リヒャルト・シュトラウスのおすすめ代表曲7選、作品の特徴や魅力も簡単に解説!

リヒャルト・シュトラウス

    リヒャルト・シュトラウスの代表曲を紹介します。
    交響詩『ドン・ファン』の成功以来、数々の名曲を世に送りしたR・シュトラウス。

    そのため、どの作品を紹介しようか迷いましたが、
    今回は有名作から意外な作品までさまざまピックアップしてみました。

    あの曲が入ってないじゃないか!」とご感想を持たれるかたもいるかもしれません。

    でもそこは「超クラシック入門ブログ」ですので、
    ご勘弁ください!

    作品の特徴や魅力もざっくり解説していますので、
    教養の一助にお役立てください。

    またこの記事を読まれる際には、こちらも併せてお読みいただくと、より理解が深まります。

    リヒャルト・シュトラウス

    リヒャルト・シュトラウスの代表曲7選

    教会

    出世作『ドン・ファン』での成功以来、
    およそ60年にも及ぶ作曲家生活を送ったR・シュトラウス。

    交響詩からオペラ、そして歌曲など多くの名曲がありますが、
    今回はその中から独断と偏見により7作品を紹介します。

    代表曲その1、交響詩『ドン・ファン』

    1曲目は、すでに何度も登場している交響詩『ドン・ファン』です。
    本作は1888年、R・シュトラウスが24歳の時に作品であり、出世作でもあります。

    「ドン・ファン」とは、理想の女性を求めて旅を続けたスペインの伝説上の人物のことです。
    さまざまな文学にも登場する人物で、今でいうところの「プレイボーイ」「女たらし」的な人物でもあったとのこと。

    ちなみに、「ドン・ジョヴァンニ」(イタリア語)、「ドン・ジュアン」(フランス語)など国によって呼称が違いますが、いずれも同一人物を指します。

    1889年にワイマールの宮廷オーケストラ、
    そしてR・シュトラウス本人の指揮により初演が行われました。

    24歳という若さでこの完成度とは、圧巻としか言いようがありません。
    「ドン・ファン」の冒険譚が絶妙なオーケストレーションによって表現されています。

    代表曲その2、交響詩「死と変容」

    2曲目も交響詩から。

    本作はR・シュトラウスの3作目となる交響詩です。
    またこちらも『ドン・ファン』と同じく1888年に作曲が開始され、
    1890年にアイゼナハの市立劇場にて、本人による指揮で初演されました。

    死と変容』のタイトルには、重病を患い、
    20代で死の縁を彷徨ったR・シュトラウスの死生観が込められているとされています。

    お聴きいただくと分かる通り、
    どこか薄暗い森の中を歩いているような、
    暗澹たる雰囲気が滲み出た作品です。

    また、R・シュトラウスは死の間際、昏睡状態のなか妻子に次のように語ったと言われています。

    「私が『死と変容』のなかで作曲したことは全て正確だったと、今こそ言うことができる。私は今しがたそれを文字通り体験してきたのだよ」

    その意味において、本作はR・シュトラウスの人生が詰まった作品と言えるでしょう。

    代表曲その3、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

    本作は14世紀に実在したと言われる、
    伝説的人物ティル・オイレンシュピーゲルの物語をモチーフにした交響詩です。

    さまざまなイタズラで人々をからかっていた人物とされ、
    最後は病死、あるいは処刑されたとも伝えられています。

    15分程度の小規模な交響詩であるものの、
    ティル・オイレンシュピーゲルにまつわるさまざまな場面が目まぐるしく展開します。

    そのため、R・シュトラウスの入門曲としてうってつけの作品ではないでしょうか。

    楽しい曲調や物語性という観点から見ても、
    交響詩という性質が存分に発揮された傑作です。

    リヒャルト・シュトラウスの代表曲その4、オペラ「サロメ」

    オペラ「サロメ」より、「7つのヴェールの踊り」

    交響詩の作曲から、オペラ作曲家へ移行したR・シュトラウス。
    なかでも本作「サロメ」の成功は、彼がオペラ作曲家の地位を確立した上で重要な作品です。

    本作はオスカー・ワイルドの同タイトルの戯曲「サロメ」を元に、
    1903年から1905年にかけて作曲され大きな成功を収めました。

    とくに今回紹介する「7つのヴェールの踊り」が有名で、
    単体でもしばしば演奏されています。

    ただ、初演当初はその内容から反発もあったようで、
    グスタフ・マーラーの妻アルマは本作を痛烈に批判したと言われています。

    オペラは1幕から構成されており、
    上演時間も1時間40分程度なので、
    オペラ初心者の方は本作から見てみると良いでしょう。

    代表曲その5、オペラ「エレクトラ」

    カール・ベーム指揮

    作家フーゴ・フォン・ホフマンスタールとの共作第1作目の作品です。
    1906年から1908年にかけて作曲され、1幕のオペラとなっています。

    タイトルの「エレクトラ」は、ソフォクレスによるギリシャ悲劇『エレクトラ』をモチーフとしていますが、全体的な内容は、オペラのために変更されています。

    1909年にドレスデン宮廷歌劇場にて行われた初演は、
    「サロメ」と同様に賛否が巻き起こったものの、
    初演以降は各地で上演されるヒット作となりました。

