この記事では天才作曲家セルゲイ・プロコフィエフの代表曲を紹介します。
「モーツアルトの再来」と称されたプロコフィエフ。
その名の通り、
彼が生み出した作品はピアノ曲から交響曲、そしてオペラまでまさに傑作ぞろいです。
11曲というと結構な作品数かもしれませんが、
それでも、プロコフィエフに関しては、紹介しきれないかなというのが正直なところです。
クラシック音楽の世界に新風を巻き起こし、
現代でももっとも愛されている作曲家の作品には、どのようなものがあるのでしょうか。
プロコフィエフの作品をご存知の方、あるいは、あまり聴いてこなかった方も、
ぜひ最後までご一読ください。
なお、毎度のことながら全ての選曲は筆者の独断と偏見、
そしてざっくり解説です。
その点については、温かい目でお読みいただければ幸いです。
プロコフィエフの生涯についてもっと知りたい方は、コチラも併せてお読みください。
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プロコフィエフの代表曲おすすめ11選!
あらゆる分野に傑作を残したプロコフィエフ。
その中から、今回は協奏曲、交響曲、オペラを中心に紹介します。
「この曲が入ってない!!💢」という方もおられると思いますが、
紙面の都合上もありますので、ご寛容にお願いします。
プロコフィエフの代表曲その1、『ヴァイオリン協奏曲第1番』
プロコフィエフが1916年から1917年にかけて作曲した最初のヴァイオリン協奏曲はです。
1923年のパリ初演では、ストラヴィンスキーの八重奏曲と同時上演されたため、
必ずしも成功とは言えませんでした。
しかし、時を経て、その魅力が広く認められるようになったのです。
興味深いことに、プロコフィエフの作品に批判的だったイーゴリ・ストラヴィンスキーも、
この曲を称賛しました。
約22分の演奏時間で、各楽章が9分、4分、9分と構成されています。
プロコフィエフの代表曲その2、『ピアノ協奏曲第3番』
プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、20世紀を代表する名曲の一つ。
1921年にシカゴで初演されましたが、当初は人気が出ませんでした。
しかし、翌年のパリ公演で大きな称賛を浴び、一躍有名に。
面白いのは、日本の都節に相当する五音音階が使われていることです。
これは、プロコフィエフが日本で芸者遊びを楽しんだ経験が影響しているのかもしれません。
約27分の演奏時間で、各楽章が9分ずつ、バランスの取れた構成になっています。
プロコフィエフの代表曲その3、『左手のためのピアノ協奏曲』
プロコフィエフの『ピアノ協奏曲第4番』は、左手のみで演奏される珍しい協奏曲です。
第一次世界大戦で右腕を失ったパウル・ヴィトゲンシュタインの依頼で1931年に完成しました。
必ずしも代表曲というわけではありませんが、「こんな曲もあるのか」ということで紹介してみました。
言い伝えによれば、献呈を受けたヴィトゲンシュタインは「一音たりとも理解できない」と演奏を拒否したとのこと。
この拒絶の真相は謎に包まれていますが、技術的に難しすぎたという説が有力のようです。
そのため、プロコフィエフの生前に初演されることはありませんでした。
1956年、作曲家の死後にようやくベルリンで初演されています。
プロコフィエフの代表曲その4、戦時下で生まれた『交響曲第5番』
プロコフィエフの交響曲第5番は、第二次世界大戦中の1944年に作曲されました。
ナチス・ドイツのソ連侵攻を目の当たりにし、
祖国愛に目覚めたプロコフィエフが、わずか2ヶ月で完成させた渾身の作品です。
1945年1月13日、モスクワでの初演は大成功を収め、ソ連全土にラジオ中継されました。
プロコフィエフ自身が「自由で幸せな人間への讃美歌」と呼んだこの曲は、
彼の代表作の一つとして今も多くの人々に愛されています。
力強さと高貴さが共存する、感動的な交響曲です。
プロコフィエフの代表曲その5、青春を讃える『交響曲第7番』
プロコフィエフ最後の交響曲となった第7番は、1952年に完成しました。
作曲者自身が「青春交響曲」と呼んでいたこの曲は、ソ連の青年たちに捧げられました。
4楽章構成で、約35分の演奏時間です。
1952年10月18日のモスクワ初演では、聴衆から熱狂的な反響を獲得し、大成功を収めています。
また、晩年の作品ながら若々しさと活力に満ちた音楽は、
