「10大ワルツ」「3大ワルツ」(ヨハン・シュトラウス2世)とは?動画付きでわかりやすく解説!

シュトラウス

    この記事では、ヨハン・シュトラウス2世「10大ワルツ」「3大ワルツ」を紹介します。

    「ワルツ王」とも称されるヨハン・シュトラウス2世。
    生涯で170曲にも及ぶほどのワルツを作曲し、その華やかで親しみやすい作品により、
    その多くが現代でも広く愛されています。

    新年恒例のウィーンフィルによる「ニューイヤー・コンサート」では、
    彼のシュトラウス家の作品が演奏されるので、
    ご存じの方も多いのではないでしょうか。

    また、オペレッタでも大成功を収めた彼は、
    「オペレッタ王」とも称されており、大衆向けだったオペレッタを最高の芸術の域にまで高めました。

    今回はそんな大スターヨハン・シュトラウス2世の、
    「10大ワルツ」「3大ワルツ」をざっくりと解説します。

    作品の演奏動画も掲載しますので、
    動画と共にお楽しみください。

    なお、この記事は前回・前々回とシリーズになっています
    そちらも併せてお読みいただくと、より一層知識が深まりますよ!

    シュトラウス
    シュトラウス
    ヨハン・シュトラウス 2世:管弦楽作品全集(52枚組)

    「10大ワルツ」「3大ワルツ」の解説

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    ヨハン・シュトラウス2世は、生涯で膨大な数の作品を残しました。
    なかでも、ワルツ、ポルカ、オペレッタでその才能は最大限発揮され、
    現代でもさまざまなコンサートで演奏されています。

    そんな彼のワルツには「10大ワルツ」と呼ばれる10の作品と、
    「3大ワルツ」と称される3つのワルツがあります。

    クラシック音楽好きの方なら、知っておいて損はない豆知識ですので、
    ぜひ参考にしてください。

    とその前に・・・。

    そもそも、ウィンナー・ワルツとは?

    シュトラウス一家は、ウィンナー・ワルツの分野で大きな功績を残しました。
    しかし「ウィンナー・ワルツって何?」という方も多いと思います。

    ざっくり説明すると、
    ウィンナーとは、オーストリアの首都ウィーンのこと。
    その起源は18世紀半ば、1750年頃から始まったと考えられており、
    1814年の「ウィーン会議」で披露されたことで、爆発的に広がりました。

    比較的テンポの速い作品が多く、
    フロア全体を優雅にカーブを描きながら踊るのが特徴です。

    3拍子のリズムでありながら、2拍子目を少しだけ長めにとる演奏が一般的ですが、
    これは20世紀に入ってからの習慣だと言われています。

    「10大ワルツ」について

    先にサラッと「10大ワルツ」を紹介します。

    ヨハン・シュトラウスの10大ワルツは以下の10の作品です。
    なお、完全に固定されているわけではなく、若干異なる場合もあります。

    10大ワルツ
    • 朝の新聞
    • 美しく青きドナウ
    • 芸術家の生活
    • ウィーンの森の物語
    • 酒、女、歌
    • 千夜一夜物語
    • ウィーン気質
    • 南国のバラ
    • 春の声
    • 皇帝円舞曲

    以上の作品のうち、

    ・美しく青きドナウ
    ・酒、女、歌
    ・ウィーン気質
    ・南国のバラ
    ・皇帝円舞曲

    の5作品については、
    前回の記事で解説していますので、
    そちらを参考にしてください👇

    シュトラウス

    なので、以下では残り5作品を紹介します。

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    10大ワルツ:朝の新聞

    『朝の新聞』は、1867年に作曲されたヨハン・シュトラウス2世の代表作です。

    オッフェンバックの『夕刊』に対抗して生まれたこの曲は、
    当初シュトラウス2世が「挑戦的すぎる」と躊躇したものの、結果的に彼の名を不朽のものにしました。

    1月12日、ウィーンのゾフィエンザールで初演された際は、オッフェンバックの曲が一時的に人気を博しましたが、長期的にはシュトラウス2世の作品が圧倒的な支持を得ています。

    10大ワルツ:芸術家の生活

    本作は、1867年2月18日に初演されたワルツです。
    数日で書き上げたこの曲は、当初は評判はイマイチで、
    自身も弟のヨーゼフに失敗を認めたほどでした。

    しかし、時を経て現在のような人気作品へ。
    現在演奏される第2版と初演時の原典第1版には大きく異なっており、
    例えば、第1ワルツAがほぼピアノで静かに演奏されるなどの構成に違いが見られます。

    この曲の変遷は、作品が時代とともに進化する過程を示しているのかもしれません。

    10大ワルツ:ウィーンの森の物語

    『ウィーンの森の物語』は、1868年6月に僅か一週間で完成し、
    同月19日にウィーンの舞踏場『新世界』で初演されました。

    皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に絶賛されるなど、瞬く間に人気を博しています。
    自然嫌いで知られるシュトラウス2世がこの曲を作曲した理由はわかっていません。

    約11分の演奏時間を誇るこの複雑な構成の曲は、
    踊るためというよりも聴くためのワルツとして作られた可能性が高く
    シュトラウス2世の音楽的成熟を示す作品といえるでしょう。

    千夜一夜物語

    『千夜一夜物語』は、1871年2月10日に初演されたオペレッタ『インディゴと40人の盗賊』のメロディーを基に作られたオリエント風(東洋風)のワルツです。

    同年3月12日の「日曜のシュトラウス音楽会」で初めてワルツとして披露され、
    弟のエドゥアルト・シュトラウス1世が指揮を担当しました。

    シュトラウス目線の「オリエンタル」が楽しめる1曲です。

    春の声

    『春の声』は1882年に作曲され、ピアニストのアルフレート・グリュンフェルトに献呈されています。

    興味深いのは、この曲がフランツ・リストとの即興演奏パーティーで生まれたという逸話です。3月1日にアン・デア・ウィーン劇場で初演され、大成功を収めました。

    これらの作品は、シュトラウス2世の多彩な音楽性を示す好例といえるでしょう。
    シュトラウス2世の作品の中でも特に有名な作品なので、
    聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。

    ピアノ名曲110選 グレードA

    「3大ワルツ」について

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    ここまで、10大ワルツについて紹介しました。
    では次は「3大ワルツ」について、といきたいところですが、
    実は解説はすでに終わっています。

    どう言うことかと言うと・・・。
    「10大ワルツ」の中から、
    さらに3曲絞った作品が「3大ワルツ」に数えられているからです。

    「なんだ、そいうことか」と思われかもしれませんが、
    はい、そういうことです(笑)。

    肝心の3大ワルツは次の3曲。

    • ウィーンの森の物語
    • 美しく青きドナウ
    • 皇帝円舞曲

    せっかくなので『美しく青きドナウ』と『皇帝円舞曲』の参考動画を再度紹介します。

    美しく青きドナウ

    皇帝円舞曲

    「10大ワルツ」のまとめ

    今回は、サクッとこの辺で終わりにします。
    それぞれの作品にちょっとしたエピソードが含まれていますので、
    そちらも楽しんでいただければ幸いです。

    冒頭で書いたように、ヨハン・シュトラウス2世記事は3つの記事で構成しています。
    なので、全体を通してご一読いただければ嬉しいです。

    ということで。
    このシリーズはここで終了です。
    そのうち、個別の作品を取り上げるつもりですので、
    どうぞお楽しみに。

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