この記事では、乙女の祈りの難易度を解説しています。
ピアノの名曲として知られる「乙女の祈り」。
優雅で美しいメロディに、一度は心を奪われたことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
といった疑問にお答えします。
さらに、上手に弾くためのポイントや、おすすめの無料楽譜・市販楽譜もご紹介。
これから「乙女の祈り」に挑戦したい方に向けて、わかりやすく情報をまとめました。
記事の前半では、「乙女の祈りの難易度」や「作曲者バダジェフスカについて」、記事の後半では、演奏のポイントや楽譜を紹介します(無料楽譜あり)。
また、各見出し下に素晴らしい演奏動画も紹介しています。
練習の際のお手本としてご覧ください!
筆者は3歳からピアノを開始。紆余曲折を経て、かれこれ30年以上ピアノに触れています(音大には行ってません)。この曲は、小学校の5年生くらいで弾きました。
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乙女の祈りのピアノ難易度をレベル別に解説!初心者〜中級者まで
出典:YouTube:CANACANA family様より
早速、難易度紹介といきましょう。
全音ピアノピースでは、難易度「C」(中級)とされています。
とはいえ、それだけで終わるのは物足りないので・・・。
解説を加えつつ、難易度を見てみましょう。
乙女の祈りは初心者には難しい?ピアノ経験者向けのレベルとは
「乙女の祈り」は、前述のとおりピアノ中級レベルです。
具体的には、バイエル教則本を終え、ソナチネアルバム程度に進んでいる方なら挑戦しやすいんじゃないかなと思います。
指の独立性やある程度の技巧(アルペジオや装飾音符など)が必要なので、ピアノを始めたばかりの初心者の方には少し難しいかもしれません。
さらに、冒頭からオクターブが連続するので、手が小さい方の場合は演奏に工夫が必要になります。
レッスンに通われている方は、先生に相談してみてください!
初心者向けアレンジ版も!楽譜で変わる乙女の祈りの難易度
完全初心者の方もこの記事を読まれていると思います。
「オリジナルの楽譜だとちょっと難しいな・・・」
こんな方には、初心者向けアレンジ版もありますよ!
複雑な指の動きや広い音域を要する部分が簡単にアレンジされているため、初心者の方や、久しぶりにピアノに触れる方でも比較的取り組みやすいと思います。
自分のレベルに合った楽譜を選ぶことが、楽しく練習を続ける秘訣です。
乙女の祈りを弾くために必要な練習時間と期間の目安
「乙女の祈り」をマスターするために必要な練習時間もきになりますよね?
とはいえ、これについては、
個人のピアノ経験や練習の質、目標とする完成度によって大きく異なる
というのが答えです。
初心者向けアレンジ版ならすぐに弾けることもあるでしょうが、オリジナル版だと結構時間がかかるなど、状況によりさまざまかなと・・・。
例えば、ピアノ中級レベルの方が毎日1時間程度練習する場合、数週間から数ヶ月で一通り弾けるようになるのが一般的です。
しかし、美しい音色や表現力を追求するとなると、さらに長い期間が必要になると思います。
焦らず、自分のペースでじっくりと取り組むことが大切!
「エリーゼのために」と比べてどっちが難しい?
