842年にかけて作曲された、最後の交響曲です。

    3番なのに最後の交響曲?」と気がついた方、鋭い!!。確かに、メンデルスゾーンは生涯で5曲の交響曲を作曲しました。しかし、メンデルスゾーンの場合は作曲年代順ではなく、「出版年代順」で紹介されるため、この順序となっています。

    この作品、ロマン派音楽の中でも屈指の交響曲ですので、未聴の方はぜひ聴いてくみてださい。また、ロマン派の時代では、作品に「標題(タイトル)」をつけることが多く見られます。

    本作にも「スコットランド」の標題がありますが、これはメンデルスゾーンが「スコットランド滞在中に作品の着想を得たため」その名が付けられました。

    全4楽章が休みなく演奏され、演奏時間は40分程度です。1842年にメンデルスゾーン本人の指揮により初演されました。

    代表曲その2、交響曲第4番「イタリア」

    クラウディオ・アバド指揮

    1831年から1833年にかけて作曲された交響曲です。おそらく、メンデルスゾーンの交響曲の中で最も有名な作品だと思います。本作の冒頭部分を一度は聴いたことがある人も多いハズ

    ところで、この作品にもイタリアという標題が付けられていますね。こちらはメンデルスゾーンがイタリア旅行中に作曲が開始されたことから、その名が命名されました。ローマの謝肉祭や、教皇グレゴリウス16世の献任式に刺激を受けたと言われています。

    結局、イタリア旅行中には仕上がらなかったようですが・・・。
    それはさておき。最終楽章には「サルタレッロ」というイタリア舞曲の技法が用いられているのも特徴です。1833年に初演され、演奏時間は25分程度です。

    代表曲その3、交響曲第5番「宗教改革」

    交響曲第5番』とされていますが、1830年に作曲された作品です。しかしまぁ、「宗教改革」という標題、気になりますよね?。

    歴史好きな方ならすぐわかると思います・・・。そう、この作品は「宗教改革」でお馴染みマルティン・ルター作曲のコラール「神はわがやぐら」を元に作曲されたため、この標題が付けられました。メンデルスゾーンって熱心なルター派の信者だったんです。

    紆余曲折を経て、作曲から年後の1832年に初演されましたが、その後1868年まで再演されなかったそうです。その間、何度も楽譜を改訂したメンデルスゾーン。しかし納得がいかず、ついには「楽譜を破り捨てたいくらい、気に入らない」と述べたそうです。

    メンデルスゾーンの代表曲その4、ピアノ協奏曲第1番

    ピアノ協奏曲として初めて出版された作品です。全3楽章で構成され、演奏時間はおよそ20分程度。協奏曲としては比較的コンパクトな作品なので、聴きやすいと思います。

    とても華やかな協奏曲であると同時に、颯爽とした作風が魅力的です。3楽章が連続で演奏され、メンデルスゾーン本人のピアノで初演されました。っていうか、ピアノの天才でもある💦。

    そして、本人による演奏は大成功となり、初演の翌年にはパリ、ロンドン、ベルリンなどヨーロッパ各地で演奏されています。

    代表曲その5、ヴァイオリン協奏曲第2番

    パールマン演奏

    本当はピアノ協奏曲第2番もと思ったのですが、長くなるので、次いきます。

    おそらく、メンデルスゾーン作品で最も有名な作品、『ヴァイオリン協奏曲第2番』です。しかも、パールマンのヴァイオリン演奏、めちゃくちゃ素晴らしい(個人の感想です)。

    それは置いといて。1844年に作曲された「3大ヴァイオリン協奏曲」の一つ。さてここで問題です。残り2曲の「ヴァイオリン協奏曲」覚えていますか?

    以前、ブラームスの記事で書いたので、お時間のある方は読んでみてください!!

    1845年に初演され、作品の躍動感を損なわないよう、全3楽章が連続して演奏されます。

    メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 他

    メンデルスゾーンの代表曲その6、フィンガルの洞窟

    1830年に作曲された「演奏会用序曲」です。

    演奏会用序曲とは、オペラや劇付随音楽につながらない、作品独自で完結した序曲のことをいいます。本作の原題は『ヘブリティーズ諸島』ですが、日本では『フィンガルの洞窟』のタイトルが一般的なようです。

    作品は10分程度の小曲で、2つの主題で構成されています。また、本作はスコットランドの「ヘブリティーズ諸島」にある「フィンガルの洞窟」に霊感を受けて作曲されたと言われています。

    代表曲その7、リュイ・ブラース(ブラス)

    こちらは少しマニアック。

    でも、良い曲なので独断と偏見により紹介します。本作はヴィクトル・ユゴーの同名の戯曲『リュイ・ブラース』のために作曲された序曲です。8分程度の短い作品で、なんとわずか3日で完成させたとのこと。

    しかし、メンデルスゾーン本人が本作を気に入っておらず、かつ、依頼者の態度が悪かったため、「やっつけ仕事だったのでは」とも(笑)。

    メンデルスゾーンの代表曲その8、弦楽四重奏曲第2番

    メンデルスゾーンを語る上で欠かすことができないのが、室内楽曲です。もしかしたら、ピアノ曲と同じくらい作曲してるんじゃないかな〜と思います。

    そのなかでも代表的(個人の好み含む)作品が、『弦楽四重奏曲第2番』です。この作品を作曲した当時、メンデルスゾーンはわずか18歳。18歳って高三ですよ?高三。

    しかし、この曲を聴いていると「すでに才能が完成されている」感満載です。

    若き日のメンデルスゾーンはベートーヴェンに傾倒していたことから、初期の室内楽作品にはベートーヴェンの影響が伺えます。

    全4楽章構成で、演奏時間は30分程度です。ロマン派の叙情と古典派の形式が絶妙に絡み合う傑作!!。

    代表曲その9、弦楽四重奏曲第6番

    弦楽四重奏曲からもう1曲。

    弦楽四重奏曲第6番』を紹介します。こちらの作品は1847年に作曲された、最後の弦楽四重奏曲です。弟パウルと養成に赴いたスイスで作曲されました。とてもダイナミックなメロディーですが、作品には悲劇的要素も含まれています。

