「モーツァルトは天才」とよく言われますが、具体的にどれほどの才能を持っていたのでしょうか? 幼い頃から驚異的な能力を発揮し、音楽史に名を刻む天才作曲家モーツァルト。
本記事では、モーツァルトの驚くべき才能を証明するエピソードを10個紹介します。
そのほか、独断と偏見によるおすすめ作品や、モーツァルトをさらに詳しく知りたい方への書籍も合わせてお楽しみください。
いつものように、ざっくり解説なので、気軽にご一読いただければ幸いです。
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モーツァルトの天才エピソード・豆知識10選
さっそくモーツァルトの天才エピソード・豆知識を見てみましょう。
モーツァルトの天才エピソード・豆知識その1: 幼少期から超人的な作曲能力(3歳で音楽を理解、5歳で作曲)
モーツァルトはわずか3歳の時に鍵盤楽器を弾き始め、5歳になる頃にはすでに作曲をしていました。最初の作品として知られる「メヌエット K.1」は、5歳とは思えない程の驚くべき完成度です。
さらに、幼いながらも和声やリズムを理解していたことが楽譜から見て取れ、すでに音楽理論を直感的に習得していたと考えられています。
5歳で作曲した「メヌエット」:出典:Youtube
モーツァルトの天才エピソード・豆知識その2:6歳でヨーロッパ演奏旅行&王族の前で即興演奏
モーツァルトは6歳から父レオポルトと共にヨーロッパ各地を巡る演奏旅行を行いました。
特にウィーンでは、皇帝や貴族の前で演奏し、即興で曲を作る才能を披露し、「天才」として喝采を迎えられました。
有名な逸話としては、フランス王妃マリー・アントワネットに「大きくなったら結婚してくれる?」と言った話も残っています。
この演奏旅行中に多くの影響を受け、バロック音楽の様式を学ぶと同時に、彼自身の作風が洗練されていきました。
転んで手を貸してもらったときに、アントワネットに求婚したそうです(6歳の時)
モーツァルトの天才エピソード・豆知識その3:「聞いただけで楽譜を書ける」驚異の耳(ミゼレーレ事件)
1770年、14歳の時、モーツァルトはヴァチカンのシスティーナ礼拝堂で演奏された「ミゼレーレ」を一度聴いただけで楽譜を完全に書き起こしました。
この曲は外部への持ち出しが禁止されていましたが、モーツァルトの記憶力と聴覚はそれを必要としませんでした。実際、この曲は複雑なポリフォニー構造を持ち、普通の音楽家ならば完全再現は不可能とされていましたが、一回の聴取でそのすべてを再現できたといわれています。
ちなみにこの「ミゼレーレ」は9パート編成だったそうです。天才すぎる!!
姉ナンネルによれば、後日書いた楽譜を持ってもう一度訪れ、少しの間違いを直したと言われています。
ミゼレーレ・・・イタリアの作曲家グレゴリオ・アレグリによる旧約聖書を元にした合唱曲。
モーツァルトの天才エピソード・豆知識その4:交響曲・オペラを短期間で完成させる超スピード作曲
モーツァルトは超速筆(作曲が速いこと)でも知られています。
オペラ『ドン・ジョヴァンニ』の序曲は本番の前日に完成させたと言われています。
また、代表作『魔笛』も体調が悪い中で短期間で書き上げました。
作曲が必要になると数日間ほぼ寝ることなく作業し、驚異的な集中力で傑作を生み出したと言われています。
その5:長時間の作曲でも疲れない異常な集中力
モーツァルトは驚異的な集中力を持ち、長時間休まずに作曲を続けることができました。
旅行中の馬車の中でも、次々と楽譜を書き続けていたと言われています。
また、手直しをほとんどせずに一発で完成度の高い楽譜を書けたのだそう。
たしかにモーツァルトの自筆譜を見ると、修正がほとんどなく、まるで頭の中で楽曲が完成した状態で書き起こしているかのような正確さが見られます。
その6:音楽を遊び感覚で作ってしまう才能(即興といたずら)
モーツァルトは音楽を「遊び」のように楽しんで作曲していました。
目隠しをしたままピアノを弾いたり、逆向きに座って鍵盤を弾くこともできました。
即興演奏の能力にも長けており、その場で美しいメロディを生み出すことができました。
さらに、彼は演奏中にユーモアを交えて曲を変化させたり、音楽を用いたいたずらをして聴衆を驚かせていたとのこと。
映画「アマデウス」の中でも、サリエリの作品を即座にアレンジするシーンがありますね。
その7:多彩な音楽スタイルと絶え間ない革新
モーツァルトは交響曲、オペラ、協奏曲、室内楽などあらゆるジャンルの音楽を作曲しました。
作品には、革新的な技法や独自の音楽表現が見られ、クラシック音楽の発展に大きな影響を与えています。
当時の音楽様式を吸収しながらも独自の和声進行やリズムを用い、新しい音楽の形を生み出し続けました。
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その8:1ヶ月半で3つの交響曲を作曲(交響曲39番・40番・41番)
1788年の夏、モーツァルトはわずか1ヶ月半で『交響曲第39番』『交響曲第40番』『交響曲第41番(ジュピター))を作曲しました。
これほどの短期間で名作を生み出せる作曲家は、モーツァルト以外に存在しないといっても過言ではないでしょう。
晩年のモーツァルトの生活は決して裕福ではなく、財政的な困難もありましたが、それでも圧倒的な創作意欲を持ち続けました。
交響曲第40番:出典:Youtube
この3つの交響曲はモーツァルトの3大交響曲と言われています。
その9:「俺の尻をなめろ」という曲がある
ウソのようなホントの話。