「乙女の祈り」にチャレンジする際に目にするのが「エリーゼのためにとどっちが難しい?」という質問です。
これについては、筆者の経験から言うと「乙女の祈りの方が難しい」かなと。
あくまでも技術的な面だけですが・・・。
とはいえ、「エリーゼのために」も難所がいくつもあります。
そのため、一概にどちらがとはいえませんが、全体的には乙女の祈りの方が難易度が高いと言えるのではないでしょうか。
いずれにしても、実際に楽譜に触れて体感するのが一番かなと思います。
参考|ピティナ・ピアノ曲事典|バダジェフスカ :乙女の祈り 変ホ長調 Op.4
乙女の祈りの作曲者バダジェフスカについて
出典:YouTube
テクラ・バダジェフスカとはどんな人物?謎多き生涯
テクラ・バダジェフスカ:出典:Wikipedia
「乙女の祈り」の作曲者、テクラ・バダジェフスカ(Tekla Bądarzewska-Baranowska)は、1834年(1829年説もあり)にポーランドで生まれた女性作曲家です。
彼女の生涯については詳しい記録が少なく、謎に包まれている部分も多いと言われています。
この一曲で世界的な名声を得ましたが、38歳という若さで亡くなったこともあり、その他の作品はあまり知られていません。
本作を含め、生涯で35曲の作品を残したとされています。
誕生年について、実は詳しくはわかっていません。
1823年、1829年、1834年、1838年などの説があります。
バダジェフスカと同時代の作曲家(おおよそ1830〜1860年代)
誕生年は定かではありませんが、いずれにしてもロマン派の時代に生きたことは間違いありません。同時代の作曲家にはこんな人たちがいました(一部です)。
- フレデリック・ショパン(1810–1849)
- ポーランド出身で、ロマン派ピアノ音楽の巨匠。
- バダジェフスカより一世代上だが、彼女の作風にも影響を与えた可能性あり。
- フランツ・リスト(1811–1886)
- ハンガリー出身、ピアノの超絶技巧と詩的表現を極めた作曲家。
- バダジェフスカの乙女の祈りのような「サロン音楽」とも相性のよいスタイルも持つ。
- ロベルト・シューマン(1810–1856)
- ドイツのロマン派作曲家。歌曲やピアノ曲で人気。
- バダジェフスカとわずかに重なる活動時期。
- フェリックス・メンデルスゾーン(1809–1847)
- ロマン派初期の作曲家。バダジェフスカが音楽を学んだ頃にはすでに名声があった。
- シャルル=ヴァランタン・アルカン(1813–1888)
- フランスのピアニスト・作曲家で、サロン音楽や技巧的作品が多い。
- バダジェフスカのようにピアノ曲を多く書いた。
- クララ・シューマン(1819–1896)
- ロベルト・シューマンの妻であり、自身も作曲家・ピアニストとして活躍。
- バダジェフスカと同じく、女性作曲家として注目される存在。
「乙女の祈り」誕生秘話と世界的な大ヒットの理由
「乙女の祈り」は、1856年にワルシャワで出版され、その後1859年にパリの音楽雑誌の付録として紹介されたことをきっかけに、ヨーロッパ中で大流行しました。
親しみやすいメロディと、当時のサロン音楽の流行が相まって、アマチュアピアニストがこぞって、この作品に取り組んだといわれています。
タイトルの「乙女の祈り」というロマンティックな響きも、人気を後押しした要因の一つかもしれませんね。
あまりの人気のため、当時の80社を超える出版社から出版されたそうです。
バダジェフスカが後世の音楽に与えた影響
バダジェフスカは「乙女の祈り」一曲で歴史に名を残した作曲家と言えるでしょう。
この曲は、ピアノ学習者にとって演奏会や発表会で取り上げられる定番曲の一つとして定着し、今日でも多くの人々に親しまれています。
また、そのキャッチーなメロディは、様々な形で編曲されたり、映画やドラマのBGMとして使用されたりするなど、後世の音楽文化にも影響を与え続けています。
ちなみに、バダジェフスカはのちに「かなえられた祈り」というアンサー曲も作曲しています。
せっかくですので、「かなえられた祈り」も参考までに。
出典:YouTube
乙女の祈りの弾き方:3つのポイント
出典:YouTube
【ポイント1】優雅なアルペジオを滑らかに弾くコツ
「乙女の祈り」の特徴的な部分の一つが、右手で奏でられる流れるようなアルペジオ(分散和音)です。このアルペジオを滑らかに、そして優雅に聴かせるためには、手首を柔らかく使い、指の移動をスムーズに行うことが重要。
また、ペダルを効果的に使うことで、音が途切れることなく、豊かな響きを生み出すことができます。一音一音を丁寧に、そして繋がりに意識を向けて練習しましょう。
【ポイント2】装飾音符を軽やかに、表情豊かに演奏する秘訣
曲中には、トリルやプラルトリラーといった装飾音符が効果的に使われています。これらの装飾音符を軽やかに、そして表情豊かに演奏することで、曲全体の華やかさが増しますよ!
