この記事では、ショパンの難易度が低めのピアノ曲を紹介します。
高度なテクニックを必要とするショパンの作品ですが、初心者や中級者でも楽しめる難易度低めの作品もたくさんあります。
そこで本記事では、ショパンの代表的な作品をジャンル別に紹介し、各曲の特徴や弾くときのコツ、初心者がつまずきやすいポイントを解説します。
その他、おすすめも楽譜も紹介しているので、これからショパンに挑戦したいという方は、ぜひ参考にしてみてください!
画像出典:アマゾン:Chopin Complete Edition
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フレデリック・ショパンについて
ショパン(1810-1849)は、ポーランド出身の作曲家・ピアニストであり、「ピアノの詩人」として知られています。
彼の作品はピアノ独奏曲が中心で、技術的に高度なものが多いですが、抒情的なメロディーと独特の和声感が魅力です。生涯のほとんどをフランスで過ごし、サロン文化の中で多くの名作を生み出しました。
クラシック作曲家の中でも、とくに人気があり、現在でも世界中の人々に愛され続けています。
詳しい解説はこちらもご一読ください。
ショパンの作品の魅力や特徴について
卓越した旋律美とともに、演奏技術に要求される細やかさにあります。
彼の作品は、感情を豊かに表現することが求められ、ピアノの音色やニュアンスを巧みに操ることが大切です。
また、ショパンは非常に独自のリズム感や和声感を持ち、他の作曲家にはない独自のスタイルを確立しました。非常に表現豊かで、ピアノの音色を最大限に引き出すことができるため、演奏する楽しさもあります。
しかし、演奏者には高度なテクニックが求められることが多く、特に早いパッセージや難解な和音進行などが初心者にとって苦戦するポイントかもしれません。
この記事での初心者・中級者の定義
- 初心者向け:バイエル後半~ブルグミュラー程度、左手がシンプル、テンポが速すぎないなど
- 中級者向け:ツェルニー30番~40番程度、装飾音が増えるが弾きやすい、ペダルを適切に使うなど
ショパンの難易度低めのピアノ曲12選
ショパンのピアノ作品は幅広く、初心者にも取り組みやすい曲も多いです。
ここでは、ショパンの名曲の中でも、特に難易度が低めのピアノ曲を12曲厳選し、初心者の方でも楽しめるようにジャンルごとに紹介します。
各曲の解説とともに、弾くときのポイントや注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください!
ワルツはこんな人におすすめ
ワルツは、軽快で優雅なリズムが特徴の曲です。特に、ショパンのワルツはピアノ独特の表現力を生かすことができるので、感情豊かな演奏が求められます。
初心者や中級者にとっては、テンポやリズムに注意しながら、ピアノの持つ音色を大切にすることで、美しい演奏を目指すことができますよ!
ショパンの難易度低めの「ワルツ編」その1:ワルツ第7番 変イ長調 Op.64-3
本作は、優雅で軽やかなメロディーが特徴。
初心者の方は、右手のメロディーと左手の伴奏が同時に進行する部分で、指使いや手の位置に注意が必要です。
特に、テンポが速くなる部分では、リズムを崩さないようにすることがポイント。
出典;YouTube
テンポを保ちつつ、メロディーを滑らかに弾くために、左手は力を抜いて軽く弾くようにしましょう。
ショパンの難易度低めの「ワルツ編」その2:ワルツ第9番「別れのワルツ」
少し悲しげな雰囲気を持ちながらも、流れるような美しい旋律をもつワルツです。
左手のシンプルな伴奏と右手のメロディーの対比が重要で、初心者の方はバランスを取ることが課題になります。
特に、左手の伴奏が目立たないように、右手をしっかりと弾くことが大切です。
また、メロディーの表現力を豊かにするために、テンポの変化に注意しながら、スムーズに弾き進めることを意識してみてください。
出典:YouTube
特に、左手の伴奏が目立たないように、右手をしっかりと弾くことが大切です。
ショパンの難易度低めの「ワルツ編」その3:ワルツ第6番「子犬のワルツ」
軽快でありながらも少し複雑なリズムが特徴です。
ショパンのワルツでもっとも有名なワルツと言えるでしょう。
リズムに注意して弾くことが重要で、左手の動きが速くなる部分では手を軽く!