モーツァルトは気分が高揚すると、下ネタに走る傾向がありました。
「うんこやおしり」という子供のような言葉が好きだったようで、とても下品(お遊びですが)な作品も残しています。
ちなみに、「俺の尻をなめろ」はモーツァルト26歳の時の声楽曲です。
「K.231」という作品番号も付けられています。
これ以外にも、「俺の尻をなめろ、きれいにね」(作品番号K.233)なんて作品も作曲しています。実際の「俺の尻をなめろ」👇。
出典:YouTube
「俺の尻をなめろ」の歌詞
俺の尻をなめろ
陽気にいこう
文句をいってもしかたがない
ブツブツ不平を言ってもしかたがない
本当に悩みの種だよ
だから陽気に楽しく行こう
俺の尻をなめろ
その10:ヨーゼフ・ハイドンを心から尊敬していた
生まれながらにして、想像を超えた才能に恵まれたモーツァルト。
誰からも影響を受けずに独自の作曲法を見出したかにみえますが、それは少し誤解かも。
天才モーツァルトでさえ、心から尊敬した人物がいます。
それが「交響曲の父」と言われるヨーゼフ・ハイドンです。
モーツァルトはハイドンの管弦楽法から多くを学び、のちにハイドンへの尊敬の証として6曲の弦楽四重奏曲を献呈しています。
これらは現在「ハイドン・セット」として知られ、古典派の傑作として親しまれています。
弦楽四重奏曲第14番(ハイドン・セット1番):出典:Youtube
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モーツァルトの天才さが味わえる作品5選
35歳で亡くなるまでに600曲以上もの作品残したモーツァルト。
あらゆるジャンルの作品があり、現在でも広く世界中で愛されているものばかりです。
有名作品を5曲だけ選ぶのはちょっと無理がありますが、今回は「これは聴いて欲しい!」という願望に変えて作品を紹介します。
ピアノ協奏曲第23番
ピアノ協奏曲23番:出典:YouTube
モーツァルトの作品には短調の作品が多くありません。
しかし、短調で作曲された作品はどれも素晴らしく、とくにこの『ピアノ協奏曲第23番』は傑作中の傑作です。第2楽章の「悲しみの聖母」を連想させるメロディは、全人類の癒しになるといっても過言ではないでしょう。演奏はフリードリヒ・グルダ。アルゲリッチの先生です。
ファゴット協奏曲
ファゴット協奏曲:出典:YouTube
モーツァルトにかかれば、ファゴットでも協奏曲が書けてしまします。
といっても、ウェーバーやロッシーニ、ヴィヴァルディにもありますが・・・。
それはさておき。
本作はファゴットの厚みのある優しい音色と、オーケストラが見事にマッチしている作品です。
冒頭の出だしの華やかなメロディーは必聴の1曲です。
魔笛「序曲」
オペラ「魔笛」序曲:出典:Youtube
モーツァルトは生涯で17曲のオペラを完成させました。
なかでも『魔笛』『ドン・ジョバンニ』『フィガロの結婚』はモーツァルトの3大オペラとして、現在でも人気の高い名作です。
オペラ全部を聴くのはかなりハードルが高いので、序曲を紹介します。
オペラ『魔笛』は後期のオペラで、序曲は単独でも演奏機会の多い作品です。
また劇中の「夜の女王のアリア」もよく知られています。
2台のためのピアノソナタ
2台のためのピアノソナタ:出典:YouTube
モーツァルトのピアノ曲といえば、よく知られている「トルコ行進曲」。
でも、今回は少し範囲を広げて、こちらの作品を紹介します。
ひと昔前、ドラマ「のだめカンタービレ」で登場して広く知られるようになりましたね。
メロディとメロディの戯れ(たわむれ)、音楽そのものが楽しく遊んでいるような、そんなことを感じさせてくれる作品です。
アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク:出典:Youtube
管弦楽曲から1曲。
この作品も、誰でも1度は聴いたことがあると思います。
パッと目が覚めるような冒頭はあまりにも有名です。
確かにモーツァルトを聴いていると頭が冴えるような気がしないでもありません・・・。
演奏時間が20分程度とちょうど良い長さななので、初心者の方でも聴きやすいと思います。
ちなみに、作品タイトルの意味は「小さな夜の曲」という意味です。
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モーツァルトのことをもっと知りたい人のために
私のモーツァルト/吉田秀和 著
日本を代表する音楽評論家、吉田秀和先生のエッセイです。
吉田先生のモーツァルトへの想いを知ると、もっとモーツァルトが好きになりますよ!
音楽家の伝記 はじめに読む1冊 モーツァルト/萩谷 由喜子 著
モーツァルトの生涯を、小学生でも読めるようわかりやすく書いてくれています。
以外に大人が呼んでも、新しい発見があるかもしれません。
モーツァルト: 音楽における天才の役割/H.C.ロビンズ・ランドン 著
新書版なので読みやすく、持ち運びにも便利です。
内容もこの1冊に凝縮されているので、入門書としておすすめ。
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やはり、不朽の名作「アマデウス」は人生で1度は見ておきたい名作です。
まだ見てない人が羨ましいほどの傑作映画。
サリエリの回顧によって描かれる天才モーツァルトの姿とは?
モーツァルトの天才エピソード・豆知識:まとめ
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