青春の輝きを音楽で表現した傑作と言えるでしょう。
プロコフィエフの代表曲その6、オペラ『三つのオレンジへの恋』の誕生
プロコフィエフのオペラ『三つのオレンジへの恋』は、イタリアの劇作家カルロ・ゴッツィの童話を基に作られました。
1918年、ロシア革命を逃れてアメリカに亡命する途中で構想し、
1919年に半年で完成させました。
委嘱者の急死により初演が延期されるなど、波乱の幕開けとなったものの、
1921年12月30日、シカゴでの初演は大成功を収めました。
プロコフィエフは6曲を選んで組曲も作曲し、
特に「行進曲」と「スケルツォ」は単独でも人気があります。
約16分の組曲版は、今でもコンサートでよく演奏されています。
動画は「行進曲」です。
代表曲その7、バレエ音楽『ロメオとジュリエット』
シェイクスピアの悲劇をバレエ音楽化した『ロメオとジュリエット』は、プロコフィエフをもっとも代表する作品の一つです。
当初は酷評されましたが、1938年のチェコスロバキアでの初演後、
世界中で愛される作品となりました。
全曲版は約2時間半にも及びますが、プロコフィエフ自身が編んだ組曲がよく演奏されます。
特に第2組曲は人気が高く、「騎士たちの踊り」は日本のドラマ「のだめカンタービレ」でも使用され、多くの人に親しまれています。
壮大なスケールと美しい旋律が、聴く人を魅了する名作です。
1:35〜聴いてみると、「これか!」となると思います。
代表曲その8、民俗音楽の香り漂う『弦楽四重奏曲第2番』
1941年、ナチス・ドイツのソ連侵攻により、プロコフィエフはカフカース北部のナリチクに疎開しました。そこで地元の民俗音楽に触れ、その影響を受けて作曲したのが弦楽四重奏曲第2番です。
3楽章構成で、演奏時間は20〜25分程度。モダンな第1番と比べ、
明るく叙情的な作品となっています。
1942年4月7日、モスクワで初演されました。
同じ時期に疎開していたニコライ・ミャスコフスキーも、
カバルダ民謡を取り入れた作品を作曲しており、
時代背景が音楽に与えた影響が興味深く感じられます。
代表曲その9「戦争ソナタ」の幕開け『ピアノソナタ第6番』
プロコフィエフのピアノソナタ第6番は、「戦争ソナタ」と呼ばれる3作品の最初の曲です。
1940年4月8日、モスクワでプロコフィエフ自身によって初演されました。
4楽章構成で、演奏時間は約26分。9曲あるピアノソナタの中でも特に規模が大きく、技巧的にも難しい作品です。
著名なピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルが愛奏したことでも知られています。
代表曲その10、チェロの魅力を引き出す『交響的協奏曲』
1951年から1952年にかけて作曲された交響的協奏曲は、プロコフィエフの2作目のチェロ協奏曲です。
初期の「チェロ協奏曲第1番」を大幅に改作し、管弦楽の役割も拡大しました。
初演者であり、改作にも協力したムスティスラフ・ロストロポーヴィチに捧げられています。
3楽章構成で、演奏時間は約38分。
チェロの表現力を最大限に引き出しつつ、オーケストラとの対話も印象的で、
プロコフィエフ晩年の傑作として愛されています。
代表曲その11、子どもたちの心をつかむ『ピーターと狼
プロコフィエフの「ピーターと狼」は、子供のための音楽作品です。
ナレーターと小編成オーケストラのために書かれたこの作品は、1936年5月2日にモスクワ音楽院大ホールで初演されました。
プロコフィエフ自身が台本の草稿を書き、「子供のための交響的物語」として作曲されました。
各登場人物や動物に特定の楽器や旋律を割り当てる手法は、
子どもたちの想像力を刺激し、音楽への興味を引き出します。
1946年にはウォルト・ディズニーによってアニメーション映画化され、さらに多くの人々に親しまれるようになりました。
プロコフィエフの作品の特徴や魅力について
プロコフィエフの代表曲を11曲紹介しました。
とはいえ、かならずしも代表曲とは言えない作品もありますが、
参考にしていただければと思い掲載しています。
以下では、プロコフィエフの作品の特徴や魅力を簡単に3つ解説します。
こちらもざっくりなので、まずは「そんな感じなのね」という気持ちでお読みください。
プロコフィエフの作品の特徴や魅力その1、メロディーの豊かさと独創性
プロコフィエフの作品は、独特で美しいメロディーが豊富で、聴く者の心に深く残ります。
