この記事では、ウクライナの世界的作曲家ニコライ・カプースチンの代表曲『8つの演奏会用練習曲』と『24の前奏曲』を紹介します。
カプースチンの作品の特徴といえば、
なんといってもジャズ的要素を取り入れたポップなクライック音楽。
また、短い作品が多いものの、
弾きこなすには超絶技巧が必要とされることでも知られています。
最近では日本でも人気が高まり、
レパートリー曲として採用する演奏するピアニストも増えてきているようです。
なかでもカプースチンの代表曲として有名なのが『8つの演奏会用練習曲』と『24の前奏曲』。ということで、今回は2つの作品集についてざっくり解説です。
カプースチンの代表曲『8つの演奏会用練習曲』
クラシック音楽にジャズ進行を取り入れたカプースチン。
その弾けるようなリズムと複雑に入り組んだメロディは、聴く人の心を一気につかんで離しません。
本作、『8つの演奏会用練習曲』は1984年に作曲されたピアノ曲用の練習曲です。
カプースチンをもっとも代表する作品といっても過言ではないでしょう。
全8曲すべてに「ジャズ的要素」がたくさん使われている他、スウィングやブギウギ、さらにはロックやラテン系音楽も取り入れられています。
どの曲もカッコ良いのですが・・・。
とにかく難易度が高いです。
8曲で構成されており、演奏時間は大体25分程度です。
8曲通しで演奏されたり、数曲を抜粋したりといった場合もあります。
それぞれの作品にはタイトルが付けられており、タイトルもおしゃれな感じです。
カプースチンの代表曲「8つの演奏会用練習曲」のタイトル
それぞれのタイトルは次の通りです。
どの作品も人気曲ですが、その中からいくつか紹介します。
まずは第1曲の『前奏曲』から↓
テーマがすでにジャズっぽいですよね。
高い演奏技術と同時に、リズム感が必要な作品です。
こちら↓は第3曲の『トッカティーナ』。トッカティーナとは、鍵盤の「連打」を意味します。
3つ目は第5曲;『冗談』です↓
完全にジャズの即興っぽいけど、全部楽譜に音符が書かれています。
おどけた感じが確かに伝わりますね。
『8つの演奏会用練習曲』の難易度は?
気になるのが本作の難易度だと思います。
上述したように、ジャズ的部分も全て譜面に書かれていますが、だからこその難曲です。
レベル的には、ショパンの『エチュード』やリストの『超絶技巧練習曲』にも劣らないといって良いでしょう。
つまり、上級上です。
伝統的なクラシックだけではおそらく対処できず、ジャズのリズム感も必要となります。
カプースチンは実際、
・ルイ・アームストロング
・オスカー・ピーターソン
・ベニ・グッドマン
などなどをよく聞いていたそうです。
参考までに、オスカー・ピーターソンはこちら↓
『8つの演奏会用練習曲』の楽譜は?
とはいえ、「挑戦したい!」や「譜面だけでも見てみたい!」という方もいるはずです。
20年くらい前までは、全音楽譜出版社からカプースチン自身による解説付きの楽譜が出ていたのですが、現在は絶版のようです。
そのため、楽譜を手に入れたい場合はアマゾンなどで入手するのが簡単です。
カプースチンの代表曲『24の前奏曲』
こちらもカプースチンを代表する作品集です。
『24の前奏曲』は、すべての調性を作曲したバッハの『平均律クラヴィーア曲集』から着想を得ています。
ショパンやショスタコーヴィチなんかも、バッハを参考にして前奏曲を作曲しています。
こちらも『8つの演奏会用練習曲』と同じくジャズの要素満載で、演奏効果もバツグンです。
それぞれ1分半から2分半程度の長さなので、
「カプースチンの作品に挑戦したい!!」という方は、こちらから取り組んで見ると良いかもしれませんよ。
『24の前奏曲』の難易度は?
比較的に易しい作品から、高度な技術を必要とする作品まであります。
そのため、難易度は中〜上級程度とさまざまで、カプースチンのジャズ的クラシック音楽を体験するには、うってつけかもしれません。
ジャズの感覚も学べますし。
カプースチン『24の前奏曲』の楽譜は?
残念ながら、こちらも全音音楽出版社の楽譜はないようです。
でもアマゾンで売っているようです。
『24の前奏曲』第1番 プレリュード(紀平凱成)
カプースチンの代表曲まとめ
今回はカプースチンの作品集を2つ紹介しました。
こんな作品集を弾けたらカッコ良いですよね。
カプースチンは大人気の作曲家なので、ピアノを弾いているかたは是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
👉カプースチンのCD一覧はこちら!!