せっかく習ったピアノ。でもお子さんがピアノを練習しないことにお悩みの方も多いようです。
代表的な悩みに以下のものがあります。
「もう練習しないなら辞めさせた方がいいのか」
「でも将来後悔させたくない」
「練習しないのに続けたいと言っている」
ピアノがある程度弾けるようになれば、一生の財産になりますし、心の教育にも繋がりますよね。保護者の方から見れば、「せっかく始めたのだから上手になって欲しい」と思うもの。
とはいえ、練習が続くと飽きてしまい、次第に練習しなくなるなんてケースも。
そこで本記事の前半では「ピアノを練習しない理由」「練習しないのに続けたい理由」を解説し、記事の後半では「今日からできるサポート法」について解説します。
ちなみに、筆者は3歳からピアノを始めて、4回辞めています。
それでも現在もピアノライフを送っているので、ぜひ参考にしてください!
ピアノを練習しない理由とは?辞めるべきか悩むお母さんへ

本人の興味や環境により、理由はさまざまです。
とはいえ、調べてみるとその理由は以下の5つに分けられると思います。
1つずつ見てみましょう。
ピアノを練習しない理由1、練習が嫌い・面倒くさい
子どもが挙げる理由の第1位と言ってもよいのが、「練習が嫌い」「面倒くさい」です。
練習には根気が欠かせませんよね。
特に初心者の段階では同じフレーズを繰り返し弾くことも多いため、子どもにとっては単調に感じられがちに・・・。
また、学校から帰ってきて疲れている時に練習をするのは、子どもにとっては結構ハードです。
ピアノを練習しない理由2、上達しなくて自信をなくした
「いくら練習しても上手くならない」と感じるて、自信を失うケースも多いです。
特に周りの友達と比べて「自分だけ上達が遅い」と感じると最後。
モチベーションが下がってしまいます。
また、発表会や試験などで失敗した経験があると、「もうやりたくない」という気持ちにつながることも。大人から見ると小さなことでも、子どもは結構傷つくものです。
周りと比べなくて良いよ、と伝えてみましょう。
ピアノを練習しない理由3、先生やレッスンが合わない
ピアノの先生との相性も大きな理由の1つ。
厳しすぎる先生、逆に指導が不十分な先生など、子どもと先生の関係性によって、レッスンへの意欲は大きく左右されます。
また、レッスンの内容や進め方が子どものペースに合っていないと、練習の意欲が出なくなる傾向も。
先生との相性はめちゃくちゃに大事です。ピアノが好きだけど先生がな・・・、というケースも多いです。
近くにピアノ教室がない場合は、オンライン・ピアノレッスンもありです。
こちらでおすすめのオンライン・ピアノレッスンについて紹介しています。
ピアノを練習しない理由4、他の習い事や勉強との両立が難しい
学年が上がるにつれて、学校の宿題や他の習い事が増えてくると、ピアノの練習時間を確保するのが難しくなります。
特に中学生以上になると、部活動や受験勉強など、時間的制約が大きくなります。
限られた時間の中で優先順位をつけると、ピアノの練習が後回しになってしまうことも。
学校、部活、塾だけでも精一杯ですよね。
プラスしてピアノとなると、継続が難しくなるお子さんが多いようです。
この時期だけお休みする生徒さんも多いようです
ピアノを練習しない理由5、親に言われて始めたが、興味が湧かない
最初から子ども自身の意思ではなく、親の希望でピアノを始めた場合、「なぜ自分がピアノを弾かなければならないのか」という疑問を持つことがあります。
内発的な動機付けがないと、継続する意欲も湧きにくくなります。
「やらされてる感」が強いと、続けるのは厳しいかなと・・・。
むしろ苦痛に感じるお子さんが多いのではないでしょうか。
ピアノを練習しないけど辞めたくない子どもの心理とは?
「練習しないならやめれば?」と思う保護者の方も多い一方、
「練習は好きじゃないけど、レッスンは好き」と答えるお子さんもいます。
そうくると、親としては困ったもの・・・。
「(弾けるようになるために)お金を払って行かせてるのに!」とか「ピアノを習いたいと言ったから習わせてるのに!」とイラっとしてしまう方もいるでしょう。
では、なぜお子さんはそうした理由を言うのでしょうか。
考えられる大きな原因は次の3つかなと。
ピアノ自体は好きだけど、練習が苦痛
練習はしないけど「ピアノを弾くこと自体は楽しい」と感じてはいます。
特に好きな曲や得意な曲を弾くことは楽しいのかなと。
こういうタイプのお子さんは、新しい曲や難しい技術を習得するための練習は苦痛に感じるタイプ。
「練習はしたくないけど、ピアノは続けたい」というのは、このような心理から生まれる矛盾した気持ちです。
習い事の一環として続けたいだけ
これは友達と一緒にピアノ教室に通っているケースです。
その他、ピアノを習っていることで得られる社会的なメリット(例:「ピアノができる」という自己アイデンティティ)を失いたくないという気持ちもあるかもです。
こういう考えがあるお子さんだと、実際の練習意欲がなくても続けたいと思うことがあります。
辞めることに対する不安(友達・親への気持ち)
「辞めたら先生や友達に申し訳ない」「親を悲しませたくない」という思いから、本当は辞めたいと思っていても言い出せない子どももいます。
また、「一度辞めたら二度と再開できないかも」という不安から、練習はしなくてもレッスンだけは続けたいと考える場合もあります。
優しさがある反面、自信のなさから続けようとする場合も。
本当はどう思っているのか、キチンと話を引き出してあげましょう!
