「リバーサルオーケストラ 曲名シリーズ」ということで、今回は番外編。現在はショパンの記事を準備していますが、日本テレビ系ドラマ「リバーサルオーケストラ」を知り「これは記事にしなくては!!」と思った次第です。
あまりドラマは見ないのですが、クラシック関連モノだとやはり気になります・・・。
今回から数回に分けて「リバーサルオーケストラ」で流れるクラシック作品について解説します。
でも、ドラマシーンと合わせて解説すると、記事がとんでもなく長くなるので、さらっと、曲名と作者の紹介だけにします(解説は順不同です)。
できるだけ豆知識も加えますので、ぜひ参考にしてみてください!!
なおこの記事は、各ストーリー終了後に随時更新されます(筆者の希望的観測です)。
ドラマ「リバーサルオーケストラ」とは
今年(2023年)1月11日から、日テレ系ドラマ「リバーサルオーケストラ」が始まりましたね!
「のだめカンタービレ」以来、久々に「クラシック音楽をベースにしたドラマが始まったな」と注目している方も多いと思います。
しかも、音楽担当が人気ピアニスト兼編曲家の清塚信也さんだけあって、どのような作品になるか期待が高まりますね。
主人公は元天才バイオリイスとして世間を騒がせながらも、10年前とつじょとして表舞台から消え去った谷岡初音(門脇麦さん)。そして、ひょんなことから谷岡初音を発見し、強引にオーケストラへ誘う指揮者常葉朝陽(田中圭さん)。
2人の天才の偶然出会いが、弱小オーケストラをどのように変化させていくのか??。
今後も目が離せませんね!
ドラマの詳細については、参照公式HPをご覧ください👍
「リバーサルオーケストラ」に登場する曲名と作者を解説!!
ドラマ内で登場する曲名と作者について解説します。本編ではアレンジ作品もありますが、ここでは原曲を紹介しています。
なるべく作曲家ごとに紹介しますので、ぜひ聴いてみてください!!
きっと、クラシック音楽に関する知識がすこーーしだけ身につくと思いますよ。
曲名その1。チャイコフスキー作曲『交響曲第5番 第4楽章』
チャイコフスキーは生涯で7曲の交響曲(『マンフレッド交響曲』含む)作曲しました。
本作は1888年に作曲されたチャイコフスキー5番目の交響曲です。ドラマのオープニング曲は本作の第4楽章をアレンジしたもの(多分)。
チャイコフスキーはこの作品をわずか3ヶ月で書き上げたと言われています。
現在ではチャイコフスキーを代表する名作ですが、本人は作品に不満だったようです。
しかも、本人が指揮した初演も不評だったらしい・・・。
曲名その2、チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲第1番』
こちらはチャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲第1番』。
哀愁漂う2楽章、最高です。本作は、フランスの作曲家エドゥアール・ラロの作品『スペイン交響曲』を研究して作曲されました。天才チャイコフスキーも研究熱心だったんだな(ちょっと安心)。
ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスのバイオリン協奏曲に本作を加えて、「4大バイオリン協奏曲」にも数えられています。
ちなみに、メンデルスゾーンについてはこちらか、こちら👇
ブラームスについてはこちら👇
曲名その3。チャイコフスキー、バレエ『くるみ割り人形』より「金平糖の精の踊り」
本作『くるみ割り人形』は『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』と並ぶチャイコフスキー作曲の3大バレエです(出た!!「3大〜」)
のちに組曲版にアレンジされましたが、バレエ、組曲ともに現在でも上演・演奏機会の多い作品です。
この曲も絶対聴いたことがあると思います!!。それはさておき・・・、このバレエの動き凄すぎ。
