メンデルスゾーン『無言歌集』のおすすめ7選!難易度も解説!

    「メンデルスゾーンの無言歌集、素敵な曲がたくさんあるって聞くけど、どれから弾き始めたらいいんだろう?」
    「有名な曲や、自分のピアノレベルに合ったおすすめの曲を知りたいな…」

    ピアノを学んでいる方なら、一度はそんな風に思ったことがあるかもしれません。

    ロマン派の作曲家フェリックス・メンデルスゾーンが残した「無言歌集」は、ピアノが歌っているかのような美しいメロディと、豊かな情景描写で、多くのピアノ学習者に愛され続けている名曲集です。

    しかし、全8巻48曲もあるため、「どの曲から挑戦すればいいの?」「難易度はどれくらい?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

    この記事を読めば以下のことが解決できます!

    • メンデルスゾーン「無言歌集」の基本的な魅力
    • ピアノ初心者・中級者におすすめの人気曲7選(難易度付き)
    • 各曲の聴きどころ・弾きどころ、練習のポイント
    • 楽譜選びや効果的な練習のヒント

    この記事を読めば、きっとあなたにぴったりの無言歌集の一曲が見つかり、ピアノを弾く楽しみがさらに広がるはずです!

    筆者は3歳からピアノを開始。紆余曲折を経て、かれこれ30年以上ピアノに触れています。

    画像出典:アマゾン:メンデルスゾーン:無言歌集

    そもそもメンデルスゾーンの「無言歌集」ってどんな曲集?

    まず、無言歌集の基本的な知識をおさえておきましょう。
    メンデルスゾーンについてより詳しく知りたい方は、リンクから詳細をお読みいただけます!

    作曲家メンデルスゾーンについて

    フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)は、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家の一人。裕福な家庭に生まれ、幼い頃から才能を発揮しました。彼の音楽は、古典的な形式美とロマンティックな感情表現が絶妙に融合しており、上品で美しい旋律が特徴です。

    主な代表作には次のものがあります。

    • ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
    • 劇付随音楽『夏の夜の夢』作品61 (特に「結婚行進曲」が有名)
    • 交響曲第4番 イ長調 作品90『イタリア』
    • 弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20

    バッハ作品を復活させたのも、メンデルスゾーンの大きな功績です。

    無言歌集 とは?

    その名の通り「言葉のない歌」という意味を持つ、ピアノのための小品集です。
    メンデルスゾーンは、言葉では表現しきれない感情や情景を、ピアノの音色に乗せて歌わせようとしました。

    • ピアノで「歌う」: 各曲は、まるで歌を聴いているかのように、美しい旋律(メロディ)が印象的です。
    • 全8巻48曲: 生涯にわたって作曲され、全8巻・48曲から構成されています。それぞれが独立した短い曲で、取り組みやすいのも魅力です。
    • 豊かな情景描写: 「ヴェネツィアの舟歌」「狩りの歌」「春の歌」など、具体的なタイトル(愛称)を持つ曲も多く、聴く人(弾く人)の想像力をかき立てます。

    ちなみに、各作品にタイトルがつけられていますが、メンデルスゾーン自信がつけたのはわずか5曲だけだそうです。

    なぜピアノ学習者に人気なの?

    無言歌集がピアノ学習の定番教材としても人気が高い理由は、単に美しいだけでなく、その学びの多さです。たとえば、以下のことが挙げられます。

    • 歌心を養える: メロディを美しく歌わせる練習を通して、音楽表現の基本である「歌心」を自然に身につけることができます。
    • 表現力が豊かになる: 曲の持つ雰囲気や情景をイメージし、音色やタッチ、ペダリングを工夫することで、豊かな表現力を養えます。
    • 技術と表現のバランス: 中級レベルの学習者が、テクニックだけでなく音楽的な表現力を高めるのに最適な曲集と言えるでしょう。発表会やコンクールなど、人前で演奏する曲としても人気があります。

    48曲もあるため難易度も幅広く、初心者〜中級者だけでなく、上級者にとっても重要な作品集です。

    【難易度付き】ピアノ学習者におすすめ!無言歌集の名曲7選

    それでは、いよいよ無言歌集の中から、特に有名で人気があり、ピアノ学習者におすすめの7曲を、難易度の目安(★マーク)と簡単な解説付きでご紹介します!