お母さんが感じる悩み:ピアノを練習しないのに続ける意味あるの?

お子さん自体は深刻に考えてない場合が多いですが、保護者の方はそうは言ってられませんよね。さっきも言ったように「レッスン代かかってるし」、さらには「ピアノ代もかかってるし」。
なので、すぐに辞めさせるというよりは、「ちょっとだけ(2〜3ヶ月くらい)様子を見てみるのも良いかもです。ポイントは以下の3つ。
1、練習の拒否が一時的か長期的か
子どもの練習拒否が一時的なものなのか、それとも長期的なものなのかを見極めましょう。
一時的な拒否(例:テスト前、体調不良の時)であれば、無理に辞めさせる必要はないかなと。
でも、数ヶ月以上にわたって練習を拒否し続けている場合は、継続すかを検討する必要があるかもしれませんね。
2、先生や教室を変える選択肢は?
練習を嫌がる原因が先生との相性や教室の雰囲気にある場合は、先生や教室を変えることで状況が改善する可能性があります。
より子どものペースに合った指導をしてくれる先生や、楽しく学べる教室を探してみましょう。
その際は、別の教室に通ってる子に評判を聞くのが一番!
3、「続けたい理由」を子どもに聞いてみる
「辞めたくない」と言っている場合は、やはり、なぜ続けたいのかを具体的に聞いてみるのがベストです。
単に「辞めるのが怖い」のか、それとも「本当はピアノが好き」なのか、子どもの本音を理解することが大切です。
ピアノ以外の部分で理由が見つかるケースもありますし。
ピアノを練習しない子に試したい!お母さんのサポート術
興味を失くしていても、最初の頃のように「関心の高い」状況に持っていけば、またピアノを始める場合もあります。
そのために必要なサポートをいくつか紹介しますね。
ポイントは以下の5つ。どれも簡単ですよ!
楽しい曲や好きなジャンルを取り入れる
教則本だけでなく、子どもが好きな曲(アニメやゲーム音楽など)を取り入れることで、練習へのモチベーションを高めることができる場合が多いです。
なので、先生と相談して、子どもの好みに合わせたレパートリーを選択するのも効果的かなと。
アプリなどを利用すると、1曲からでもダウンロードできまよ!
練習時間を短くしてハードルを下げる
「1日30分」など長時間の練習を強制するのではなく、「1日5分でもいいから毎日触れる」という風に、ハードルを下げてみまるのもOKです。
短時間でも継続することで、徐々に練習する習慣が身につきやすくります。
習慣化できたら、少しずつ時間を伸ばしてみましょう!
ご褒美や目標を設定する
「1週間毎日練習したら、週末に好きなことをしよう」などの小さな目標とご褒美を設定するのも場合によってはありです。
また、発表会や検定など、具体的な目標があると、練習の意義を感じやすくなりますよね。
でも、与えすぎると「報酬がないからやらない」という結果になることも。
なので、ご褒美はほどほどにしたほうがベターです。
家庭でのピアノ環境を工夫する(気軽に弾ける雰囲気作り)
ピアノを置く場所や練習する時間帯を工夫して、子どもが気軽に弾ける雰囲気を作りも大切。
例えば、家族がテレビを見ている時間に練習させるのではなく、家族が外出している時間や、自分のペースで練習できる環境を提供することが大切です。
最近ではオンラインでレッスンも受けられるので、活用するのもありですよ!
