国際舞台で輝かしい功績を上げ、今最も注目を集めるチェリスト上野通明(うえの みちあき)さん。
2021年に開催された世界最高峰のコンクール「ジュネーヴ国際音楽コンクール」のチェロ部門で日本人として初の優勝という快挙を成し遂げ、一躍その名を世界に轟かせました。
上野さんが生み出すユニークかつ自然な音楽性と、卓越したテクニックは、どのようにして育まれてきたのでしょうか。
この記事では、人気チェリスト・上野通明さんのプロフィールや学歴、外交官と噂される父親を含む家族構成、そして愛用する世界的名器、さらには2025年12月以降の最新コンサート情報までリサーチしてお届けします!
各パートには上野さんの素晴らしい演奏も紹介していますので、ぜひそちらもご視聴ください。
また、記事の後半ではコンサートに訪れる際に便利な旅行プランの紹介もありますので、ぜひ参考にしてくださいね!
上野通明さんのプロフィール・経歴について
出典:YouTube
バッハ作曲「無伴奏チェロ組曲第1番」
まずは、上野通明さんの基本的なプロフィールを、学歴とともにご紹介します。
上野通さんプロフィール
項目 内容 生年月日 1995年11月21日 出身地 パラグアイ・アスンシオン 職業 チェリスト 最終学歴 エリザベート王妃音楽院 アーティスト・ディプロマデュッセルドルフ音楽大学(ドイツ国家演奏家資格) 師事 馬場省一、イニアキ・エチェパレ、毛利伯郎、ピーター・ウィスペルウェイ、ゲーリー・ホフマン、ジェロエン・ロイリング 各氏 チェロ開始 5歳から 主な受賞歴 ・第6回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール 第1位(2009年)・第21回ヨハネス・ブラームス国際コンクール 第1位(2014年)・第75回ジュネーヴ国際音楽コンクール 第1位(2021年)・第31回 出光音楽賞(2022年)・文化庁長官表彰(2021年度)・第35回 日本製鉄音楽賞 フレッシュアーティスト賞(2025年) 使用楽器 1730年製 ストラディヴァリウス「フォイアマン」(日本音楽財団より貸与)
上野通明さんは、わずか13歳で「若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」のチェロ部門で日本人として初の第1位を獲得。
そして2021年、25歳で挑戦した「ジュネーヴ国際音楽コンクール」で、日本人として初のチェロ部門優勝を飾ります。
この時、優勝と同時に「Young Audience Prize」「Rose Marie Huguenin Prize」「Concert de Jussy Prize」の3つの特別賞も受賞するという快挙を成し遂げました。
日本でもこのニュースは新聞等で大きく取り上げられました※
※参考|読売新聞オンライン|上野通明さん、日本人初のチェロ部門1位「本当にラッキー」…ジュネーブ国際音楽コンクール
上野通明さんの学歴!桐朋からドイツ、ベルギーへの道
出典:YouTube
ラフマニノフ作曲「チェロ・ソナタ」
奥深いラフマニノフの旋律を見事に表現しています!(個人の感想です)
上野さんの卓越した技術は、日本とヨーロッパの最高学府での弛まぬ研鑽によって磨き上げられたもの。
その学歴は、まさにエリート・コースと呼ぶにふさわしいものといえるでしょう!
短めですが、サラッと紹介します。
幼少期〜桐朋学園時代
上野さんがチェロと出会ったのは5歳の時。
きっかけは、4歳の時に観たヨーヨー・マの演奏映像に衝撃を受け、「自分もやりたい」と強く願ったこととのこと(この時のお話は「父親」のセクションで後述します)。
チェロを始めてからは、馬場省一氏、イニアキ・エチェパレ氏らに師事。
その後、日本クラシック音楽界の名門、桐朋学園大学音楽学部附属「子供のための音楽教室」(仙川別科)に特別奨学生として学びます。
2011年、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)に、なんと全額免除特待生として入学。
ここでもその才能は群を抜いていました。
高校卒業後は、大学には進学せず、さらに専門性を高める桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースに進みます。ここでも全額免除特待生として、日本チェロ界の重鎮・毛利伯郎氏に師事し、演奏家としての基礎を徹底的に固めました。
ヨーロッパでの研鑽(ドイツ〜ベルギー)
桐朋で研鑽を積んでいた上野さんに、大きな転機が訪れます。
2015年秋、19歳だった上野さんは、オランダの著名なチェリストであるピーター・ウィスペルウェイ氏に才能を見出され、招かれる形でドイツに渡へ。
渡独後は、デュッセルドルフ音楽大学(ロベルト・シューマン音楽大学)に入学。
ウィスペルウェイ氏のもとでさらに腕を磨き、ドイツの国家演奏家資格である「コンツェルトエグザメン」を、審査員満場一致の最高得点で取得するという偉業を成し遂げます。
ドイツでの学びを終えた後も、2021年からは、才能ある若手音楽家が集うベルギーのエリザベート王妃音楽院に在籍。
