ジョージ・ガーシュウィンとはどんな人物?その生涯や豆知識、エピソードや死因を簡単解説!!

    今回はジョージ・ガーシュウィンの生涯です。

    ガーシュウィンといえば「ラプソディ・イン・ブルー」や「サマータイム」、「巴里のアメリカ人」などの作曲者として知られていますね。

    でも、その人生についてはあまり知らない人が多いのではないでしょうか。

    そこで今回は20世紀のアメリカ音楽を代表する作曲家、ジョージ・ガーシュウィンの生涯について紹介します。

    ジョージ・ガーシュウィンの生涯について

    ジョージ・ガーシュウィンはどのような生涯を送ったのでしょうか。38歳という若さでこの世を去ってしまいましたが、20世紀初頭のアメリカ音楽、黒人音楽に及ぼした影響は計り知れないものでした。

    ガーシュウィンの生涯1、ニューヨーク・ブルックリンに生まれる

    ジョージ・ガーシュウィンは1898年、アメリカ・ニューヨクのブルックリンに生まれました。

    ガーシュウィンの父は靴の装飾デザイナーをしており、
    天才作曲家のエピソードにありがちな、いわゆる「音楽家系」でもなければ、
    「神童エピソード」といったものも残されていません。

    それどころか、子供の頃はあまり音楽に関心を示さず、
    少年時代は「やんちゃな」少年だったそうです。

    ガーシュウィンが初めてクラシック音楽に関心を持ったのは、
    小学生の時に聴いたドヴォルザーク作曲の「ユーモレスク」を聴いてからとのこと。

    13歳になった頃にようやくピアノや和声をなどを習い始めます(ガーシュウィンほど楽器との出会いが遅かった音楽家はあまりいないかもしれません)。

    チャールズ・ハンピッツァという優れた音楽家の元でピアノレッスンを受けたガーシュウィンは、瞬く間に音楽的才能を開花させます。

    中学卒業後、一度は高校に進学したガーシュウィンですが、
    すぐに学校を中退し音楽の道に進みます。

    ガーシュウィンの生涯2、楽譜宣伝ピアニストとして働き始める

    高校を中退したガーシュウィンは、すぐにティン・バン・アレーのリミック社という楽譜出版会社でソング・プラガー(楽譜宣伝ピアニスト)として働き始めます。

    ティン・バン・アレーとはマンハッタンの5番街と6番街のあるビル群を指すもので
    、ガーシュウィンが活躍していた当時、多くの楽譜出版社が軒を連ねていました。

    現在のようにレコードやCD、ダウンロードができない時代は、作曲家の「楽譜新譜」を手にすることが、最先端だったわけです。

    そんな環境の中、ガーシュウィンは次から次へと発表される新曲のデモ演奏をこなし、
    演奏家として、作曲家としての才能を開花させていきます。

    また、ガーシュウィンが出入りするようになった1910年代のティン・バン・アレーは、
    まさに黄金時代を迎えており、同じくソング・プラガーとして働いていた演奏家に大きな影響を受けています。

    ジャズとクラシックを融合させた自由な作曲スタイルは、
    この時期に確立されたといっても良いでしょう。

    ちなみに、実演実績においてはガーシュウィンはピカイチの成績を収めていたそうです。

    ガーシュウィンの生涯3、「スワニー」のヒットで人気作曲家に

    ソング・プラガーとして忙しい日々を送っていたガーシュウィン。
    それと同時に「欲しいときには手に入らない、手に入ったときはもう欲しくない」、「ぼくから逃げた少女」などの歌曲の作曲も開始します。

    そして1919年、ガーシュウィンに大きな転機が訪れます。
    1910年代のニューヨークでは「ワンステップ曲」と呼ばれるダンス曲が流行しており、
    この流行に乗ってガーシュウィンは「スワニー」を作曲(曲紹介は次の記事にて)。

    「スワニー」は、当時のアメリカのスター歌手アル・ジョルソンが歌ったことで大ヒットとなり、ガーシュウィンは一躍脚光を浴びることになりました。

    1920年に録音した「スワニー」のレコードは200万枚を超え、
    楽譜の売り上げも100万枚を超えるという脅威的売上を記録。
    ガーシュウィンの名声はヨーロッパにまで轟き始めます。

