今回はチャイコフスキーのおすすめ代表曲7選を紹介します。
あらゆる分野で有名曲を残しているので、
「7曲じゃ少ないかな?」という気もしますが・・・。
クラシック音楽をほとんど聴かない人にも届けたいので、
その辺はご容赦ください。
とはいえ、今回紹介する作品は「1度は聴いたことがある」と思いますので、
ぜひ最後まで読んで参考にしてください!。
前回のチャイコフスキーの生涯についてはこちら
チャイコフスキーのおすすめ代表曲7選
数ある名曲の中から、今回は7作品紹介します。
どの作品も親しみやすい作品です。
なので、「これからクラシックを聴いてみようかな〜」と思われている方は、
チャイコフスキーの作品から入ってみると良いかもしれません。
おすすめ代表曲1、『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調』
まずは『ヴァイオリン協奏曲』から。
1878年に作曲された本作はベートヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスの3大ヴァイオリン協奏曲に加えて4大ヴァイオリン協奏曲に数えられえいます。
チャイコフスキーらしいロマンチックで重厚なメロディーが特徴です。
さぞかし作曲に時間がかかったと思いきや、
11日でスケッチを完成させ、その後2週間後に完成したそうです。
現在では大人気の作品ですが、発表当初は、指揮者や楽団員に作品を拒否され不評だったとか・・・。
というか、チャイコフスキーにはそんな作品多いです。
またこの作品は、スペインの作曲家エドゥアール・ラロのヴァイオリン協奏曲『スペイン交響曲』に触発されて作曲されました。
チャイコフスキーのおすすめ代表曲2、『ピアノ協奏曲第1番』
2曲目も協奏曲から。
「チャイコフスキーといえばコレ!」という作品は多々ありますが、
本作もチャイコフスキーをもっとも代表する作品の1つです。
冒頭部分は、普段クラシックを聴かない方でも1度は聴いたことがあると思います。
1874年から1875年にかけて作曲され、師匠ニコライ・ルビンシテインに初演を依頼しましたが、思いもかけず厳しい言葉を受け初演を断念します。
ちなみに、どんな言葉をかけられたかというと、
「この作品は陳腐で不細工であり、役に立たない代物であり、貧弱な作品で演奏不可能であるので、私の意見に従って根本的に書き直すのが望ましい」
厳しすぎる・・・。
そのため、作品は大指揮者のハンス・フォン・ビューローに献呈されています。
チャイコフスキーのおすすめ代表曲3、序曲『1812』
3曲目は序曲から1曲。
序曲というと、一般的にはオペラやバレエが始まる前の冒頭に置かれますが、
本作は「序曲のための序曲」として作曲されました。
こうした作品をクラシックでは「演奏会用序曲」と言います。
作品自体も1曲で完結しており、演奏時間も長くないため、聴きやすいのではないでしょうか。
本作は1880年に作曲され、1882年に初演が行われました。
全体の迫力もさることながら、クライマックスでは「大砲」が使用されることでも有名です。
コンサートでは「大砲」のパートは別の楽器で代用されますが、
自衛隊の音楽隊が演奏するときは、実際に大砲を使うこともあるようです。
ぜひ一度聴いてみてください。テンション上がること間違いなしです!!!
チャイコフスキーのおすすめ代表曲4、『交響曲第6番<悲愴>』
チャイコフスキーの最後の交響曲であり、自らが「最高傑作」と称した作品です。
荘厳な音楽的構成の中に、タイトル<悲愴>の思いが込められています。
1853年にチャイコフスキー自身の指揮によって初演されましたが、
そのわずか9日後にコレラが原因で急死し、最後の大作となりました。
死因については、前回の記事で少し詳しく書いています。
「自分の死を予見していたような」そんな憂いのある作品です。
全4楽章構成で、演奏時間はおよそ45分です。
おすすめ代表曲5、『白鳥の湖』
チャイコフスキーはバレエ制作においても重要な役割を果たしました。
なかでも、本作『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』は3大バレエとして、今日でも世界中で公演される傑作です。
『白鳥の湖』はチャイコフスキー初のバレエ音楽であり、1877年にモスクワのボリショイ劇場で初演されています。
もはやチャイコフスキーあるあるですが、初演の評判はあまり芳しくなく、そのことに大きなショックを受けたのだとか。初演失敗の理由は、チャイコフスキーの新たな試みを聴衆が理解できなかったためだと考えられています。
バレエ全編をご覧になりたい方はこちらから↓
おすすめ代表曲6、『眠れる森の美女』
『白鳥の湖』から3年後の1890年にマイリンスキー劇場で初演されたバレエ作品です。
ディズニーアニメにもなっているので、アニメで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
原作は『長靴をはいた猫』で知られるフランスの文豪シャルル・ペローによる短編小説です。
本作はクラシック・バレエの金字塔として、現在も多くの聴衆に愛されています。
『白鳥の湖』とは異なり、初演時から高い評判を獲得し、チケットが売り切れになるまでになったそうです。
ちなみに、バレエでは原作の前半部分の物語が描かれており、後半部分は省略されています(「人喰い鬼」の話だし・・・)。
おすすめ代表曲7、『くるみ割り人形』
チャイコフスキーのおすすめ作品ラストはバレエ『くるみ割り人形』です。
本作はチャイコフスキーの最後のバレエ音楽であり、最高傑作の1つにも数えられています。
作中の「金平糖の精の踊り」や「花のワルツ」「行進曲」は、どこかで聴いたことがある作品ではないでしょうか。
この作品はドイツのロマン派の作家E.T.Aホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』をアレクサンドル・デュマがフランス語に翻訳した『はしばみ割りの物語』を題材としています。
クリスマス・イヴの日に起きた出来事がテーマであるため、
毎年クリスマスシーズンには世界各地で本作が上演されています。
1892年に初演が行われ、観客から好評を博したそうですが、
以降たびたび改訂がなされ、現在の形となりました。
本作には組曲版もあるので、
そちらもおすすめです↓
チャイコフスキーの作品の特徴や魅力は?
ロマンティックなメロディにこめられた憂い
チャイコフスキーの作品の特徴は、誰にでもわかりやすいメロディーと大胆な構成にあります。
そして、ロマンチックな抒情味の中に、どこか寂しげな憂いを抱えているのも彼の作品の特徴と言えるでしょう。
それはもしかしたら、14歳に亡くした母への悲しみを生涯持ち続けていたからかもしれません。
あらゆるジャンルで有名曲を残す
チャイコフスキーほど、さまざまなジャンルで名曲を残した作曲家はいないかもしれません。
バレエ音楽、交響曲、協奏曲、ピアノ曲、室内楽などの分野で「誰もが知る」名曲を残しているのは、クラシック音楽家の中でも数少ない存在と言えるでしょう。
今回紹介した7作品は、おそらく普段クラシック音楽を聴かないかたでも、
耳にしたことがある作品ですので、ぜひ確かめてみてください!
チャイコフスキーのおすすめ代表曲まとめ
今回はチャイコフスキーの作品7つを紹介しました。
もちろん、弦楽四重奏曲や宗教曲など、ほかにもたくさんの作品がありますが、それはまた別の機会に書きます。
チャイコフスキーの作品は誰にでも親しめる作品が多いので、
この記事を機会に他の作品にも触れてみてください!
あっ!チャイコフスキー・コンクールについても書くの忘れた。
前回のチャイコフスキーの生涯についてはこちら