前回から始まりましたショパンシリーズ。今回でようやく2回目。。。
さてさて、すこしだけ前回の復習を。
前回の記事はコチラから。
フレデリック・ショパン(1810〜1849年)はポーランドに生まれ、
フランスで活躍したロマン派を代表する作曲家です。
39歳という若さでこの世を去りましたが、
生涯で200曲以上もの優れたピアノ曲を残し「ピアノの詩人」と称されています。
そんなショパンの作品にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回はショパンの代表作24選を、筆者の独断と偏見で紹介します。
といっても長くなりそうなので、今回を含め3記事にわたり解説する予定です。
3記事を読んでいただくと、
ショパン全作品のうちの10分の1を知ることができます!(およそです)
ショパンの作品の特徴
ショパンの作品の特徴について、いつものように「ざっくりと」解説します。
「あー、そんなジャンルを作曲したのね〜」という感じで十分です!。
くわしくなくても、「最初の一歩」を踏み出せば、あとは自動的に興味が向くハズです👍。
「ピアノの詩人」ショパン
ショパンはその美しい旋律と、語りかけるような作風から「ピアノの詩人」と呼ばれています。
ベートーヴェンやバッハのように「ガッチリとした音楽」というより、室内で友人たちと楽しむような作品を多く作曲しました。
その理由の一つに、ショパンは病弱だったため、大規模な作品を作曲できなかったことがあげられます。
たとえば、有名な「ノクターン」(夜想曲)などがその良い例ですね。
また、生涯で200曲以上もの作品を残したショパンですが、
その大部分が「ピアノ曲」だったことも「ピアノの詩人」と言われる理由の一つです。
では、ショパンが残したピアノ曲にはどのようなジャンルがあるのか、次に見てみましょう。
ショパン作品の特徴
ショパンはさまざまなジャンルのピアノ曲を作曲しています。
・ワルツ・・・3拍子のテンポのよい舞曲。日本語で「円舞曲(えんぶきょく)」とも言います。ヨハン・シュトラウスなどのウィンナーワルツとは異なり、ショパンのワルツはピアノのためのワルツです。
・プレリュード・・・オペラなど大規模な作品の前に演奏する作品です。日本語で「前奏曲」と訳されています。のちに器楽曲単独でも作曲されるようになりました。
・マズルカ・・・4分の3拍子で独特なリズムを持つ様式。ポーランドの民族舞踊・舞曲がもととなっています。ショパン以外にも、多くの作曲家がマズルカを残しました。
・ポロネーズ・・・マズルカと同じく、ポーランドを起源とするダンスです。「英雄ポロネーズ」が有名ですね。ポロネーズとは、フランス語で「ポーランド風」の意味です。
・バラード・・・もとは古い「詩」の形式でしたが、時代とともに変化し器楽曲(きがくきょく)にも用いられように。ショパンは生涯で4曲のバラードを残しています。「音楽で詩の世界観を表現する」とざっくり覚えておきましょう。
・ノクターン・・・日本語で「夜想曲」訳される作品です。とくに決まった形式はありませんが、「物憂げな感じ」が特徴です。
・スケルツォ・・・イタリア語で「冗談」の意味です。3拍子の快活でテンポの速い作風が特徴。17世紀初頭に登場し、ショパンの他にもハイドンやベートーヴェン、シューベルトやシューマンなど多くの作曲家がスケルツォを用いています。
ショパンの代表作24選の解説!
ショパンの作品の特徴を簡単に紹介しました。ここからは実際に作品を見てみましょう!
