EMPIREの原曲(スノーマン)はモーツァルト!交響曲第25番を簡単に解説

交響曲25番

    本記事では、スノーマンの「EMPIRE」の原曲となったモーツァルトの交響曲第25番についてざっくりと解説します。

    Snow Manの楽曲「EMPIRE」が、ミュージック・ビデオ公開からわずか25時間で1000万回視聴を達成し、大きな話題となりました。
    この楽曲の特徴的なメロディには、クラシック音楽の名作が取り入れられています。

    実は「EMPIRE」の原曲は、モーツァルト作曲の交響曲第25番ト短調 K.183です。
    この曲はモーツァルトが17歳の時に作曲した作品で、劇的で力強い旋律が特徴的。
    「EMPIRE」では、この交響曲第1楽章のフレーズが活かされ、楽曲に壮大な雰囲気を与えています。

    クラシック音楽を聴く機会が少ない方も、ぜひ参考にしてください!

    画像出典:モーツァルト:交響曲第25番・第29番、クラリネット協奏曲 (初回限定盤)

    スノーマンの「EMPIRE」が爆発的ヒット

    Snow Manは、ジャニーズ事務所(現:STARTO ENTERTAINMENT)所属の9人組アイドルグループで、ダンスとアクロバットを活かしたパフォーマンスが特徴です。
    「EMPIRE」は、2024年にリリースされた楽曲で、力強く荘厳なサウンドが魅力。

    この楽曲のサウンドには、モーツァルトの交響曲第25番が取り入れられており、楽曲の持つ壮大さやドラマティックな雰囲気をより強調しています。

    こちらのヤフーニュース記事でも、「交響曲第25番が内包する悲哀と鮮烈さが、揺るがない信念や徹底した支配力を彷彿とさせる」と評されており、「俺たちの帝国を打ち立てよう」という楽曲のテーマと見事に合致しています。

    「EMPIRE」の原曲:モーツァルトの交響曲第25番の解説

    オーケストラ

    ということで、そんな大ヒット曲「EMPIRE」の原曲となったモーツァルトの交響曲第25番とはどんな作品なのでしょうか。ここでは次の3つのポイントに絞って解説します。

    • モーツァルト交響曲25番について
    • わずか2曲の短調の交響曲の1つ
    • アカデミー賞受賞作「アマデウス」でも使用された

    モーツァルト交響曲25番について

    モーツァルトの交響曲第25番は1773年に作曲された作品で、初めての短調(ト短調)の交響曲です。

    短調の交響曲は彼の作品の中でも珍しく、感情的な激しさとドラマティックな要素が特徴です。全4楽章で作曲され、演奏時間はおよそ20分〜25分程度です(指揮者により異なります)。

    モーツァルトの時代(18世紀半ば)では珍しく、ホルンが4本用いられています。

    わずか2曲の短調の交響曲の1つ

    モーツァルトの交響曲は基本的に長調が多く、短調の作品は交響曲第25番と第40番の2曲のみ。この交響曲第25番は、「疾風怒濤」と呼ばれる激しい感情表現を特徴とする音楽の流れの影響を受けており、シンコペーショントレモロが多用されています。

    シンコペーション・・・拍子の強弱により、作品のリズムを変化させること。

    トレモロ・・・同じ高さの音や隣合わない音を連続して演奏する方法。

    アカデミー賞受賞作「アマデウス」でも使用された

    映画『アマデウス』のオープニングで、この交響曲の第1楽章が流れるシーンは特に有名です。劇的で切迫した雰囲気が、映画の導入部分に強い印象を与えています。
    あのシーンはまさに衝撃・・・。

