ヴィヴァルディ『四季』の解説|楽曲編成・楽器編成の特徴を簡単解説!

    今回はヴィヴァルディ『四季』について解説します。
    クラシック音楽をあまり知らない方でも、一度は聞いたことのある作品だと思います。

    ヴィヴァルディは数多くの作品を残していますが、
    なかでも「ヴィアオリン協奏曲」の数は群を抜いています。

    それは、彼自身が当時最高のヴァイオリニストであると同時に、
    弦楽器の可能性を模索した結果なのかもしれません。

    小難しい話はおいといて・・・。
    今回もざっくりと解説しますので、
    ぜひ小ネタ、あるいは豆知識として参考にしてみてください。

    とその前に、
    ヴィヴァルディの生涯についてまだお読みでない方はこちらから。
    その他のおすすめ代表曲について知りたい方は☟を参考にしてみてください。

    出典:ヴィヴァルディ協奏曲集「調和の霊感」第5番&第6番

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    ヴィヴァルディ『四季』の概要

    ヴィヴァルディの作品をもっとも代表するのが、
    今回紹介するヴァイオリン協奏曲『四季』です。

    しかし実はこの曲、
    ヴィヴァルディ自身が名付けた作品ではありません。

    正確には、ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』の8作品の中の、
    1番〜4番までのことを言います。

    作曲された年代や、初演について詳しい年代はわかっていませんが、
    ヴィヴァルディが40代後半頃の作品と考えられています。

    『四季』全ての作品が3楽章で構成されていて、
    各楽章には「ソネット」と呼ばれる「詩」が付けられているのが特徴です。
    作者は不明ですが、なかには「ヴィヴァルディ自身によるものである」と考える人もいます

    ソネットとは?

    「ソネット」とは、14行で書かれる定型詩のことです。
    ルネサンス期のイタリアが期限とされ、のちに英語詩にも取り入れられました。

    そしてこれが一番意外かもしれませんが、
    ヴィヴァルディの死後、『四季』は忘れ去られ
    20世紀半ば、1949年から再び注目を集めました。

    そういう作品って意外と多くて、
    『パッヘルベルのカノン』なんかも20世紀に入ってから有名になった作品です。

    ヴィヴァルディの音楽スタイル

    ここで簡単にヴィヴァルディの作風についておさらい。
    ヴィヴァルディは作曲家であると同時に、
    25歳から司祭を務めました。

    髪の毛が赤毛だったことから「赤毛の司祭」として慕われていたそうです。
    また、当時4つあった慈善養育院の一つ「女子慈善孤児院」では音楽教師として教育にも力を注ぎました。

    そんなヴィヴァルディ作品の特徴といえば、
    まずは、「作品の多さ」が挙げられるでしょう。
    研究者により作品数にばらつきがあるものの、
    ・500曲以上の協奏曲
    ・52作のオペラ(本人は90作以上と言っていた)
    ・73曲のソナタ
    を作曲し、その他にも室内楽曲、オラトリオ、宗教音楽などさまざまな作品を作曲しました。

    さらにもう一つの大きな特徴として、

    協奏曲スタイルの確立が挙げられます。
    現在の「急ー緩ー急」の3楽章で構成されている協奏曲スタイルは、
    実はヴィヴァルデによって確立されたものです。
    もちろん、3楽章でない協奏曲もありますが、
    豆知識としてぜひ覚えておいてください。

    また、「急」の楽章では演奏されるリトルネッロ形式を多用したのもヴィヴァルディでした。

    リトルネッロ形式とは?

    リトルネッロ形式、合奏部分が独奏演奏をはさみながら演奏される形式です。
    つまり、「合奏→楽器独奏→合奏」というイメージ。

    ヴィヴァルディ『四季』の特徴

    少し長くなりましたが、作品紹介。
    ここでは各楽章の特徴的な旋律やリズム、イメージなどを紹介します。
    それぞれ個別の動画も載せていますので、
    音楽と共にお楽しみください。

    『四季』の楽器構成

    ヴィヴァルディやバッハが活躍したいわゆるバロック音楽時代の楽器が、
    まだまだ発展途上にありました。
    また編成も小規模なものが多く、
    ヴィヴァルディが多作であったのも、そのことが大きな理由だと考えられています。

    『四季』における楽器編成は以下の通りです。

    『四季』の楽器編成

    ・独奏ヴァイオリン
    ・第1・2ヴァイオリン
    ・ヴィオラ
    通奏低音用楽器・・・オルガンやチェロ
     ↪︎ざっくり言うと「低い音の伴奏」のことで、メロディーに合わせて和音が演奏されます。

    スコア ビバルディ 協奏曲「四季」 1.春(作品8-1 RV269) 2.夏(作品8-2 RV315) 3.秋(作品8-3 RV293) 4.冬(作品8-4 RV297) (Zen‐on score) ペーパーバック 

    協奏曲第1番ホ長調「春」

    『四季』といえば、この作品ですね。
    タイトルのようにまさに「春」らしく、
    生き物たちが待ち望んでいたような、清々しさや喜びが見事に表現されています。

