ドラマ「リバーサルオーケストラ」が話題となっていますが、皆さんの中にも毎週楽しみにされている方も多いと思います。「リバーサルオーケストラ」公式HP
前回から新シリーズとして、「リバーサルオーケストラ」で使用されている曲名解説がスタートしました。
本来であれば、ドラマシーンと合わせて解説した方が読者の方に伝わりやすいと思うのですが、「長くなりすぎる」というデメリットを鑑みて、曲解説のみとさせていただきます(すみません)。
ということで、サクサクと行きます♫。
あっ!前回の「その①」を読み忘れた方はこちらか、こちらから👇
ドラマ「リバーサルオーケストラ」の曲名紹介
前回に引き続き、作品紹介です。
多分、この記事でドラマ三話分の曲名はカバーできていると思います。
全部見るのが面倒な方(大半の方)は、目次からお好きな作品に飛んでくださいまし。
リバーサルオーケストラの曲名その16。バッハ『管弦楽組曲第2番』より「パディヌリ」
「音楽の父」ヨハン・セバスチャン・バッハの代表作の一つです。ちなみに、「音楽の母」はヘンデルです。
有名な作品がたくさんあるから、ダントツで有名かと言われるとそうでもないかな〜。本作はフランス風組曲で作曲され、独奏楽器にフルートが使われているのが特徴。
全7曲構成の組曲で、有名な👆は7番目(終曲)です。
また、「パディヌリ」とは18世紀に流行った舞曲様式のこと。
リバーサルオーケストラの曲名その17。バッハ『カンタータ147番「心と言葉、行いと生き様で」』
バッハ2曲目。これも絶対聴いたことあると思います。
一般には「主よ人の望みよ喜びよ」の作品名で知られていますね。
でも、この作品は全10曲からなる2部構成のカンタータの1曲として1723年頃に作曲されました。カンタータなので、声楽もついています。
カンタータとは、キリスト教のルター派教会で歌われる讃美歌です。
何度聴いても心が癒されますね。ギターやオリガン、ハープなどさまざまな楽器で演奏されています。
リバーサルオーケストラの曲名その18。エルガー『エニグマ変奏曲 第9番「ニムロッド」
『威風堂々』や『愛の挨拶』など、の作品で知られるエルガーのもう一つの代表作です。
本作『エニグマ変奏曲』は1898年から1899年にかけて作曲され、エルガーの出世作となりました。全14曲のなかでも、壮大で、慈愛に満ちた旋律が美しい第9番「ニムロッド」が有名です。
「エニグマ」って『ジョジョの奇妙な冒険』とかにもでてきますが、元々の意味は、ギリシャ語で「なぞ」とか「なぞかけ」という意味です。
タイトルの通り、全14曲にはエルガーにまつわる友人のイニシャルが添えられています。さらに、エルガーは本作にもう一つの「エニグマ(なぞかけ)」を残しましたが、その答えが何のか現在もわかっていません。
また、本作はエルガーが愛したベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴 第2楽章」のメロディを基に作曲されています。👈ここ重要かも。よーく聴いてみてください!!
ベートーヴェンの『悲愴ソナタ』第2楽章はこちら👇
リバーサルオーケストラの曲名その19。エルガー『威風堂々』
『エニグマ変奏曲』も美しい名作ですが、エルガー最大の代表作といえばやはりこちら、『威風堂々』ですね。
エドワード7世の依頼により、のちに歌詞(「Land of Hope and Glory」)が添えられ、現在ではイギリス第2の愛国歌として知られています。
でも、『威風堂々』って実は6曲ある行進曲集の1曲だって知ってましたか?。しかも、6番に至っては21世紀に入ってから補筆(音符を補うこと)されたとのこと。
この有名な作品は、6曲ある行進曲のうちの1番です。
リバーサルオーケストラの曲名その20。グノー『アヴェ・マリア』
フランスの作曲家、シャルル・グノーの代表作『アヴェ・マリア』。
甘美な旋律が印象的で、心癒されますね。でもこれ、ヨハン・セバスチャン・バッハが作曲した『平均律クラヴィーア曲集第一巻』の「前奏曲第1番」を伴奏にした作品だから、厳密な意味でグノー作曲と言えるのかな〜(エニグマです)。
「アヴェ・マリア」って言葉、たまーーーに聞くと思いますが、これは「こんにちは、マリア」や「おめでとう、マリア」を意味するラテン語です。
もう一つ有名な、シューベルトの「アヴェ・マリア」と聴き比べてみるのも面白いかもしれません👇。
「シューベルトってだれ?」という方にはこちらの記事がおすすめです。
リバーサルオーケストラの曲名その21、パッヘルベルのカノン
「カノン」といえば、この「パッヘルベルのカノン」を思い出す人が多いと思います。
しかし、カノンとは「音楽様式」のこと。しかもカノンにはさまざまな定型があって、結構複雑・・・。なので、そういう難しい話は専門家に任せます(笑)。
話を戻して、、、。
実はこの曲、はっきりした作曲年代がわかっていません(まぁ年代古いし)。一説によると17世紀末期なのではないかと推定されています。
しかも、元々は『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ』という長いタイトルが付けらているんですよ!(ジーグというのは舞曲様式のこと)。
リバーサルオーケストラの曲名その22。ショパン『ノクターン 第2番』
21曲あるショパンのノクターンの中でも、最も有名かつ演奏機会の多い作品です。
優しく囁きかけるような旋律は、いまでも多くの人の心を癒します。
ショパンについては今後の当ブログで詳しく触れる予定なので、今回はサラッと。
