リヒャルト・シュトラウスの最高傑作『ばらの騎士』の簡単解説。作品の特徴やあらすじは?名盤や聴き比べも紹介!

リヒャルト・シュトラウス

    今回はリヒャルト・シュトラウスの最高傑作『ばらの騎士』を紹介します。

    20世紀最高のオペラ作品の1つとして名高い『ばらの騎士』。
    しかしクラシック音楽好きな方でも、
    あまりよく知らない方も多いのではないでしょうか。

    そもそも「オペラ自体をほとんど聴かない」なんて方もいると思います。

    そんな方のために、
    今回はオペラ『ばらの騎士』について超ざっくり解説です。

    この記事を通じて少しでも作品に関心を持っていただき、
    彩り豊かな毎日をおくるきっかけになれれば幸いです。

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    リヒャルト・シュトラウス

    リヒャルト・シュトラウスの最高傑作「ばらの騎士」とは

    20代の若さで早くも作曲家としての成功を収めたリヒャルト・シュトラウス。

    そんな彼は、その後およそ60年にわたり、
    作曲家としてのキャリアを積み重ねました。

    交響詩、交響曲、オペラ、歌曲などの分野で名作を残したリヒャルト・シュトラウスですが、なかでも最高傑作の1つと評されているのがオペラ『ばらの騎士』です。
    以下では、『ばらの騎士』についてざっくりと解説します。

    作曲背景

    本作『ばらの騎士』は、作家ホーフマンスタールの台本にリヒャルト・シュトラウスが曲をつけた作品です。

    『ばらの騎士』というタイトルは、ウィーンの貴族が結婚の申し込みをする際に使わせる使者のことです。

    すでにオペラ『サロメ』『エレクトラ』でタッグを組んでいた2人ですが、
    本格的な共作による作品は、本作が初めてとなりました。

    作品の構想当時、ホーフマンスタールは女性歌手が男装する「喜劇的な作品」を計画していたそうです。

    しかし度重なる協議の結果、現在のような壮大な愛憎劇に発展し、
    20世紀最高のオペラ作品の1つと評されまでとなりました。

    また、リヒャルト・シュトラウスは本作において「モーツァルトのオペラ」を目指していたと言われています。

    そのため、『サロメ』や『エレクトラ』で見られる激しいオーケストレーションは控えられ、モーツァルト作品のような、親しみやすく、耳馴染みのよい作品となっています。

    作品は1909年から1910年にかけて行われ、
    1911年1月26日にドレスデン宮廷歌劇場で初演が開かれました。

    批評家からは「時代遅れ」「大衆向け」といった批判がなされてものの、
    空前の大ヒットとなり、もっとも演奏機会の多いドイツオペラの1つとして、
    現在も多くの人に愛されています。

    主な登場人物

    物語を盛り上げる主な登場人物を紹介します。

    元帥夫人マリー・テレーズ(ソプラノ)
    👉オーストリア陸軍元帥ヴェルデンベルク侯爵の夫人

    オクタヴィアン(メゾ・ソプラノ)
    👉元帥夫人の若い愛人で17歳の青年貴族。本作の「ばらの騎士」。ゾフィーと恋に落ちる

    レルヒェナウ男爵オックス(バス)
    👉元帥夫人の従兄、傲慢で自己中心的で好色漢

    ゾフィー(ソプラノ)
    👉修道院を出たばかりのファニナルの一人娘。オクタヴィアンと両思いに。

    フォン・ファニナル(バリトン)
    👉妻を亡くした裕福な男。ゾフィーの父親

    ・そのほかマリアンネ、元帥夫人家執事、料理屋の主人、帽子屋など

    3時間を超える長大な作品

    初演が大成功となった『ばらの騎士』。

    しかし本作は上演時間3時間半にも及ぶ超大作です。
    そのためワーグナーによる「楽劇」と位置付ける人もいるようですが、
    リヒャルト・シュトラウスはどうやら否定したとのこと。

    ちなみに、本作は全3幕で構成されており、
    それぞれの上演時間は以下の通りとなっています(長い!)

    1幕・・・1時間15分
    2幕・・・1時間
    3幕・・・1時間10分

    ドレスデンでの初演後は、ベルリン、プラハ、バイエルン、ミラノでも立て続けに上演され、ヨーロッパ各国で大きな成功を収めました。

    また日本でも、第2次世界大戦以降の1956年10月に日比谷公会堂で初演されたほか、
    1994年にはカルロス・クライバー指揮によるウィーンフィル公演も行われています。

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    リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』のあらすじは?