彼のメロディーはしばしば予想外の転調やリズムの変化を伴い、新鮮で独創的な感覚を与えるのが特徴です。
こうした要素が、プロコフィエフの音楽を一度聴くと忘れられないものにしているのかもしれません。
さらに、メロディーが物語の感情やキャラクターを見事に表現しており、
聴衆に強い印象を与えるのも魅力といえるでしょう。
▶️代表例) 交響曲第1番『古典交響曲』
18世紀の古典派音楽を模倣しつつ、現代的な感覚を取り入れた作品。
明るく軽快なメロディーとウィットに富んだリズムが特徴です。
短い楽章で構成され、特にフィナーレはスピード感とエネルギーに満ちています。
古典的な形式を持ちながらも、ユーモアと新鮮さが感じられる点も魅力。
作品の特徴や魅力その2、オーケストレーションの巧みさ
プロコフィエフは、オーケストレーションの技術にも非常に優れていました。
各楽器の特徴を最大限に引き出す使い方がされており、豊かで多彩な音色が楽しめます。
特に打楽器の使い方が巧みで、リズムの強調や劇的な効果を生み出しているのが特徴です。
また、木管楽器や金管楽器の色彩豊かな音の組み合わせが、楽曲に深みと立体感を与えています。
代表例)ピアノ協奏曲第3番
技術的な難易度とエネルギッシュな表現力が魅力。
第1楽章の軽快なテーマから始まり、第2楽章ではリリカルな旋律が美しく展開。
終楽章は速いテンポと複雑なリズムが融合し、聴衆を圧倒します。
また、演奏者の技量を試すような挑戦的かつ創造的なオーケストレーションとピアノの華麗なパッセージが魅力です。
作品の特徴や魅力その3、リズムの多様性とエネルギー
リズムの多様性とエネルギーに満ちているのもプロコフィエフの特徴です。
急速なテンポの変化や複雑なリズム構造がよく見られ、ダイナミックな展開し、
これにより、聴衆は絶えず驚かされ、作品に引き込まれる。また、リズムの大胆な使い方が、緊張感や興奮を生み出し、音楽に独特の力強さと生動感を与えている
▶️バレエ音楽『ロメオとジュリエット』
豊かな感情表現とドラマチックな展開が魅力。メロディーは物語の悲劇性とロマンチシズムを見事に捉え、特に「モンタギュー家とキャピュレット家」の場面は、力強いリズムと重厚なオーケストレーションが特徴。緊張感と迫力が際立つ感動的なバレエ音楽の傑作。
プロコフィエフの最高傑作について
最後にプロコフィエフの最高傑作について紹介します。
しかし、これは選ぶ人によってさまざま意見が分かれると思います。
前述した『交響曲第5番』や『ピアノ協奏曲』、あるいはオペラ『炎の天使』や『ロメオとジュリエット』などを挙げる方もいることでしょう。
以上、さまざまな意見を考慮した上で、
今回はオペラ『戦争と平和』を紹介します。
プロコフィエフの壮大なオペラ『戦争と平和』の解説
独創性と伝統が融合する音楽世界
プロコフィエフが妻と共にリブレットを手掛けた『戦争と平和』は、
トルストイの小説を原作とするグランドオペラです。
独ソ戦とナポレオンのロシア侵攻を重ね合わせた記念碑的な大作として知られています。
1941年に着手し、10年以上改訂を重ねましたが、作曲者の生前には完全上演が実現しませんでした。
全2部13場からなり、ライトモティーフを駆使した音楽構成が特徴的。
中心人物の描写には旋律的アリオーソと管弦楽の効果を用い、対照的な場面では神経質なオスティナートを活用しています。
ロシアオペラの伝統を踏まえつつ、チャイコフスキーやムソルグスキーの影響も感じられる作品です。
プロコフィエフは本作の組曲を編みませんでしたが、ワルツを別の作品に収録。
第二次世界大戦以降のオペラで評価が高く、「プロコフィエフのオペラの傑作」「最も優れたソヴィエト・オペラの一つ」と称されています。
音楽愛好家必聴の名作といえるでしょう。
ピアノ・ワルツ版はこちら👇
プロコフィエフの代表曲まとめ
今回はプロコフィエフの代表曲おすすめ11選と、
作品の特徴について簡単に解説しました。
冒頭にもお伝えしたように、1記事では足りません・・・。
なので、また別の機会に記事を追加したいと思いますので、
ぜひお楽しみにしてください!
この記事を通じて、
少しでもプロコフィエフの魅力が伝われば幸いです。
楽器をお探しの方向けに楽器店の記事も書いています👇
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