    ソナチネで弾ける ガーシュウィンピアノ曲集 

    ガーシュウィンの生涯4、兄弟でヒット曲を次々と発表

    「スワニー」の爆発的成功を収めたガーシュウィンは、
    1920年代に入ると兄アイラとともに次々と名曲を発表します。

    文学少年だったアイラが作詞をし、弟のジョージが音楽を担当するという黄金コンビの誕生です。

    現在もジャズのスタンダードとして人気のある「私の彼氏(The Man I Love)」「バット・ノット・フォー・ミー」「アイ・ガット・リズム」などは、
    多くの人が聴いたことのある作品だと思います。

    また歌曲以外にも作曲の幅を広げたガーシュウィンは1924年、
    「現代音楽における実験」というコンサートで代表作「ラプソディー・イン・ブルー」を演奏。

    ポール・ホワイトマンの委嘱により作曲されたこの曲は大成功を収め、
    ジャズとクラシックの融合という、新しい作品を目の当たりにした聴衆を感動の渦に巻き込みました。

    ブロードウェイへ進出

    多くの成功により時代の寵児となったガーシュウィンは、
    ブロードウェイ・ミュージカル作品も手がけるようになります。

    とりわけガーシュウィンは黒人文化に関心を示し1935年、
    黒人の生活を描いたフォーク・オペラ「フォーギーとベス」を発表。

    オール黒人キャストという前代未聞の企画で初演された本作でしたが、
    「ミュージカルではない」、「オペラではない」といった酷評を浴び、
    初演は成功とはいえませんでした。

    しかし現代ではミュージカルの最高峰作品として上演され、
    なかでも作中アリア「サマー・タイム」は、
    ジャズのスタンダードとして知られる不朽の名作です。

    ガーシュウィンの生涯5、早すぎる死

    「ポーギーとベス」の初演からおよそ2年後の1937年7月9日、
    ガーシュインは作曲中に突然倒れ入院します。

    その前年からうつ状態やイライラなどの症状が現れていたものの、
    「多忙による」ものとして軽視されていました。

    検査の結果ガーシュウィンの頭に脳腫瘍が見つかり、
    5時間に及ぶ手術を受けたものの意識を取り戻すことはなく、
    1937年7月11日、38歳という若さでこの世を去りました。

    術後の検査によると、
    取り出された腫瘍は脳腫瘍の一種である多形膠芽腫だったそうです。

    ニューヨークで行われた告別式ではバッハベートヴェンが流れ、
    最後にラプソディー・イン・ブルーが演奏されました。

    ガーシュインの豆知識やエピソードは?

    38年という短い生涯を彗星の如く駆け抜けたガーシュウィン。

    そんなガーシュウィンにはどのようなエピソードがあるのでしょうか。

    豆知識やエピソードその1・モーリス・ラヴェルに弟子志願するも断られる

    「スワニー」や「ラプソディー・イン・ブルー」の成功により、
    アメリカだけではなくヨーロッパでも名声を得たガーシュウィン。

    そんなガーシュウィンは、ヨーロッパへの小旅行の際、
    幸運にもモーリス・ラヴェルに面会する機会を得ます。

    そこではガーシュウィンはラヴェルに弟子入りを申し出ましたが、
    ラヴェルの返事はNOでした。

    その理由としてラヴェルは、「君はすでに一流の作曲家ガーシュウィンで通っている。なぜ二流のラヴェルになりたいのですか?君は君自身の道を歩みなさい。君に教師は必要ないよ」と答えたそうです。

    これ以上の賛辞はない気がしますが、
    ラヴェルの作品に憧れる気持ちはよくわかります。

    ちなみにストラヴィンスキーにも同様の申し出をしましたが、
    こちらも断られたそうです。

    それくらいガーシュウィンの才能が秀でていたってことなのでしょうね。

    その2・買い与えられたピアノをいきなり弾きこなす?

    13歳でピアノを買い与えられたガーシュウィンは、
    ピアノが届くやいなや、いきなり即興でピアノを弾いたそうです。

    驚いた母親が不思議に思いワケを尋ねると、
    実は友人の家の自動ピアノでよく遊んでいたとのこと。

    当初は兄アイラのために買ったピアノでしたが、
    程なくしてピアノはガーシュウィンのものとなったことは言うまでもありません。

    やはり子供の頃から天才の片鱗があったようです。

    まとめ

    今回はジョージ・ガーシュウィンの生涯について紹介しました。

    今回もいつものごとく3回にわたりガーシュウィンについて解説していきます。

    500曲以上もの歌曲を残し、名曲も多い作曲家ですので、
    いつもよりは親しみが持てるのではないかと思います。

    次回はガーシュウィンのおすすめ作品を解説しますので、
    ぜひ参考にしてみてください!

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