装飾音符は、主要なメロディラインを邪魔しないように、しかし存在感を持って演奏するのがポイント。指の訓練はもちろんのこと、作曲者がどのような意図で装飾音符を入れたのかを考えながら練習すると、より深みのある演奏に繋がります。
【ポイント3】右手と左手のバランスを意識した練習方法
「乙女の祈り」では、右手が華やかなメロディやアルペジオを担当し、左手が伴奏やリズムを刻む場面が多く見られます。美しい演奏のためには、右手と左手の音量バランスが非常に重要です。
メロディラインが伴奏に埋もれてしまわないよう、右手の音をしっかりと響かせつつ、左手はそれを支えるように優しく演奏することを心がけましょう。片手ずつの練習や、左右のバランスを意識しながらゆっくりと合わせる練習が効果的です。
乙女の祈りの楽譜紹介3選(無料楽譜含む)
出典:YouTube
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【無料楽譜】初心者でも挑戦しやすい簡単アレンジ楽譜
「乙女の祈り」をまずは気軽に試してみたいという方には、インターネット上で公開されている無料楽譜がおすすめ。特に「IMSLP(国際楽譜ライブラリープロジェクト)」などのサイトでは、様々なレベルにアレンジされた楽譜が見つかることがあります。
ただし、無料楽譜を利用する際は、著作権の状況や楽譜の質(運指の記載がない、見にくいなど)を確認することが大切です。
まずは簡単なアレンジ譜から挑戦してみましょう。
そのほか、「クラシックピアノ名曲110」様のサイトからもダウンロードできます。
「クラシックピアノ110様」より、ダウンロードはコチラから!
【中級者向け】原曲の雰囲気を楽しめる定番楽譜
ある程度ピアノ経験のある方には、原曲の美しさをしっかりと味わえる、信頼できる出版社の楽譜がおすすめです。
例えば、全音楽譜出版社や春秋社などから出版されている楽譜は、運指やペダリングの指示が丁寧に記載されており、学習の助けになります。
【上級者向け】より深く曲を解釈できる校訂版楽譜
より専門的に「乙女の祈り」を学びたい、コンクールなどで演奏したいという上級者の方には、原典版や著名なピアニストによる校訂版の楽譜も選択肢の一つ。
これらの楽譜は、作曲者の意図をより忠実に再現しようとしたり、詳細な演奏解釈が加えられていたりするため、曲への理解を深めるのに役立ちます。
ただし、解釈が難しい場合もあるため、指導者と相談しながら選ぶと良いでしょう。
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乙女の祈りのピアノ難易度解説:まとめ
ここまで、「乙女の祈り」のピアノ難易度、作曲者バダジェフスカ、そして美しい演奏のためのポイントや楽譜について解説してきました。
「乙女の祈り」は、中級程度のピアノスキルが必要ですが、その美しいメロディとロマンティックな雰囲気は、多くの人々を魅了し続けています。
ご自身に合った楽譜を選びつつ、ポイントを押さえた練習を重ねれば、きっとこの曲を自分のものにできるはずです!
・難易度とレベル: 一般的に中級レベル。バイエル終了~ソナチネ程度が目安。簡単アレンジ版も活用。
・作曲者: ポーランドの女性作曲家テクラ・バダジェフスカ。生涯は謎多き部分も。
・弾き方のコツ:
- 滑らかなアルペジオ(手首の柔軟性、ペダルワーク)
- 軽やかな装飾音符(指の訓練、表現力)
- 右手と左手のバランス(メロディと伴奏の調和)
・楽譜選び: 無料楽譜から定番楽譜、校訂版までレベルに合わせて選択。
・練習: 焦らず、継続的に、ポイントを意識して取り組むことが大切。