ゲーリー・ホフマン氏、ジェロエン・ロイリング氏に師事し、アーティスト・ディプロマを取得しました。
また、在学中から明治安田クオリティオブライフ文化財団、ロームミュージックファンデーション、江副記念リクルート財団の奨学生として支援を受けており、早くからその将来性を嘱望されていたことがわかります。
上野通明さんの父親は外交官?音楽一家の家族構成
出典:YouTube
メンデルスゾーン作曲「ピアノ三重奏曲第1番」
上野通明さんの国際的な経歴の背景には、ご家族の存在が大きく影響しています。
タイトルの「父は外交官?」という疑問にもお答えします。
父親は外交官
結論から言うと、上野通明さんの父親は外交官です。
上野さん自身が1995年にパラグアイのアスンシオンで生まれたのも、父親が外交官として現地に赴任していたためです。
その後、幼少期は父親の仕事の関係でスペインのバルセロナに移住し、そこで育ちました。
この国際的な環境が、上野さんの感性に大きな影響を与えたことは想像に難くありません。
父親の名前や顔写真は公表されていませんが、上野さんがチェロを始めるきっかけに、父親との微笑ましいエピソードが残っています。
4歳でヨーヨー・マの演奏を見てチェロに憧れた上野さん。父親に「チェロが欲しい」とお願いしますが、父親は当初「子供の気まぐれだろう」と取り合いませんでした。しかし、上野さんは1年間諦めずにお願いし続けたそうです。
そして5歳の時、父親が当てた宝くじの賞金で、ついに最初のチェロを購入してもらえることになりました※。もしこの宝くじが当たらなければ、今の彼はいなかったかもしれませんね。
ちなみに、くじを選んだのは上野さんご本人とのことですよ!
※参考|NIPPON STEEL|第35回 日本製鉄音楽賞受賞者インタビュー
音楽一家で育つ(母・姉)
上野家は音楽一家でもあります。
お母様も音大を出ているとのこと※。
また、上野さんには2人の姉がおり、それぞれピアノとヴァイオリンを演奏していたそうです。
幼少期には、姉2人(ピアノ、ヴァイオリン)と上野さん(チェロ)で「ピアノ・トリオ」を組み、一緒に演奏することもあったといいます。
当初、父親は3人の子供全員が音楽家の道を目指すことに戸惑い、「一人くらいは音楽以外の仕事について欲しかった」と漏らしていたそうですよ!
※第20回ルーマニア国際音楽コンクールインタビュー|第6回コンクール弦楽器部門第1位│上野 通明
輝かしい受賞歴の集大成
上野通明さんのキャリアは、国際コンクールでの輝かしい受賞歴によって彩られています。
とくに10代の頃から、世界の舞台で頭角を現していました。
以下ではこれまでの主な受賞歴をざっくりと紹介します。
主な受賞歴(時系列)
- 2009年(13歳)
- 第6回 若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール:第1位(全部門通じて日本人初の快挙)
- 2010年(14歳)
- 第6回 ルーマニア国際音楽コンクール:第1位(最年少)、ルーマニア大使館賞、ラジオ文化局賞
- 2014年(18歳)
- 第21回 ヨハネス・ブラームス国際コンクール:第1位
- 2018年(22歳)
- 第11回 ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロコンクール:第2位
- 2021年(25歳)
- 第75回 ジュネーヴ国際音楽コンクール:第1位、特別賞3つ(前述)
- 国内での主な受賞
- 第1回 Foundation for Youth賞
- 第6回 岩谷時子賞 奨励賞
- 青山音楽賞 新人賞
- 第21回 齋藤秀雄メモリアル基金賞
- ベートーヴェン・リング賞
- 第24回 ホテルオークラ音楽賞
- 第31回 出光音楽賞(2022年)
- 文化庁長官表彰(令和3年度 / 2021年度)
- 第35回 日本製鉄音楽賞 フレッシュアーティスト賞(2025年)
13歳でのチャイコフスキー国際コンクール優勝という衝撃的なデビューから始まり、ジュネーヴでの頂点、そして日本国内での権威ある賞の数々。
本当に素晴らしいですね!
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使用楽器は伝説のストラディヴァリウス「フォイアマン」
一流の演奏家には、その音色を最大限に引き出す「相棒」=名器が欠かせません。上野通明さんも、キャリアを通じて世界的な名器を貸与されています。
現・使用楽器:A.ストラディヴァリウス 1730年製「フォイアマン」
上野さんが現在メインで使用している楽器は、アントニオ・ストラディヴァリウスが1730年に製作したチェロ、通称「フォイアマン(Feuermann)」です。
この楽器は、20世紀を代表する伝説的なチェリスト、エマヌエル・フォイアマンが使用していたことで知られる名器中の名器です。
2025年2月19日より、日本音楽財団から上野さんに貸与が開始されました※。
この楽器との出会いが、上野さんの音楽に新たな局面をもたらしていることは間違いありませんね!