出典:YouTube
あまり力を入れずに弾くことが大切です。
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続いて前奏曲から3曲紹介します。
ショパンが作曲した短いピアノ曲ですが、非常に感情的で深い表現力を求められるものです。
比較的短いながらも、豊かな音楽性を感じさせる作品が多く、初心者や中級者でも取り組みやすい曲が多いです。メロディーに感情を込めて演奏したいという方にぴったりのジャンルです。
ショパンの難易度低めの「前奏曲編」その1:前奏曲第7番
明るく軽快なリズムが特徴的で、ピアノ演奏の楽しさを実感できる作品です。
しかし、初心者にとっては、右手と左手のリズムをしっかり合わせることが難しいかもしれません。
左手の伴奏は軽く、右手のメロディーを引き立てるように心がけると良いでしょう。
食べすぎた翌日に聴くと、治るかもしれません(笑)
曲の終わりに向かって少しずつ力を抜くことで、演奏に柔らかさが出ます。
出典:YouTube
曲の終わりに向かって少しずつ力を抜くことで、演奏に柔らかさが出ます。
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ショパンの難易度低めの前奏曲編その2:前奏曲第15番 「雨だれの前奏曲」
ショパンの前奏曲の中でも特に有名で、一般に「雨だれの前奏曲」として知られています。
初心者は、メロディーの表現力を出すことが難しいと感じるかもしれませんが、少しずつペダルを使って音をつなげると、豊かな響きが得られます。
左手はシンプルですが、リズムに揺れがあるため、右手のメロディーが際立つように意識して演奏することが重要です。テンポの変化や表現力を意識し、流れるような演奏を目指しましょう。
出典:YouTube
テンポの変化や表現力を意識し、流れるような演奏を目指しましょう。まさに雨の粒が落ちるところをイメージして。
ショパンの難易度低めの前奏曲編その3:前奏曲第2番 「葬送」
旋律が優雅で、非常に繊細な表現が求められます。
初心者の方がつまずきやすいのは、テンポの調整と、曲の後半部分での強弱のコントロールだと思います。前奏曲の中では比較的演奏しやすい作品です。
最初はゆっくりと練習し、ペダルを使って音のつながりを意識することがコツです。
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ノクターンは、夜の静けさや夢幻的な世界を表現することが多く、その美しい旋律は多くのピアニストに愛されています。日本語では「夜想曲」とも呼ばれていますね。
静かな心の動きを表現できるため、感情豊かな演奏ができる方におすすめです。
特に初心者や中級者にとっては、表現力を磨くための絶好の曲となります。細かなニュアンスを求められるため、弾き手の感受性が大いに活かされるジャンルです。
ショパンの難易度低めの「ノクターン編(夜想曲)」その1:ノクターン第2番
ショパンのノクターンといえば、まずはこの作品。
非常に人気が高く、流れるようなメロディーが美しい作品です。
初心者にとっては、右手と左手のリズムを合わせることや、旋律を優雅に弾くことが大切です。特に、右手のメロディーは強調する部分と、しっとりとした部分のメリハリが必要です。
出典:YouTube
無理に力を入れずに軽く弾くことがポイントです。
ノクターン編(夜想曲)その2:ノクターン第9番
深い感情を表現できる美しい曲です。
右手のメロディーは軽やかに弾くことを意識し、左手はあくまでサポートに徹することが大切。
感情を込めすぎないようにし、流れるようなフレーズに仕上げるのがコツです。
ショパンのノクターンらしい、光に満ち溢れた作品です。
出典:YouTube
右手の和音は、フレーズごとに少しずつ強弱を変化させ、曲全体に温かみを持たせるように弾きましょう。
ノクターン編(夜想曲)その3:ノクターン第13番
切ない雰囲気を持ちながらも、非常に美しい旋律が特徴的。