    映画「アマデウス」は1984年に公開され、作品賞のほか監督賞、主演男優賞など計8部門を受賞しました。

    「EMPIRE」の原曲:交響曲第25番の楽曲編成

    第1楽章:激しく情熱的な序奏で「EMPIRE」の原曲となった冒頭

    出典:Wikipedia

    急速なテンポとドラマティックな旋律が特徴。
    シンコペーションやトレモロによる緊張感が高まり、一気に聴く者を引き込む。

    疾風怒濤(しっぷうどとう)という表現がされています。

    交響曲第25番第1楽章:出典:YouTube

    第2楽章:静かで落ち着いたメロディ

    出典:Wikipedia

    短調の劇的な雰囲気とは対照的に、優雅で穏やかな雰囲気の楽章。
    木管楽器の美しい旋律が際立つ。
    どこか悩ましげなメロディーが印象的です。

    交響曲第25番第2楽章:出典:YouTube

    第3楽章:メヌエット形式の軽快なリズム

    出典:Wikipedia

    短調のまま進むメヌエットで、優雅さと緊張感が共存するユニークな構成。
    荘厳なメロディが特徴です。

    メヌエット・・・4分の3拍子のダンスのための曲。「1、2、3」と数えてみてください。

    交響曲第25番第3楽章:出典:YouTube

    第4楽章:勢いよく締めくくるフィナーレ

    出典:Wikipedia

    最初の楽章の激しさを引き継ぎ、ダイナミックな終結部へと展開。
    ホルンの響きが印象的

    交響曲第25番第4楽章:出典:YouTube

    「EMPIRE」の原曲:交響曲第25番の演奏動画3選

    ここでは交響曲25番のおすすめ演奏動画を3つ紹介します。
    でも、あくまでも個人の感性なので、ご自身のお気に入りの演奏を見つけてみてください。
    普段クラシック音楽に接する機会が少ない方も、「指揮者によって演奏が全然違う」ことがわかると思います。

    レナード・バーンスタイン指揮

    本記事のアイキャッチにもなっている、レナード・バーンスタイン指揮の演奏です。
    非常に均整のとれた演奏と華やかさが魅力の演奏だと思います。

    出典:YouTube

    ブルーノ・ワルター指揮

    ワルターの演奏は、まさに「疾風怒濤」の表現にピッタリです。
    バーンスタイン演奏との違いを楽しんでみてください。
    ちなみに、バーンスタインの師でもあった指揮者です。

    出典:YouTube

    オットー・クレンペラー指揮

    明暗のハッキリした、とてもわかりやすい演奏だと思います。
    テンポ感もよく、聴きやすい演奏です。

    出典:YouTube

    ピアノ独奏版もある

    本来はオーケストラのために書かれた作品ですが、ピアノ独奏版にもアレンジされています。
    ピアノ単体で聴いてみるのも面白いと思います。

    出典:YouTube

    チャレンジしてみたい方(ほとんどいないでしょうが)は、ヤマハのぷりんと楽譜で販売されています。ちなみに、難易度は初級から上級まで用意されていますよ。
    初月無料で
    、月額990円のスタンダードプランと480円のライトプランから選べます。
    25万曲以上の中からレベル別で選べるから、楽譜購入のコストを格段に減らせます

    「EMPIRE」の原曲モーツァルトの交響曲第25番解説:まとめ

    今回は「EMPIRE」の原曲となった、モーツァルトの交響曲第25番について簡単に解説しました。以下に内容をまとめています。

    • Snow Manの「EMPIRE」は、モーツァルトの交響曲第25番を取り入れた楽曲。
    • 交響曲第25番は、モーツァルトが17歳のときに作曲した短調の名曲。
    • 映画『アマデウス』でも使用された有名な作品。
    • 「EMPIRE」の持つ壮大さや力強さは、原曲のドラマティックな旋律と見事にマッチしている。
    • 交響曲第25番は、ピアノアレンジでも演奏可能。
    • YouTubeでさまざまな演奏が視聴できる。

    この記事を機会に、原曲であるモーツァルトの交響曲第25番も、ぜひ聴いてみてください!

    モーツァルトについて知りたい方はコチラ。

    モーツァルト