併用・過去の楽器:P.A.テストーレ 1758年製
「フォイアマン」を貸与される以前、また現在も曲目によって使い分けているとされるのが、宗次コレクション(カレーハウスCoCo壱番屋の創業者・宗次德二氏によるコレクション)から貸与されている 1758年製 P.A.テストーレ(パオロ・アントニオ・テストーレ)です。
長年この楽器で数々のコンクールや演奏会を共にしており、上野さんの音色を形作ってきた重要な楽器の一つとなっています。
弓:F.トルテ
弓(ボウ)にもこだわりがあります。
使用しているのはF.トルテ(フランソワ・トゥルテ)の弓で、こちらは住野泰士コレクションから貸与されています。F.トルテは「近代的な弓のストラディヴァリ」とも称されるほど、歴史的に価値の高い弓の製作者です。
上野通明さんの最近の活動とコンサート情報(2025年12月以降)
出典:YouTube
ヨーロッパと日本を拠点に、ソリストとして、また室内楽奏者として精力的に活動する上野さん。直近の活動と、2025年末から2026年にかけての注目の公演情報(判明分)をまとめました。
2025年の主な活動(アルバム・ツアー)
- ニューアルバム『オリジン』発売(2025年9月)フランスの「ラ・ドルチェ・ヴォルタ」レーベルから、第2弾アルバム『オリジン』がリリースされました。前作のバッハ無伴奏チェロ組曲に続き、今作は日本の現代作曲家の作品を厳選した意欲作です。
- ドイツCD発売ツアー(2025年11月)アルバム発売に合わせ、11月中旬にはハイデルベルク、ミュンヘン(ニンフェンブルク宮殿)、ボン(ベートーヴェンハウス)、デュッセルドルフ(トンハレ)など、ドイツの主要都市でリサイタルツアーを行いました。
上野通明さんの最新コンサート情報(2025年12月〜2026年)
以下は、2025年12月以降に予定されている主な公演スケジュールの一部です。
お近くにお住まいの方や、ファンの方はぜひコンサートに足を運んでみてください!
(※チケットの販売状況は各公演の公式サイトでご確認ください)
| 日時 | 公演名・内容 | 会場 |
| 2025年12月 | ||
| 12月12日(金) 18:45 13日(土) 16:00 | 名古屋フィルハーモニー交響楽団 第540回定期演奏会 (ミャスコフスキー:チェロ協奏曲 Op.66他) | 愛知県芸術劇場コンサートホール(愛知) |
| 12月29日(月) 19:00 | Miraculous Cello Ensemble 2025 (共演:同上 / サン=サーンス《序奏とロンド・カプリッチョーソ》他) | サントリーホール 大ホール(東京) |
| 2026年1月 | ||
| 1月17日(土) 13:30 | 上野通明&北村朋幹 デュオ・リサイタル (ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番・第5番, 武満徹:オリオン 他) | 神奈川県立音楽堂(神奈川) |
年末の「奇跡のチェロ・アンサンブル」では日本を代表するチェリストたちとの豪華共演が、年明けには盟友・北村朋幹さんとのデュオ・リサイタルなど、注目の公演が目白押しです。
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上野通明さんの学歴・プロフィール:まとめ
この記事では、世界が注目するチェリスト・上野通明さんについて、プロフィール、学歴、家族、使用楽器、最新コンサート情報までを紹介しました。
パラグアイで生まれ、スペインで育ち、日本とヨーロッパ(ドイツ・ベルギー)の最高学府で音楽を学んだという驚くべき経歴。
そして、ジュネーヴ国際音楽コンクール制覇という輝かしい実績。
すべてが上野さんの実力と、音楽への深い探求心に裏打ちされています。
伝説の名器ストラディヴァリウス「フォイアマン」を相棒に、これからどのような音色を世界に響かせてくれるのか、大注目ですね1
【記事のポイント】
- 上野通明さんは、ジュネーヴ国際音楽コンクールで日本人初優勝(2021年)を果たしたチェリスト。
- 父親は外交官。その仕事でパラグアイで生まれ、幼少期をスペインで過ごした。
- 音楽一家で、音大出身の母と、ピアノとヴァイオリンを弾く2人の姉がいる。
- 学歴は、桐朋学園(ソリスト・ディプロマコース)を経て、デュッセルドルフ音楽大学(独)、エリザベート王妃音楽院(ベルギー)で学んだ。
- 現在の使用楽器は、日本音楽財団から貸与された1730年製ストラディヴァリウス「フォイアマン」。
- 2025年12月以降も、オーケストラとの協奏曲や豪華チェリストたちとのアンサンブルなど、注目のコンサートが多数控えている。






