    大規模なオーケストレションと、ギリシャ悲劇を土台とした壮大なストーリーが本作の魅力です。

    リヒャルト・シュトラウスの代表曲その6、「アルプス交響曲」

    卓越したオーケストレーションで知られるR・シュトラウス。
    交響詩やオペラも有名ですが、本作も間違いなく代表曲の一つでしょう。

    「アルプス交響曲」は単一楽章で構成された交響曲です。
    タイトルが印象的ですが、これはR・シュトラウス自身が14歳の時にドイツ・アルプスを登山したときの経験がベースとなっています。

    また、単一楽章とはいえ50分に及ぶ大曲であり、
    R・シュトラウスがアルプスの山で経験したさまざまな景色が、
    色鮮やかに描かれています。

    1911年から作曲が開始され、紆余曲折を経て1915年に完成しました。
    アルプスの雄大さと山々への畏敬の念が込められて交響曲です。
    変化に富んだ作品でもあるので、飽きずに楽しめます。

    代表曲その7、「4つの最後の歌」

    晩年は歌曲の作曲も手掛けたR・シュトラウス。
    本作はそんな彼の集大成とも言える最晩年の傑作歌曲集です。

    1950年5月、ロンドンにおいて初演され、初演の指揮はヴィルヘルム・フルトヴェングラーが務めました。

    4つの歌曲のタイトルは以下の通りです。

    ・春
    ・九月
    ・眠りにつくとき
    ・夕映の中で

    第3曲まではヘルマン・ヘッセの詩を、
    第4曲はアイヒェンドルフの詩に作曲が施されています。

    また、いずれの作品も「死」が題材となっており、
    R・シュトラウスの人生観が反映された歌曲集となっています。

    今回紹介した交響詩『死と変容』と併せて聴いてみると、
    彼の音楽家としての人生をより体験できるかもしれません。

    リヒャルト・シュトラウスの代表曲番外編、「日本の皇紀二千六百年に寄せる祝典曲」

    最後に番外編として『日本の皇紀二千六百年に寄せる祝典曲』を紹介します。

    本作はR・シュトラウスが1940年に作曲した作品で、
    皇紀2600年を記念する作品として作曲されました。

    当時の日本政府はドイツ以外にもフランス、イタリア、イギリス、アメリカなど各国に祝典曲作曲を依頼しており、ドイツではR・シュトラウスに白羽の矢がたったとのことです。

    しかし、現在ではまったく演奏機会がなく、
    R・シュトラウスのもっとも想像力不足の作品の一つ」と評されています。

    なんだか悲しいですが・・・。

    でもまあ、せっかくですので、
    この記事をきっかけに「こんな作品もあるのか」と知るのも楽しいかもしれません。

    リヒャルト・シュトラウスの作品の特徴や魅力は?

    コンサートホール

    ピアニストのグレン・グールドによって「20世紀最大の作曲家」と評されたR・シュトラウス。彼の作品にはどのような特徴があるのでしょうか。

    以下では、簡単に4つの特徴・魅力を紹介します。

    特徴や魅力その1、プログラム音楽の巧みな表現

       R・シュトラウスはプログラム音楽の分野で高い評価を受けました。

    たとえば、彼の交響詩やトーン詩は、物語や詩のテキストに基づいて書かれ、
    音楽を通じて物語を表現する能力が卓越しています。

    R・シュトラウスの中でももっとも有名な交響詩「ツァラトゥストラはこう言った」では、
    哲学者ニーチェの著作に触発されており、映画『2001年宇宙の旅』のオープニングで使用されたことでも有名です。

    その2、豊かな管弦楽法

       R・シュトラウスの作品の魅力といえば、非常に洗練された管弦楽法ではないでしょうか。

    彼の作品には、劇的な表現と音楽的アイディアが充実しており、
    さらには、オーケストラの各楽器を巧みに使い、音楽に魅力的な色彩と深みを与えています。

    また、技巧的な音楽的要素や挑戦的なパートもR・シュトラウスの真骨頂です。

    その3、繊細な旋律と感情表現

       R・シュトラウスの音楽には美しい旋律が多く含まれており、感情的な表現が豊かです。

    彼は感情の変化や細部への注意を重要視し、聴衆に深い感銘を与えることに成功しました。
    例えば、オペラ「ばらの騎士」や今回紹介した「アルプス交響曲」などが、この特徴をよく示しています。

    その4、驚異的な作品の多様性

       R・シュトラウスは交響詩やオペラ、歌曲などさまざまなジャンルの作品を手掛けています。

    彼のオペラは非常に有名であり、なかでも「ばらの騎士」や「エレクトラ」はオペラ史における傑作であることは間違いありません。

    また、交響詩、室内楽、歌曲、管弦楽曲などの分野でも多くのクラシックファンに楽しまれています。その多様性は、シュトラウスの音楽の魅力として欠かせません。

    リヒャルト・シュトラウスの代表曲まとめ

    今回はR・シュトラウスの代表曲7選(番外編含む)と作品の特徴を簡単に解説しました。

    とはいえ、有名曲が多いので全然足りてないかなという気がしています。

    なので、いつかまた別記事で作品紹介できたらと考えているところです。

    でもまあ今回はここまで。

    次回はオペラ『ばらの騎士』と交響詩『ツァラトゥストラはこう言った』を解説しますでの、
    ぜひそちらも参考にしてくだい!