    ちなみに筆者は全体の3分の1くらいは弾いたと思います。

    難易度の目安は次の通り(大体ですからね)。

    • ★☆☆☆☆:入門(バイエル後半~ブルグミュラー程度)
    • ★★☆☆☆:初級(ブルグミュラー修了程度~ソナチネアルバム前半程度)
    • ★★★☆☆:中級前半(ソナチネアルバム程度)
    • ★★★★☆:中級後半(ソナチネ修了~ソナタアルバム入口程度)
    • ★★★★★:上級(ソナタアルバム程度~) ※あくまで目安です。得意なテクニックなどによって感じ方は異なります。

    今回選んだのは、次の7曲です。

    1. 甘い思い出
    2. 狩りの歌
    3. ヴェニスのゴンドラの歌 第1番
    4. 慰め
    5. ヴェネツィアの舟歌 第2番
    6. 春の歌
    7. 紡ぎ歌

    それでは1つずつ見てみましょう。

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ1:甘い思い出

    難易度: ★★★☆☆ (ソナチネ練習程度〜)
    ・どんな曲?: 無言歌集の第1巻、冒頭を飾る穏やかで優しい雰囲気の曲。どこか懐かしさを感じる美しいメロディが、多くの人に愛されています。無言歌集の入門として、最初に挑戦するのにおすすめです。

    演奏のポイント: 右手のメロディをなめらかなレガートで、語りかけるように歌わせましょう。左手の伴奏は柔らかく、メロディを支えるように弾くのがコツです。

    出典:YouTube

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ2:狩りの歌

    ・難易度: ★★★☆☆ (ソナチネ程度)
    ・どんな曲?: 狩りのホルンを思わせる勇ましいファンファーレで始まる、エネルギッシュな曲。森の中を駆け抜けるようなリズム感と力強さが特徴です。弾いていて気分が高揚する一曲。

    演奏のポイント: 歯切れの良いスタッカートと、しっかりとしたタッチが重要です。左手の跳躍も正確に。リズムに乗って、生き生きとがポイント!

    出典:YouTube

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ3: ヴェネツィアの舟歌 第1番

    難易度: ★★★☆☆ (ソナチネ程度)
    ・どんな曲?: 無言歌集には3曲の「ヴェネツィアの舟歌」がありますがどれも名作です。左手のゆったりとした伴奏が、ヴェネツィアの運河をゴンドラが進む様子を描写しています。優雅で少し物悲しいメロディが印象的。

    演奏のポイント: 左手の舟歌のリズム(6/8拍子)を安定させることが大切。ペダルを効果的に使って、水の都の雰囲気を表現しましょう。右手のメロディはロマンティックに歌わせて。

    出典:YouTube

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ4:慰め

    難易度: ★★☆☆☆ (ブルグミュラー修了程度~)
    ・どんな曲?: 心に優しく寄り添うような、穏やかで美しいコラール(賛美歌)風の曲。深い情感を湛えたメロディは、タイトル通り聴く人の心を慰めてくれます。「甘い思い出」と並び、比較的易しいので初心者にもおすすめです。

    演奏のポイント: 和音の響きを大切に、美しくレガートで繋ぎましょう。内声(中間の音)の動きにも耳を傾け、全体のバランスを整えるのがポイントです。

    出典:YouTube

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ5:ヴェネツィアの舟唄 第2番

    難易度: ★★★☆☆ (ソナチネ程度)
    ・どんな曲?: 第1番の舟歌よりも、さらにしっとりとした哀愁を帯びた雰囲気を持つ舟歌です。切なく美しいメロディが魅力的で、こちらも人気の高い一曲。

    演奏のポイント: 表情豊かにメロディを歌うことが重要です。第1番と同様に、左手の伴奏リズムを安定させ、左右の音量バランスに気を配りましょう。

    出典:YouTube

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ6:春の歌

    難易度: ★★★★☆ (ソナチネ後半~ソナタ入口程度)
    ・どんな曲?: 無言歌集の中で、おそらく最も有名な曲でしょう。軽やかで喜びに満ち溢れた旋律は、まさに春の訪れを感じさせます。CMなどで耳にしたことがある方も多いのでは?

