チャイコフスキー「四季」の難易度を1曲ずつ解説!【楽譜あり】

四季

    チャイコフスキーのピアノ曲『四季』は、1月から12月までの12曲で構成され、季節ごとの風景や人々の生活を描いた美しい作品です。s
    「舟歌」「トロイカ」など有名な曲も含まれていますが、全体の難易度は中級レベル。
    一部の曲は難易度が高めです。

    本記事では、『四季』の各曲の難易度や演奏のポイントを解説し、動画付きでご紹介します。
    おすすめの楽譜も紹介するので、ぜひ参考にしてください!

    画像出典:アマゾン:チャイコフスキー:四季 他(生産限定盤)

    登録初月無料!弾きたい曲がレベル別で選べる!

    チャイコフスキー「四季」について

    ロシア

    「四季」作品37a(作品37bとも)は、ロシアの作曲家チャイコフスキーによるピアノ独奏のための12曲からなる組曲です。

    各曲には1月から12月までの副題がつけられており、ロシアの四季の移り変わりと人々の生活が描かれています。

    この作品は、サンクトペテルブルクの音楽雑誌『ヌーヴェリスト』の編集者ニコライ・ベルナールの依頼により、1875年から1876年にかけて作曲されました。

    ベルナールが各月に詩を選び、それに基づいてチャイコフスキーが作曲したというユニークな経緯を持っています。

    特に「舟歌」(6月)や「トロイカ」(11月)は人気が高く、さまざまな編曲が施されています。

    楽譜の出版後、「四季」はピアノ愛好家の間で広く演奏されるようになり、現在でもクラシック音楽ファンやピアノ愛好家たちに親しまれています。

    チャイコフスキー自身はこの作品を「収入を得るための仕事」として割り切っていたようですが、それが今日まで愛され続けているというのも、不思議なものですね。

    チャイコフスキー「四季」:楽曲の特徴

    本作の多くはシンプルなABA形式で書かれており、旋律の美しさが際立っています。

    また、ワルツやマズルカなど、舞曲の要素を取り入れた曲もあり、ピアニストにとっては技術だけでなく表現力が試される作品といえるでしょう。

    タイトルがついていることから、この作品群はいわゆる「標題音楽」に分類されています。
    1つ1つの作品をじっくり聴くことで(あるいは演奏することで)、日本の景色とは違った風景が眼に浮かぶはずです。

    全体の演奏時間はおよそ45分ですが、しばしば抜粋して演奏されます。

    チャイコフスキー「四季」の難易度解説!

    ここでは以下のことについて解説しています。

    • 全体の難易度
    • 各曲の難易度と解説
    • 1月「炉端にて」
    • 2月「謝肉祭」
    • 3月「ひばりの歌」
    • 4月「松雪草(雪割草)」
    • 5月「白夜(五月の夜)」
    • 6月「舟歌」
    • 7月「刈り入れの歌(草刈り人の歌)」
    • 8月「収穫の歌(取り入れ)」
    • 9月「狩りの歌(狩)」
    • 10月「秋の歌」
    • 11月「トロイカ」
    • 12月「クリスマス」

    全体の難易度

    「四季」の全体的な難易度は中級レベルですが、曲によっては上級者向けのものもあります。
    特に難易度が高めなので以下の4曲です。

    • 2月「謝肉祭」
    • 8月「収穫の歌」
    • 9月「狩りの歌」
    • 11月「トロイカ」

    筆者の経験上、演奏には以下のレベルが必要かと。


    ・ツェルニー30番後半~40番前半
    ・モーツァルトの平易なソナタが弾けるレベル
    ・ソナチネ後半が弾ける人向け

    各曲の難易度と解説

    1月「炉端にて」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★☆☆☆(初級~中級)
    • ゆったりとしたテンポで、暖炉の前でくつろぐ情景が描かれた曲。
    • イ長調・4分の3拍子
    • プーシキンの詩を引用

    2月「謝肉祭」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★★☆(上級)
    • 活気ある舞曲で、速いパッセージが多く技術的に難しい。
    • ニ長調・4分の2拍子
    • ヴャゼムスキーの詩から引用

    3月「ひばりの歌」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★☆☆(中級)
    • 美しい旋律が特徴で、流れるようなレガートが求められる。
    • ト単調・4分の2拍子
    • アポロン・マイコフの詩から引用

    4月「松雪草(雪割草)」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★☆☆(中級)
    • 軽やかなタッチと繊細な表現が必要。
    • 変ロ長調・8分の6拍子
    • マイコフの詩から引用
    雪割草(ゆきわりそう):出典:Wikipedia

    雪割草には、「あなたを信じます」「期待」「和解」などの花言葉があるそうです。

    オンラインピアノレッスンならPiaDOOR!(ピアドア)
    体験レッスンから3日以内の入会で、入会金無料2ヶ月間25%オフ!