曲名その23。ドヴォルザーク『交響曲第9番 新世界より』
1893年に作曲された作曲者最後の交響曲です。
新世界(アメリカ)から、故郷ボヘミヤへの思いが込められたドヴォルザークの名曲です。
「と〜おき〜、や〜まに〜、ひ〜はお〜ちて〜」って歌ったことある方多いと思いますが、あのメロディはこの作品の第2楽章の旋律です(4楽章にもでてきます)。
日本においては、ベートーヴェンの『交響曲第5番 運命』、シューベルトの『未完成交響曲』と並び3大交響曲の一つに数えられています。👈はい、ここテストにでます(嘘です)。
ドヴォルザークが新天地アメリカで聞いた黒人音楽や、インディアンの民族音楽による主題が用いられています。
曲名その24。ラロ『スペイン交響曲』
1874年に作曲された、フランスの作曲家エドゥアール・ラロを代表する作品です。
タイトルが『スペイン交響曲』とされていますが、実質上は『ヴァイオリン協奏曲』ですね。
なんかね、最初から「かっこいい!」です。作品持つ迫力や勇ましさってのがビリビリと伝わります。この作品は、当時最高のヴァイオリニストとして、世界中にその名を轟かせたパブロ・サラサーテのために作曲されました。
作品の随所にスペイン的主題が用いられています。
曲名その25。ブラームス『交響曲 第1番』
1876年に作曲されたブラームスを代表する交響曲です。
といっても、ブラームスが作曲した交響曲はこちらを含めて4作のみですが・・・。
しかもその全てが名作という(驚き)。
ブラームスについては別記事で書いてますので、よかったらこちらも併せてお読みください。
この交響曲を聴いた指揮者ハンス・フォン・ビューローは、「ベートーヴェンの第10交響曲だ〜!!」と称賛したと言われています。
曲名その26、マスネ『タイスの瞑想曲』
19世紀から20世紀にかけて人気を博したフランスの作曲家マスネの作品です。
現在、マスネの作品で演奏されるのは、この作品くらいかな〜と思います。
でもタイトルに「瞑想」とつくだけあって、穏やかで心清らかなメロディーが美しいですね。
この作品は単独で作曲されたのではなく、マスネのオペラ『タイス』で登場する間奏曲として作曲されました。
曲名その27。シベリウス『フィンランディア』
フィンランドの国民的作曲家シベリウスが作曲した交響詩です。
複数の楽章で作られる交響曲とは異なり、交響詩は一つの楽章で作られる自由形式の作品のことです。
フィンランドの人々にとって、本作『フィンランディア』はロシアからの独立を象徴するかけがえのない作品です。この作品に歌詞がつけられた『フィンランド賛歌』は、フィンランド第2の愛国歌として大切にされています。
シベリウスと『フィンランディア』にご興味ある方は、こちらを参考にしてみてください。
曲名その28。グリーグ『ペール・ギュントより 「山の魔王の宮殿にて」』
北欧繋がりでということで。次はノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグの『ペール・ギュント』を紹介します。
本作は、劇作家ヘンリック・イプセンの同名の劇にグリーグが音楽をつけた劇付随音楽として発表されました。依頼当初、グリーグは本作の作曲に難色を示したそうです。
ところがその後、イプセンから「音楽に関してグリーグの芸術的な自由を保障する」と背中を後押しされたことがきっかけとなり、1876年に無事に初演を迎えました。
動画の最初の方だけ見ても「ん??聴いたことないぞ」と思うかもしれませんが、1:25〜から「あ〜これか!!」に変わると思います。
曲名その29。ラフマニノフ『前奏曲 嬰ハ短調』
1892年、ラフマニノフがモスクワ音楽院卒業後に作曲家として最初に発表した作品です。
『幻想小曲集』という作品集の2曲目に収録されています。
本作は『前奏曲 鐘』のタイトルでも知られています。聴いてみると、「ゴーン」っていう鐘の表現を感じませんか??。
筆者も大昔に弾きましたが、たしかフォルテ(f)が4つ付いたフォルテシシシモ(ffff)の記号があったような・・・。うろ覚えですみません。
曲名その30。ベートーヴェン『エリーゼのために』
1810年に作曲されたベートーヴェンのピアノ曲です。
おそらく、知らない人はいないと思います(多分)。小学校の頃、最初のフレーズだけ真似して弾いてことがある方も多いかもしれません。
語りかけるような冒頭が美しい作品ですが、この曲にも豆知識があります。
それは、本当のタイトルは「エリーゼのために」ではないかもしれないということ。
ベートーヴェンは字が雑だったことで有名で、この作品は「エリーゼ」ではなくテレーゼ・マルファッティという女性のために書かれたのではないかという説があります。ピアノソナタにも「テレーゼ」という副題がついた作品があるし。
でも、いくら字が雑とはいえ頭文字の「E」と「T」を見間違えるかな〜、なんて疑問がありますが・・・。
真偽の程はわかりませんが、「そういう説もあるのか〜」程度に覚えておいてください!。
今回のまとめ
ということで、前回と今回の記事で三話までに登場した作品を紹介できたハズです。
抜けがあれば、その都度追加します。
書くのに体力使うけど、作品を振り返りながら(思い出とともにね)書いてるので、結構サラッと書けました。
これからどんどん増えて行くと思いますが、時間ブルジョアの方がいましたらお付き合いください。
ではまた次回!!
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