この記事では、ハチャトゥリアンの名曲「剣の舞」について解説しています。
ハチャトゥリアンといえば「剣の舞の作曲者」といわれるほど、
世界中で愛される名曲ですが、
じつはそのことに対して、当の本人はあまりよく思っていなかったのだとか・・・。
まぁ本人としては「他にもいろいろ作曲してるよ!」と思っていたのでしょうね。
本来、バレエ作品『ガヤネー(ガイーヌ)』に登場する作品ですが、
あまりにもインパクトが強いため、単独で演奏される大人気曲となりました。
またピアノ曲としても人気があり、
ソロや連弾でも演奏される機会が多い作品です。
そこで今回は「剣の舞」についてのざっくり解説と、
ピアノの難易度や楽譜について紹介します。
など、目的に合わせてぜひ参考にしてください!ハチャトゥリアンについての解説はコチラから
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「剣の舞」の解説
ハチャトゥリアンをもっとも代表する「剣の舞」についてざっくりと解説します。
エキゾチック感満載で聴く人を圧倒する本作は、
現在でも世界中の人々から愛される名曲中の名曲です。
バレエ『ガヤネー(ガイーヌ)』で使用された曲の1つ
「剣の舞」は単独で作曲された作品ではなく、
1942年に発表されたハチャトゥリアンのバレエ曲『ガヤネー(ガイーヌ)』の最終幕に登場する作品の1つです。
ダンサーたちがサーベルを使った技巧を披露するシーンで登場します。
このシーンについてハチャトゥリアンは「「クルド人の踊り」は、リハーサルが開始されたあとにキーロフ劇場のディレクターの強い要望によって生まれた」と語っており、
楽譜がほぼ完成しているところに、急遽新たなシーンの要望により作曲されたとのこと。
ちなみに、日本では「剣(つるぎ)」と訳されていますが、
本来は「サーベル」のことを意味します。こんな感じです⬇️
出典:wikipedia「刀」
「剣の舞」の特徴について
力強い木琴で始まる冒頭部分が印象的な「剣の舞」。
この作品は、民俗音楽を研究し続けたハチャトゥリアンのエッセンスがぎゅっと詰まった名曲といえます。
また、本作はアルメニア民俗舞踊にインスピレーションを得た管弦楽曲で、
特徴として以下のことが挙げられます(ざっくりですよ)。
1・激しいリズムと雄渾なエネルギー
アルメニアの剣舞にちなんで、リズムは非常に刺激的で力強く、戦士の踊りを思わせる雰囲気。
2・民俗色豊かなメロディとハーモニーアルメニア民俗音楽の特徴である不協和音やモード旋法が、独特の雰囲気を醸し出している。
3・構成の対称性
曲全体が2つの対になった部分からなり、前半と後半がほぼ同じ構造になっている。
4・オーケストレーションの工夫
金管楽器や打楽器のユニークな使い方で、民俗的な色彩と勇ましさを表現。
5・表現技巧的な難易度の高さ
躍動的でテクニカルな難曲で、演奏者の高度な技術が要求される。
「剣の舞」にまつわるエピソード
有名なエピソードを1つ紹介ます。
「剣の舞」はバレエ『ガヤネー(ガイーヌ)』の終幕の1曲ですが、
上記のように完成当初はバレエ曲として含まれていませんでした。
そして、ハチャトゥリアンへ追加の作曲依頼があったのは、
なんと「全体リハーサルの前日」だったとのこと。
もちろん、依頼を受けた当初は難色示しました。
しかし机の上を何時間も指でたたきながら、
イメージを膨らませたハチャトゥリアン。
ついに現在の「剣の舞」のアイディアがひらめき、
一気に書き上げた彼は、翌日の朝に作品を完成させたそうです。
結果「剣の舞」はハチャトゥリアンの代名詞と言える作品となりましたが、
当の本人は「ミスター剣の舞」と冷やかされることにうんざりしていたとのこと。
「剣の舞」の難易度は?
この作品をピアノで弾けたら、かなりかっこいいですよね。
実際、難易度を調べたり、楽譜を探している方も多いことでしょう。
ということで、難易度や楽譜について紹介します。
「剣の舞」のピアノ版難易度は?
ご自身でピアノを習っていたり、
お子様が習っている方にとって「剣の舞」はちょっとだけ憧れの作品かもしれません。
そこで気になるのが、作品の難易度ですよね。
先に結論から言うと、
「アレンジにより難易度は異なる」と言うのが答えです。
というのも「剣の舞」はもともとはバレエ用管弦楽曲。
さらに、ハチャトゥリアン本人はピアノ版の編曲をしなかったため、
正式なピアノ版はありません。
ですが、全音ピアノピースを見てみると難易度は「C」となっています。
全音の難易度設定には異論があるものの、
・ショパン『子犬のワルツ』
・バダジェフスカ『乙女の祈り』
・リムスキー・コルサコフ『熊蜂の飛行』
・ドビュッシー『亜麻色の髪の乙女』
といった作品と同じ難易度です。
なので、初心者の方には全音の楽譜は少し難易度が高いかもしれません・・・。
演奏しやすい楽譜もある
全音版は難易度高めですが、
バイエルが終わり、ブルグミュラーを弾けるくらいになってから挑戦できる楽譜もあります。
なので、そちらの版も見てみると良いかもしれません。
たとえば⬇️の版は、より弾きやすい「剣の舞」が収録されています。
こちらの動画が、楽譜に収録されているアレンジです。
結構かっこよくアレンジされてますね!
なお、この教科書には以下の作品なども収録されているので、
かなり便利です。
・ジムノペディ第1番
・おまえが欲しい
・ラクンパルシータ
・悲愴ソナタ第2楽章 作品13
・ダッタン人の踊り (オペラ『イーゴリ公』より)
・星に願いを <オルゴールバージョン>
・雨だれの前奏曲 作品28‐15
・愛のロマンス
・G線上のアリア (「管弦楽組曲第3番」BWV1068より第2曲)
・シンフォニー第5番「運命」第1楽章 作品67
・シチリアーノ (「フルートソナタ」BWV1031より第2楽章)
・ラプソディインブルー
など。
ピアノ初心者でも弾ける?
以上のことから、まったくの初心者の方が演奏するのはかなり難しいです。
最低でも、バイエルが終わりブルグミュラーを練習するくらいの技術が必要になります。
たとえば、5歳でピアノを始めたとしたら、8歳〜10歳くらいで弾ける感じでしょうか。
さらに全音版だと、小学校高学年から中学1年生くらいが目安かなと思います(個人の見解です)。
それでも「初心者向けでも良いから弾きたい!」という方は、
ヤマハの「ぷりんと楽譜」を利用してみるのも良いかかもしれません。
というのも、ぷりんと楽譜であれば、自分のレベルにあった楽譜で練習できるし、
近くのコンビニエンスストアで欲しい楽譜をすぐに印刷できますよ!
さらに、クラシック曲だけでなく、話題の新作などもリリースされるので、
幅広い曲を弾いてみたい方にはうってつけです。
「剣の舞」解説のまとめ
ということで、今回はハチャトゥリアンの代表作「剣の舞」をざっくりと紹介しました。
そして、ハチャトゥリアン・シリーズはひとまずこれで終了。
ハチャトゥリアンについてもう少し知りたい方は、
前回と前々回の記事もお読みいただければ幸いです。
では最後に、ユニークな「剣の舞」動画を発見したのでシェアします。
・演奏会や発表会で何を演奏しようかなと迷っている方
・かっこいい曲をかっこよく弾いてみたい方
・実力より少し上の作品を演奏していたい方