    その理由として、同年5月に亡くなった姉ファニーへの喪失感と虚無感が根底にあるとされています。しかし、姉の死からわずか7ヶ月後にメンデルスゾーン自身もこの世を去るとは、なんとも皮肉なことです。

    作品は全4楽章で成り立っており、演奏時間はおよそ25分となっています。1848年、メンデルスゾーン死去の翌年にヨーゼフ・ヨアヒムによって初演されました。

    メンデルスゾーンの代表曲その10、ピアノ作品集「無言歌集」

    無言歌集より「春の歌」

    メンデルスゾーンの作品中でも高い人気を誇る、ピアノ独奏のための作品集です。ピアノ経験者の方の中には、本作品集に取り組んだことがある方もいらっしゃると思います。

    一説によると、「無言歌」の形式を生み出したのは、メンデルスゾーン姉のファニーであると言われています。

    でも、「無言歌」ってわかりにくいと思うので、「自由な発想によるピアノの小曲」って感じで理解しておいてください!!。

    ざっくりとね、ざっくり。『無言歌集』は全8巻あり、それぞれに6曲ずつ収められています。

    発表当初から多くの人々に愛され、特に『春の歌』↑や『ヴェニスの舟唄』なんかが有名です。

    それぞれに標題がつけられていますが、メンデルスゾーン実際に標題を付けのは、

    ヴェニスの舟唄
    デュエット
    民謡

    の3曲だと言われています。

    メンデルスゾーン無言歌集 全音ピアノライブラリ

    メンデルスゾーンの代表曲その11、厳格な変奏曲

    さて、いよいよラスト1曲。最後もピアノ曲です。

    その名も『厳格な変奏曲』。1841年、「ベートーヴェン記念碑設立資金の捻出のために」作曲された本作は、モーツァルトやベートーヴェンといった古典派の形式に倣い、主題と17の変奏で構成されています。

    また、作品としての完成度も非常に高く、メンデルスゾーン本人も作品の完成度に満足していたとそうです。しかーし!。あまりにも難しすぎる・・・。
    筆者では残念ながら逆立ちしても引けません。

    さらに、全17の変奏のうち、第14変奏でニ長調に転じる以外は、
    すべてニ短調で書かれた興味深い作品でもあります。

    フェリックス・メンデルスゾーンの作品の特徴について

    特徴その1、幼少期から才能を発揮

    裕福な家庭に生まれ、幼少の頃から天与の才能を発揮したメンデルスゾーン。

    バッハやモーツァルト、ベートーヴェンに影響を受けた彼は、わずか12歳にして『弦楽のための交響曲第1番』を作曲。そして2年間で『交響的断片(第13番)』を含む13曲の習作を発表しています。

    また、『交響曲第1番』を15歳で作曲し、同じ頃に『弦楽8重奏曲』を完成させています。

    こうした人智を超えたメンデルスゾーン才能について、
    アメリカのピアニスト兼音楽学者のチャールズ・ローゼンは「西洋音楽の歴史上知られている中で、最大の神童」と評しています。

    特徴その2、幅広いジャンルを作曲

    今回の記事では交響曲、協奏曲、室内楽、ピアノ曲を紹介しました。

    しかし、メンデルスゾーンはそれ以外にもオペラ、歌曲、オルガン曲などさまざまな分野で作品を残しています。

    とりわけ、宗教曲にもその才能を発揮し、オラトリオ『エリア』はヘンデルの『メサイア』とハイドンの『天地創造』に並ぶ3大オラトリオとしても知られています。

    ユダヤ教からキリスト教(ルター派)に改宗したメンデルスゾーンでしたが、信仰に関する問題は、終始メンデルスゾーンを悩ませた問題の一つでした。

    オラトリオ『エリア』については次回の3つ目の記事で解説します。

    特徴その3、演奏家・指揮者・指導者として

    演奏家・指導者としてのメンデルスゾーンにも少しだけ触れます。

    上記のように、優れた作品を数多く作曲したメンデルスゾーン。
    そんな彼は、演奏家や指揮者、そして指導者としてもその才能を発揮しています。

    楽団員に音楽的な指示を出し、一つの演奏を作り上げるという現在の指揮スタイルはメンデルスゾーンが先駆けであったと言われています。

    また、メンデルスゾーンは指揮者としても収入を得て、同時代の若手音楽家の育成に大いに貢献しました。

    しかし、リヒャルト・ワーグナーとは相性が悪かったようで、ワーグナーは生涯にわたりメンデルスゾーンを批判する立場を曲げませんでした。

    1843年にはライプツィヒ音楽院を設立し、
    ドイツの音楽教育にさらなる進歩をもたらしたのもメンデルスゾーンでした。

    しかし、あまり教育熱心ではなかったらしく「自分の気に入った学生」、「将来有望な学生」のみを相手にしていたそうです。

    自身があまりにも天才だったため、好き嫌いがはっきり分かれていたのかも・・・。

    まとめ

    今回はメンデルスゾーンのおすすめ代表曲を11曲紹介しました。

    もちろん他にもまだまだありますが、今回はざっくりとです(「今回も」か)。

    どれか一つでも、興味を持っていただければ幸いです。

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