    「3時間半を超えるオペラを見るのはちょっと・・・」
    という方のために、まずは『ばらの騎士』のあらすじについて簡単に解説します。

    第1幕

    元帥夫人と若いオクタヴィアンが愛の余韻に浸りながら朝食をとり、突然の来客に狼狽する場面から始まる。

    オックス男爵はオクタヴィアンを使者として紹介してほしいと頼み、夫人は悪戯心でオクタヴィアンを「従弟」のロフラーノ伯爵と紹介する。

    オクタヴィアンは用件を果たし、一連の出来事の後、夫人は彼との別れを受け入れる複雑な気持ちに・・・。

    オクタヴィアンは夫人の心乱れに憤慨し、再び出発するも、夫人は彼とのキスを忘れたことに気づき、彼の去り行く馬を見送りながら再び物思いにふける。

    第2幕

    婚約者オックスが初めて訪れる当日の朝。

    オクタヴィアンはばらの騎士として、純白の衣装に身を包んで現れ、銀のばらをゾフィーに手渡します。

    儀式が終わり、打ち解けた雰囲気になったゾフィー。
    するとオクタヴィアンは彼女に一目惚れしてしまうという不思議な感情に襲われます。
    二人は語り合っている最中に、オックス男爵が登場し、彼の無作法な振る舞いに驚くゾフィーと憤慨するオクタヴィアン。

    オックスは別室に案内され、レルヒェナウ家の従者が騒ぎを引き起こし、他の人々はその場を去りまる。

    ゾフィーとオクタヴィアンは残り、2人は抱き合います。
    その後、オックス男爵の手下であるヴァルツァッキとアンニーナが現れ、オックスを呼び寄せます。

    オクタヴィアンがゾフィーの気持ちを伝えようとするが、オックスはそれを無視し、結婚を宣言。ゾフィーがオックスとの結婚を拒否すると、オクタヴィアンは剣を抜いて彼に立ち向かう展開に。

    オクタヴィアンの勇姿に退却するオックス。
    そしてオクタヴィアンはゾフィーに守ることを宣言し、二人は抱き合います。

    しかし、ヴァルツァッキとアンニーナがオックスに手紙を渡し、それがマリアンデルからの手紙であることを知りません。オックスは有頂天になり、歌い踊ります。アンニーナが謝礼を求めるものの、彼は無視し、1人で歌い続け、舞台はオックス男爵の退場で終わります。

    第3幕

    計略を巡らせ、ヴァルツァッキとアンニーナを引き連れてオックスを驚かせようとするオクタヴィアン。

    オクタヴィアンはマリアンデルに扮し、計画が進んだことを確認して財布を渡し、場を去ります。

    その後、オックス男爵とマリアンデルが登場。オックスはマリアンデルを口説き始めます。

    しかし、オックスは仕掛けに驚き、混乱し、アンニーナも登場します。アンニーナはオックスに子供たちを紹介し、「パパ、パパ」と叫ばせ、オックスは怒って警察官を呼びます。

    警察官の質問に対し、オックスは自分の身分を明かし、マリアンデルをファニナルの娘で婚約者だと紹介します。
    そこへオクタヴィアンがオックスの名で呼んだファニナルが登場し、オクタヴィアンはマリアンデルのことを問われ、驚愕して自分の娘であることを否認します。

    騒ぎを聞きつけた元帥夫人が到着し、オックスの身分を保証して警察官を去らせます。
    ゾフィーと父親が登場し、ゾフィーはオックスに別れを告げます。

    元帥夫人が退場を命じ、憤慨しながらも去るオックス。
    宿屋の主人やアンニーナたちが去り、
    元帥夫人、オクタヴィアン、そしてゾフィーの3人だけが残される。

    元帥夫人は若い2人を祝福し、オクタヴィアンをゾフィーの元に行かせます。
    ゾフィーは最初は戸惑いますが、オクタヴィアンに感謝し、
    二人は幸福な未来を迎えることを歌います。

    そして元帥夫人は静かに去り、物語は終わります。

    リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』の名盤聴き比べ3選

    最後に『ばらの騎士』のおすすめ名盤聴き比べを紹介します。
    まだ聴いたことがない方は、今回紹介する演奏を参考にしてみてください!

    おすすめ聴き比べその1、カルロス・クライバー指揮

    1995年、ウィーンフィル版

    「ばらの騎士」の名演奏といえば、カルロス・クライバー指揮です。
    賛否両論はもちろんありますが、録音も比較的新しいので聴きやすいと思います。
    日本語字幕付き。

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    その2、ヘルベルト・カラヤン指揮

    帝王カラヤン指揮による「ばらの騎士」です。
    演出がドラマティックで映画をみているようです。

    絢爛豪華の一言につきますね。

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    その3、ゲオルク・ショルティー指揮

    個人的な一押しは、ゲオルク・ショルティー指揮。
    リヒャルト・シュトラウスと親交のあったショルティーは、
    作曲家の葬儀の時に本作を指揮しています。
    愛弟子みたいな感じだったのかもしれませんね。

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    リヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」には組曲もある

    「オペラを聴くのはむつかしそう・・・」
    という方には、組曲版がおすすめです。

    オペラ版の中から選曲されていて、演奏時間は30分程度です。
    本編のエッセンスを知りたい方は、まずは組曲から入ると良いかもしれません。

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    リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』のまとめ

    今回はオペラ「ばらの騎士」をざっくりと紹介しました。
    ひとまずこの記事でリヒャルト・シュトラウスのシリーズは終わりですが、
    また改めて別記事で追加しようと思っています。

    交響詩とか紹介しきれてないし・・・。
    ちょっと長くなりすぎましたが、
    皆さんにとって少しでもお役にたてれば嬉しいです。

    その他のリヒャルト・シュトラウス関連については、以下の2記事を参考にしてください。

    リヒャルト・シュトラウス
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