    第1楽章・・・アレグロ
    小鳥たちの鳴き声や、風のせせらぎ、嵐の様子などが表現されています。
    第2楽章・・・ラルゴ
    疲れて眠る羊飼い。そのそばには主人を見守るように猟犬が横たわります。
    の鳴き声をヴィオラで表現するのがまた面白い。
    第3楽章・・・アレグロ
    春の到来をんだ村人たちは、感謝を込めて青い空の下でダンスをします

    協奏曲第2番ト短調「夏」

    夏の嵐と静寂の様子が見事に表現された作品です。
    「春」や「冬」などに比べると、
    耳にする機会は少ないかもしれません。
    しかし、それらに劣らず名曲揃いです。

    とくに3楽章(夏の嵐)は有名です。

    第1楽章・・・アレグロ・ノン・モルト・アレグロ
    熱く照りつける太陽。しかしそれを楽しむかのように、鳥たちがさえずります。
    やがて雲行きが怪しくなり、嵐が訪れます。
    第2楽章・・・アダージョ
    嵐に怯える人々。それを面白がるかのように飛び回るハエ。
    独奏ヴァイオリンを支える周りの音がハエが飛ぶ音を表しているそうです。
    第3楽章・・・ブレスト

    協奏曲第3番ヘ長調「秋」

    「秋」といえば収穫の秋
    農作物の収穫を終えた村の住民は、収穫を祝いどんちゃん騒ぎ。
    そのため、「夏」とは違った安心感と朗らかさが特徴です。
    冒頭のメロディーはヴィヴァルディの『四季』の中でもよく知られるメロディーです。

    また、それぞれの楽章には明確なタイトルが付けられており、
    聴く人にとってイメージが浮かびやすいと思います。

    第1楽章・・・アレグロ(小作農のダンスと歌
    実りの秋に感謝し、大々的に宴会が開かれる。
    そして踊りと酒を楽しんだ人々は、やがてウトウトと眠りに落ちます。
    第2楽章・・・アダージョ・モルト(酔っ払いの居眠り
    その眠りの様子をチェンバロとヴァイオリンが見事に表現。
    宴は鎮まり、気づけば翌朝。
    第3楽章・・・アレグロ(狩り
    犬を従えたハンターが狩にでかけます。
    のっし、のっし、と歩く様子が表現されています。
    さらに、獲物が逃げる様子も秀逸。

    ヴィヴァルディ:四季(全曲)(2015リマスター)

    協奏曲第4番ヘ短調「冬」

    ヴィヴァルディの『四季』のラストを飾る作品です。
    秋も過ぎさり、厳しい冬が到来します。
    人々が寒さに耐えながら、必死に耐え抜く姿が目に浮かびます。

    第1楽章・・・アレグロ・ノン・モルト
    寒さに凍える人々。
    足の冷たさを紛らわすため、部屋中を歩き回ります。
    また、ヴァイオリンの重音が寒さをより引き立てます。
    第2楽章・・・ラルゴ
    暖炉に火を焚き、暖かさが優しく身体を包む。
    平和な時間のありがたさを噛み締める様子がうかがえます。
    第3楽章・・・アレグロ
    寒い冬もいつかは過ぎ去り、
    人々は春の到来を心待ちにする。

    ヴィヴァルディ『四季』全編

    ヴィヴァルディの『四季』を季節ごとに紹介しました。
    それぞれ10分前後の短い作品なので、個別に気軽に聴くのも良いですが、
    全編をBGMの代わりに聴くのもオススメです。
    全編の演奏時間はおよそ40分。

    ヴィヴァルディの『四季』のおすすめ名盤

    ここでは、筆者の独断と偏見によるおすすめ録音を3つ紹介します。
    この記事を読んでヴィヴァルディの作品に興味を持たれた方は、
    ぜひ参考にしてください!

    その1、アーノンクール指揮

    ヴィヴァルディ:四季

    名指揮者アーノンクールによる演奏です。
    1976年ー77年録音。
    協奏曲6番まで収録されています。
    力強い「春」が印象的です。

    その2、カラヤン指揮

    ヴィヴァルディ:協奏曲集<四季>

    皇帝カラヤン70年代の名盤です。
    ハキハキとしたパッセージがカラヤンらしいですね。
    『四季』の他、『アルビノーニのアダージョ』、コレルリの『クリスマス協奏曲』も収録。

    その3、イ・ムジチ合唱団

    ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」

    20世紀に『四季』を甦らせた、イ・ムヂチ合奏団による演奏です。

    まとめ

    今回はヴィヴァルディシリーズを解説しました。
    バッハ、ヘンデルに続きバロックの作曲家が続いていますが、
    楽しんでいただけたでしょうか?

    こうして見てみると、クラシック音楽の歴史を語る上で、
    ヴィヴァルディの存在は欠かすことができないことがわかります。

    あまり注意して聴く機会が少なかったかもしれませんが、
    この記事を機会に、ぜひヴィヴァルディの美しい世界に触れてみてください。

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