美しさを損なわないように注意しつつ、ペダルの使い方とフレーズの表現が重要です。
右手のメロディーは力を入れすぎず、抑揚をつけて弾くことで、より感情的な表現になります。
物憂げな表情がたまらない作品です。
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左手の表現力が大切。
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マズルカはこんな人におすすめ
マズルカは、ポーランドの民俗音楽に影響を受けたリズミカルな舞曲。
リズムに独特の揺れがあり、ダンスのリズム感を楽しむことができるため、リズム感が得意な方に向いています。
また、初心者や中級者にも取り組みやすい曲が多く、リズムの変化を意識しながら演奏すると、曲の個性がより引き立ちます。
自分らしい演奏を追求したい方におすすめです。
ショパンの難易度低めの「マズルカ編」その1:マズルカ第1番
ポーランド的な特徴を持つ旋律が魅力的です。
マズルカは全体的にリズムの取り方が難しいです。本作は特に、3拍子の中で強拍と弱拍の違いをしっかり感じ取ることが大切。
右手のメロディーを引き立てつつ、左手の伴奏をリズムに合わせて軽やかに弾くことが求められます。リズムの変化を楽しみながら演奏することがコツです。
出典:YouTube
リズムの変化を楽しみながら演奏することがコツです。
マズルカ編その2:マズルカ第3番 変イ長調
マズルカらしい、楽しい作品です。
リズムの変化とメロディーの表現を意識してみてください。
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メロディーはどこを強調すべきかを意識して弾くと、曲に深みが出ます。
マズルカ編その3:マズルカ第5番
感情豊かな曲で、リズムが複雑であり、強弱のコントロールが重要。
ショパンのマズルカの中でも、演奏機会の非常に多い作品です。
リズムを軽く、そしてメロディーをしっかりと浮かび上がらせるように演奏しましょう。
出典:YouTube
テンポの変化に気をつけ、曲全体に流れを持たせるように心がけることが大切です。
ショパンのピアノ曲チャレンジ編「エチュード黒鍵」
「もっと難しい曲にもチャレンジしたい!」
そんな方は、ショパンのエチュードなどいかがでしょうか。
とはいえ、エチュードはどれも激ムズ作品ばかり・・・。
しかしそんな中でも、『第5番「黒鍵」』は、チャレンジしやすい作品だと思います。
「右手はほぼ全て黒鍵で演奏する」のも面白いのですし。
黒鍵を使った速いパッセージが特徴で、指の独立性とスムーズな指運びが求められます。
初心者から中級者にとっては、テクニックを高めるための練習にもなるため、挑戦してみる価値ありです。
最初はゆっくりとしたテンポで練習し、指を十分に柔軟にしてから徐々に速くしていくのがコツですよ!
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ショパンのおすすめ楽譜3選
ここでは、おすすめ楽譜を3冊紹介します。
初心者から中級者に向けて、分かりやすい指示や説明があり、演奏の参考になります。
ぜひ、手に取って練習を進めてみてください。
ワルツ集
全音から出ているショパンのワルツ集の定番です。値段が安いのもありがたいところ。
前奏曲集
本格的に取り組みたい方向けです。
ノクターン集
定番の楽譜集ですが、ちょっとお値段高めです。
でも、一生使える1冊として持っておくのも良いかも。
マズルカ集
こちらも全音版です。
詳しい解説付きなので安心。
ショパンの難易度低めのピアノ曲:まとめ
ここで紹介したショパンの難易度低めのピアノ曲は、初心者から中級者にとって非常に魅力的な作品ばかりです。
どの曲も、ショパンらしい美しいメロディーと深い感情表現を求められます。
ぜひ、これらの曲に挑戦し、ショパンの音楽を楽しんでください!