    演奏のポイント: 右手の軽やかな分散和音を、粒立ち良くきれいに響かせることが大切。ペダルは濁らないように注意し、曲全体を通して明るく快活な雰囲気を表現しましょう。

    出典:YouTube

    メンデルスゾーン無言歌集おすすめ7:紡ぎ歌

    難易度: ★★★★☆ (ソナタ程度)
    ・どんな曲?: 糸紡ぎ車がクルクルと回る様子を描写した、急速なパッセージが印象的な曲。「蜂の結婚式」という愛称でも知られています。技術的にはやや難易度が高いですが、弾きこなせると非常に華やかで達成感があります。

    演奏のポイント: 右手の速い動きを均一に、そして軽やかに弾く練習が必要です。指の独立性と持久力が求められます。左手のメロディもしっかりと歌わせましょう。ペダリングも重要なポイントです。

    出典:YouTube

    補足:ここで紹介した難易度は一般的な目安です。指の回りやすさ、表現のしやすさなど、人によって得意不得意は異なりますので、実際に楽譜を見たり、音源を聴いたりして、ご自身に合う曲を選んでみてくださいね。

    無言歌集に挑戦する前に!楽譜選びと練習のヒント

    お気に入りの曲が見つかったら、いよいよ練習開始!
    その前に、楽譜選びと練習のヒントを少しだけお伝えします。

    楽譜選びのポイント

    無言歌集の楽譜は、様々な出版社から出ています。代表的な版とその特徴を簡単にご紹介します。

    • 全音楽譜出版社: 日本では最も一般的。解説や運指(指使い)が丁寧で、学習者にとって使いやすい版が多いです。比較的手に入りやすいのもメリット。
    • ヘンレ版(ドイツ): 原典版(作曲家の意図に最も忠実とされる版)として有名。質の高い印刷と、見やすいレイアウトが特徴。運指はついている場合とない場合があります。
    • ウィーン原典版(オーストリア): ヘンレ版と並び、信頼性の高い原典版として評価されています。詳細な校訂報告がついていることも。
    • ペータース版(ドイツ): 歴史のある出版社で、こちらも学習者に広く使われています。

    どの版を選ぶかは好みもありますが、最初は運指などが詳しく書かれている版を選ぶと練習しやすいかもしれません。先生に相談してみるのも良いでしょう。

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    効果的な練習のヒント

    無言歌集をより魅力的に演奏するためには、いくつかコツがあります。

    • まずはメロディを歌う: 右手(多くの場合、主旋律)のメロディラインを、まず声に出して歌ってみましょう。フレーズ感や息遣いを意識することで、ピアノでの表現が格段に豊かになります。
    • 情景をイメージする: 曲のタイトルや雰囲気から、どんな場面なのか、どんな気持ちなのかを自由に想像してみましょう。物語を描くように弾くと、音楽に深みが出ます。
    • ペダリングを研究する: ペダルは響きを豊かにする魔法ですが、踏みすぎると音が濁ってしまいます。楽譜の指示を参考にしつつ、自分の耳で響きをよく聴き、最適なタイミングや深さを探求しましょう。
    • 左右のバランスに気をつける: 美しいメロディが伴奏に埋もれてしまわないよう、左右の手の音量バランスに注意しましょう。基本的にはメロディを際立たせます。
    • 焦らずゆっくり練習する: 特に技術的に難しい箇所は、まずゆっくり、正確なリズムと音程で弾けるように練習することが大切です。急がば回れ、です!

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    メンデルスゾーンの『無言歌集』おすすめ:まとめ

    今回は、メンデルスゾーンの無言歌集の中から、ピアノ学習者におすすめの人気曲7選を、難易度や練習のポイントと合わせてご紹介しました。

    無言歌集には、ここで紹介した以外にも、心に響く美しい曲がたくさん眠っています。

    ぜひ、この記事を参考に、あなたのレベルや好みに合ったお気に入りの一曲を見つけて、挑戦してみてください。