また、日本語のタイトルでは「金平糖」と訳されていますが、実際は、果物を砂糖でコーチングした「ドラジエ(ドラジェ)」というお菓子だそうです。
曲名その4。ストラヴィンスキー、バレエ組曲『火の鳥』より
ロシアの作曲家ストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽。バレエの題材はロシア民話がモチーフとなっています。1910年にパリ・オペラ座で初演され、のちに組曲に編曲されました。
しかし!!組曲版が3つあり、どの版を演奏するかは演奏家の好みで分かれるようです。
作曲者ストラヴィンスキーは1959年に来日しており、作曲家・武満徹(たけみつ とおる)を称賛しました。
余談ですが、「ストラヴィンスキー」の名前が付けられた小惑星もあります。←こういう無駄知識が大事!!(笑)
リバーサルオーケストラ曲名その5。メンデルスゾーン『ヴァイオリン協奏曲』
「メンデルスゾーンといえばこれ!!」というくらい、有名な作品ですね。
しかしまぁ、こんな美しい作品がどっから湧いてくるのか(謎)。
1844年に作曲され、翌年1845年に初演を迎えています。
メンデルスゾーン本人が初演を指揮する予定だったそうです。しかし、演奏会当日に体調不良を起こし、副指揮者のニルス・ケーゼが指揮を務めました。
なんか、初期ロマン派の作曲家たちって病弱なイメージが強い・・・。
メンデルスゾーンの生涯についてはこちらを参考にしてください👇
リバーサルオーケストラ曲目その6、ヨハン・シュトラウス1世『ラデツキー行進曲』
ウィーンフィルのニュー・イヤコンサートでお馴染みの『ラデツキー行進曲』。
ヨハン・シュトラウス1世の最高傑作と称され、現在でも高い人気を獲得しています。
聴いていると、元気になりますね!!。ちなみにヨハン・シュトラウス1世は「ワルツの父」、息子のヨハン・シュトラウス2世は「ワルツ王」と呼ばれています。
タイトルの「ラデツキー」とは、北イタリアで起きた独立運動を鎮圧したヨーゼフ・ラデツキー将軍のこと。
リバーサルオーケストラ曲名その7。ヨハン・シュトラウス2世『トリッチ・トラッチ・ポルカ』
こちらはヨハン・シュトラウス2世が1858年に作曲した『トリッチ・トラッチ・ポルカ』。
絶対一度は聴いたことがあるハズ!!。ポルカとは、ボヘミアで生まれたテンポの速い2拍子の舞曲のこと。元々はチェコ語で「ポーランドの娘」を意味するらしい・・・(知らんかった)。
リバーサルオーケストラ曲名その8。ムソルグスキー、組曲『展覧会の絵』より「バーバ・ヤーガの小屋」
ムソルグスキーの代表作といえば組曲『展覧会の絵』です。1874年に作曲された本作は、友人で画家のヴィクトル・ハルトマンの死を悼(いた)んで作曲されました。
「回廊」を意味するプロムナードと10曲で構成されています。タイトルの『展覧会』とは、ハルトマンの遺作展のことを示しているそうです。ドラマでは組曲の中の1曲「バーバー・ヤーガの古屋」という作品が使われています。
ちなみに、「バーバ・ヤーガ」とはスラヴ民話に登場する魔女とのこと。
また本作は一曲ごとに大きく拍子が異なっており、ムソルグスキーが作品を「歩きながら鑑賞している様子を表現している」と言われています。モーリス・ラヴェルによるオーケストレーションがもっとも有名です。
リバーサルオーケストラ曲名その9。ラヴェル『ボレロ』
ということで、次はモーリス・ラヴェルの『ボレロ』を紹介します。
ボレロって実はバレエ音楽であることをご存知でしょうか?おおまかに解説すると内容はこんな感じです👇
内容を知ると、徐々に音が大きくなる理由がわかりますね!!。
豆知識・・・ボレロは「最初から最後までたった一つのクレッシェンド<」が記されているだけです。クレッシェンドは「音を少しずつ大きくする」という意味の記号です。
動画の指揮者(ゲルギエフ)、爪楊枝みたいなので指揮してる!!!!←必見!!!