    5月「白夜(五月の夜)」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★☆☆☆(初級~中級)
    • 穏やかな旋律で、表現力を磨くのに適した曲。
    • ト長調・8分の9拍子
    • アファナーシー・フェートの詩から引用

    6月「舟歌」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★☆☆(中級)
    • 人気の高い曲で、右手のメロディーを美しく歌わせることが大切。
    • ト単調・4分の4拍子
    • アレクセイ・プレシチェーエフの詩から引用

    ショパンメンデルスゾーンラフマニノフの「舟唄」と比べてみるのも、面白いかもです。
    中間部が難しいと思います。ある程度、手の大きさも必要ですし。

    7月「刈り入れの歌(草刈り人の歌)」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★☆☆(中級)
    • 力強いリズムと明快なフレージングが求められる。
    • 変ホ長調・4分の4拍子
    • アレクセイ・コリツォフの詩から引用

    8月「収穫の歌(取り入れ)」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★★☆(上級)
    • 技術的に高度なパッセージが多く、指の独立性が求められる。
    • ロ短調・8分の6拍子
    • コリツォフの詩から引用

    難しいですが、ツェルニーなどの基礎練習をしっかりしやれば、演奏できるはずです。

    9月「狩りの歌(狩)」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★★☆(上級)
    • 速いスケールや跳躍が多く、正確なコントロールが必要。
    • ト長調・4分の4拍子
    • プーシキンの詩から引用

    和音を綺麗に揃えることがポイントです。

    10月「秋の歌」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★☆☆(中級)
    • 叙情的で、ペダルの使い方が重要な曲。
    • 二短調・4分の4拍子
    • アレクセイ・コンスタンチノヴィッチ・トルストイの詩から引用

    切なさなの中にも、哀愁の漂う作品です。

    11月「トロイカ」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★★☆(上級)
    • 速いテンポとダイナミックな表現が求められる。
    • ホ長調・4分の4拍子
    • ニコライ・ネクラーソフの詩から引用

    トロイカ・・・もとは「3つの組」という意味。3頭馬車という意味でも使われます。

    12月「クリスマス」

    出典:YouTube
    • 難易度:★★★☆☆(中級)
    • 楽しいワルツ風の曲で、軽快なリズム感がポイント。
    • 変イ長調・4分お3拍子
    • ヴァシーリー・ジュコーフスキーの詩から引用

    驚愕のリピーター率94.58%
    オンラインピアノレッスンならPiaDOOR!

    チャイコフスキー「四季」のおすすめ楽譜

    最後におすすめ楽譜を紹介して、終わりとします。
    用途に合わせて、楽譜を選んでみてくださいね!

    IMSLPによる「四季」無料楽譜はコチラからダウンロードできますよ。

    全音ピアノピース/舟唄

    「舟唄」1曲だけを弾きたいなら、これ1択です。

    全音ピアノライブラリー(全曲)

    全曲を弾きたい場合は、こちらがおすすめ。
    わかりやすい解説付きなので、理解が深まるはずです。

    チャイコフスキー: 四季 Op.37a/ヘンレ社

    原典版で練習したい方はこちらヘンレ社が良いかと。
    でも、ちょっとお値段高めです。

    25万曲以上から好きな曲をレベル別で選べる!
    お得な2つのプランを用意

    チャイコフスキー「四季」の難易度解説:まとめ

    今回はチャイコフスキーの「四季」の難易度について解説しました。
    内容をまとめます。

    • 「四季」は中級レベルだが、一部上級者向けの曲もある。
    • 各曲の個性が強く、表現力が試される。
    • 2月・8月・9月・11月は特に難易度が高め。
    • 初級者は1月・5月・10月あたりから挑戦するとよい。
    • 全曲通して弾くと、技術的・表現的に大きく成長できる。

    以上、「四季」の難易度解説でした。
    お好きな曲を見つけて、ぜひ演奏にチャレンジしてみてください!