今回紹介する作品以外にもたくさんの名作がありますので、それを探すのもクラシック作品の楽しみ方の一つです♫。
ではサクサク行きましょう!。
ショパンの代表作、その1 ワルツ編『ワルツ・第1番』
『華麗な大円舞曲』として知られるショパン1作目のワルツです。1833年に作曲され、翌年1834年に出版されました。華やかにして大胆なショパンの傑作です。
しかし、当時はウィンナーワルツがワルツが大流行していた時期。
舞曲らしくないショパンのワルツは、あまり評判が芳しいものではなかったと言います。
それにしても、聴いていると気分が上がります!。
ショパンの代表作、その2『ワルツ・第3番』
『子犬のワルツ』という作品を聴いたことがある人が多いと思います。
でもあえて『子犬のワルツ』を紹介せず、『猫のワルツ』を紹介するところが筆者の捻くれているところです笑。
本作は1838年に作曲され、充実期を迎えたショパンの名作として愛されています。
もし『子犬のワルツ』の話題になったら「猫のワルツもあるんだよ〜」と教えてあげましょう!(そんな話をする日がいつか来るかもしれませんので、抜かりなく)。
ショパンの代表作、その3『ワルツ・第9番』
悲しみを胸にドレスデンを去るショパン。この作品には、成就しなかった恋人マリアとの思い出と惜別(せきべつ)の思いが込められています。
美しい思い出と、悲しみに来れる現実が交互に歌われます。
ショパンの代表作、その4 エチュード編『エチュード10-1』
バッハの『平均律クラヴィア曲集第1巻第1番』のオマージュとして作曲されたエチュードです。エチュードとは「練習曲」を意味します。1830年、ショパンが20歳の時の作品です。
本作はエチュード「1番」ですが、この1番がもっとも難しい😭(多分)。最初に最高難易度の作品をもってくるところに、ショパンの性格が垣間見える気がします。
どんな作品も初見で弾きこなしたフランツ・リストでさえ、初見では弾きこなせなかったとか・・・。筆者もチャレンジしましたが、最後まで弾けませんでした。
ショパンの代表作、その5『革命のエチュード』
ショパンのエチュード作品の中で、もっとも有名な作品です。1831年に作曲された本作には、ワルシャワへ侵攻したロシアへの怒りや人々の苦悩が表現されています。
ショパンの「怒りの感情」がストレートに伝わる作品です。
いつか弾くことを目標にしている人も多いのではないでしょうか?
『革命』のタイトルは友人フランツ・リストによるものだそうです。
ショパンの代表作、その6『木枯らし』
こちらもショパンを代表するエチュードです。『木枯らし』で知られる本作も聴いたことがある人が多いと思います。まさに突風吹き荒れる激しい曲調が特徴です。
持久力・技術・手首の回転などのすべての技量が求められる難易度MAXの練習曲です。
本作はリストの愛人マリー・ダグー伯爵に献呈されています。
指揮者の元祖ハンス・フォン・ビューローは本作を「完全なピアノ曲」と絶賛しました。
ショパンの代表曲、その7 前奏曲編『前奏曲第4番』
ショパンは24曲のプレリュード(前奏曲)を作曲しています。
本作が作曲された時期には諸説あり、1831年から1838年にかけて作曲されたというのが定説のようです。まったくの筆者の独断ですが、代表作の1つとして挙げました。
精神の内面を一歩ずつ下る感じがたまりません。短い作品ですが、ショパンの深い精神性が感じられます。
本作はショパンの葬儀でも演奏されました。
ショパンの代表作、その8『前奏曲第7番』
意外にも、日本人にとって一番馴染み深いショパンの「前奏曲」かもしれません。
某医薬品メーカーの胃薬のCMで使われた作品です。もちろん「胃痛を癒すために」作曲された訳ではありませんのでご注意ください。
本作の美しさについて、ピアニストのアルフレッド・コルトーは「洗練されたマズルカ」と絶賛しました。
技術的にはそれほど難易度は高くないので、トライしてみても良いかもしれません。
その9『前奏曲第15番』雨だれの前奏曲
上記の7番に並びもっとも知られる前奏曲です。「雨だれの前奏曲」の名でも知られています。
物憂げなショパンの心と「雨だれ」の情景が見事に表現された傑作です。簡単そうに見えますが、演奏者には芸術的内面性と深い音楽的解釈が求められます。
最後にショパンの心が晴れていく様子が、たまりません!。
ショパンの代表作その1のまとめ
ここまでショパンの代表作9作を紹介しました。どの作品も「どこかで聴いたことあるな〜」と思われた方が多いと思います。
残り15作、今回はサクサク行きますので、次回をお楽しみに!
前回の記事を見逃した方はコチラからぜひ!