親の声かけを見直し、プレッシャーを減らす
「練習しなさい」という命令形の声かけではなく、「今日はどんな曲を弾いてみる?」「新しい曲、聞かせてくれる?」など、子どもの主体性を尊重する声かけも心がけてみてください。
親のプレッシャーが練習意欲を削ぐことも結構あるので・・・。
「勉強しなさい!」と同じです。
ちなみに「ピアノの上達が早い子の特徴」はこちらに書いています。
子どもの発達段階に合わせた練習サポート

ピアノを続けるか辞めるかの判断は、子どもの年齢や発達段階によって大きく変わるものです。なので、以下では年代別の接し方を解説します。
幼児期(3~6歳)の場合
幼児期の子どもは遊びの延長としてピアノと関わることが重要です。
- 遊び感覚の練習を取り入れる:音の出る絵本やピアノカードゲームなど、遊びを通して音楽に親しむ時間を作りましょう
- 短時間・頻回のアプローチ:集中力が続かないので、5分程度の短い時間でも毎日触れる習慣をつけることが効果的
- 親子で一緒に楽しむ:親が一緒に楽しむ姿を見せることで、自然と音楽への興味が育まれます
- 成功体験を積み重ねる:とても簡単な曲でも「弾けた!」という成功体験を大切に褒めましょう
小学校低学年(6~9歳)の場合
基本的な読譜や技術を学び始める時期です。好奇心を大切にしながら少しずつ練習の習慣を身につけていきます。
- 練習カレンダーの活用:シールを貼るなど、視覚的に練習の記録が残せる工夫をすると意欲につながります
- 好きなキャラクターと結びつける:好きなアニメやキャラクターの曲を取り入れると練習意欲が高まります
- 練習の「見える化」:「今日はこのページをマスターしよう」など、具体的な目標を設定します
- 発表の機会を大切に:家族の前で小さな発表会を開くなど、練習の成果を発揮する場を作りましょう
小学校高学年(10~12歳)の場合
友達との比較や自己評価が始まり、「上手く弾けない」ことへの挫折感を感じやすい時期です。
- 自主性を尊重する:練習のタイミングを自分で決められるよう、選択肢を与えましょう
- 友達と合わせる機会:連弾や友達と合わせて弾く機会があると、社会的な動機付けになります
- 達成感のある課題選び:難しすぎず、かといって簡単すぎない、ちょうど良い難易度の課題を選びましょう
- 趣味の多様化を認める:他の活動との両立を図り、無理なく続けられる環境を整えることが大切です
中学生・高校生(13~18歳)の場合
部活や勉強との両立が難しくなる時期。自分の意思でピアノを続けるかどうかを決める時期でもあります。思春期で難しい年頃ですが、以下のことに注意してみてください。
- 長期的な視点を共有する:将来の選択肢として音楽が果たす役割について話し合う
- 時間管理のサポート:限られた時間で効率よく練習できるよう、時間管理の方法を一緒に考えます
- 精神的なプレッシャーへの配慮:受験や進路選択などのストレスがある時期は、ピアノが「息抜き」になるよう配慮しましょう
- 自己表現の場としての価値を見出す:自分だけのアレンジや弾き方を模索するなど、創造性を発揮できる関わり方を応援します
どの年齢においても、子ども自身の気持ちを尊重し、無理なく楽しく音楽と関わり続けられるよう心がけることが大切かと。
子どもの成長に合わせて、親のサポートの仕方も柔軟に変化させられたらベストです。
どうしてもピアノを練習しないなら…辞めるのも一つの選択肢
最終的な判断はお子さんに任せるのが良いかと思います。
経済的なことを考えると、まったく練習しないなら、ピアノをやめるのも選択肢の一つです。
やりたくないことを続けてても、楽しくないですしね。
以下の場合は、やめることもありです。
無理に続けるデメリット(嫌いになる可能性)
無理に続けさせることで、ピアノ自体を嫌いになってしまう可能性も。
子どもの意志を尊重せずに強制すると、音楽全般に対する嫌悪感を植え付けてしまうリスクがあります。
他の音楽活動や習い事への切り替え
ピアノ以外の楽器(ギターやドラムなど)や、合唱、作曲など、他の形での音楽活動を提案してみるのも良いかもです。
また、まったく異なる分野の習い事に切り替えることで、子どもの新たな才能や興味を発見できるかもしれません。
将来的に再開できるようにしておく
「辞めたら二度と弾けなくなる」というわけではありません。
なので、「今は休憩して、また弾きたくなったら再開しよう」というポジティブな声かけをしておくことで、将来的に自発的に再開する可能性を残しておくことができます。
冒頭でも触れましたが、筆者は4回辞めてますが、今でも趣味で続けています。
弾かなくなった楽器はどうするの?という方は買い取ってもらうのもありですよ!
ピアノを練習しないならやめるべき?:まとめ
ピアノを練習しない子どもへの対応は、一概に「辞めさせる」か「続けさせる」かという二択とはいえません。
子どもの気持ちを尊重しながら、様々な工夫を試すことが大切。
最終的には、子どもが音楽を楽しむ心を育むことが最も重要かなと思います。
ということで、今回のポイントのまとめです。
重要ポイントまとめ
- 子どもがピアノを辞めたがる理由は多様で、単なる「怠け」ではないことを理解する
- 「練習しないけど辞めたくない」という矛盾した気持ちにも理由がある
- 練習拒否が一時的か長期的かを見極めることが重要
- 先生や教室を変えることで状況が改善する可能性も
- 子どもの「続けたい理由」を具体的に聞いてみる
- 好きな曲を取り入れて練習のモチベーションを高める
- 練習時間を短くして継続のハードルを下げる
- 小さな目標とご褒美を設定して動機付けを強化する
- 家庭でのピアノ環境を工夫し、気軽に弾ける雰囲気を作る
- 親の声かけを見直し、プレッシャーを減らす
- 無理に続けさせるとピアノ自体を嫌いになるリスクがある
- 他の音楽活動や習い事への切り替えも検討する
- 辞める場合も「将来再開できる」というポジティブな声かけをする
- 子どもの意志を尊重しながら、様々な工夫を試す姿勢が大切
- 最終的には、子どもが音楽を楽しむ心を育むことが最も重要