リバーサルオーケストラ曲名その10。サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「ピアニスト」
フランスの作曲家サン=サーンスの代表作『動物の謝肉祭』。全14曲が収録されていて、ドラマで出てきたのは11曲目の「ピアニスト」。
この作品で興味深いのは、サン=サーンスの周囲に対する辛辣な皮肉が含まれているところです。詳しくは、以前のサン=サーンスに関する記事をご覧ください👇
『動物の謝肉祭』についてはこちらです👇
リバーサルオーケストラ曲名その11。パガニーニ『24のカプリース』第24曲
天才ヴァイオリニスト、ニッコロ・パガニーニの代表作です。
24作あるカプリースのラストを飾る本作は、リストやシューマンなどの後世の作曲家に多大な影響を与えています。
彼らほどの作曲家が影響を受けたってことを考えると、パガニーニって人はどれほど凄かったのか・・・。
カプリースは日本語で「奇想曲(きそうきょく)」と訳されますが、元はイタリア語の「カプリッチョ」=「気まぐれ」という意味です。
リバーサルオーケストラ曲名その12。ロッシーニ『ウィリアムテル序曲』
1829年に作曲されたロッシーニを最も代表する作品です。日本では『ウィリアム・テル序曲』の名前で知られていますが、『ギヨーム・テル序曲』という曲名でも有名です。
最初の方は聴いたことがない方も多いと思いますが、動画8:21〜から聴いてみてください!!。絶対「あっ!」ってなると思います。
ちなみに、ロッシーニは大変な美食家で「〜のロッシーニ風」とは、作曲家のロッシーニに由来しています。
リバーサルオーケストラ曲名その13。ビゼー『アルルの女』より「ファランドール」
オペラ『カルメン』で有名な、ビゼーのもう一つの代表作です。この曲、一言で言うと「カッコいい!!!」です。迫力やスピード感、100点です。
「ファランドール」とはフランス・プロヴァンス地方に伝わる8分の6拍子の舞踏で、ビゼーはこの様式を巧みにオペラに取り入れました。
今でこそ、ビゼーを代表する名曲ですが、初演時はあまりヒットしなかったとか・・・。
初演から6年後、『アルルの女』はついに大ヒットとなりましたが、すでにビゼーはこの世にいませんでした。
リバーサルオーケストラ曲名その14。ドビュッシー『月の光』
20世紀のフランス、というか20世紀を最も代表する作曲家ドビュッシーの作品です。
この曲の美しさは、まさに異次元ですね。『月の光』は、ドビュッシーの組曲『ベルガマスク組曲』の「第3曲」に収録されている作品です。
「月の光」というタイトルは、フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌが書いた、同名作品から撮られています。
ところが、作曲した当初は「感傷的な散歩道」の名で発表されたとか。
もし、このタイトルで発表されていたら、現在のような人気作にはならなかったかもしれません。そうそう、「ドビュッシー」と名付けられた小惑星もあります🌍(本日2人目)。
リバーサルオーケストラ曲名その15。フランソワ・ゴセック『ガヴォット』
フランソワ・ゴセックはフランスで活躍したベルギー出身の作曲家です。
存命当時はかなりの人気作曲家でしたが、現在演奏される作品は本作「ガヴォット」のみだと思います。
とっても愛らしい小品ですが、元は「ロジーヌ」というオペラ作品に登場するメロディです。ヴァイオリンやフルート、マリンバなど、さまざまな楽器で演奏されます。
ゴセックの豆知識としては、「95歳まで生きた長命だった」ことがあげられます。生まれが1734年で、亡くなったのが1829年。当時としては異例の長生きでした。
「リバーサルオーケストラ」の曲名紹介まとめその①
ひとまず、その①としてドラマ「リバーサルオーケストラ」で流れる曲名を解説しました。
現在まで三話放送されていて、今回紹介し作品は、これまで登場した作品のおよそ半分です。
普通に考えても追いつかないような気がする(筆者がです)。でもまぁ、地道に頑張ってみますので、たま〜にお付き合いいただければ幸いです。
ではでは。
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「場面はとある酒場。1人の踊り子が舞台で足慣らしをしている。すると徐々に興が乗ってきたのか、踊りに熱が帯びてきます。最初は無関心だった客たちも踊り子に注目し始め、最後は全員で踊り出す」