古代ギリシャの哲学者アリストテレスによって「最初の哲学者」と称されたタレス(タレースとも)。
タレスの著作は一つも残されたいないため、具体的にどのような考えを持っていたか定かではありませんが、一般的には「万物の根源は水である」と捉えていたことで知られています。
また、哲学者であると同時に、数学・天文学・測量などについての伝説も残されています。
そこで今回は、最初の哲学者タレスについてわかりやすく解説します!
この一冊でギリシャ哲学が楽しく学べる!残りわずか!
タレスの生涯や思想について
生まれたのはソクラテスよりもおよそ150年ほど前
「哲学の父」と言われるソクラテスについてはこちらで解説しましたが、
タレスはソクラテスより遡ることおよそ150年前、紀元前624年頃に小アジアのイオニア地方にあったミレトス(現在のトルコに含まれる地域)という場所で生まれました。
正確な年代は特定できませんが、紀元前546年頃まで生きていたとされています。
この時代のギリシャは大規模な植民活動で植民地を広げ、バビロニア地方やアッシリア、フェニキア、エジプトなどのさまざまな地域と交流しており、なかでもミレトスは地中海文化が栄えた豊かな街でした。
哲学の世界では一般に「ソクラテス以前・以後」でわけられていて、
ソクラテスが生まれる前の哲学者のことを「ソクラテス以前の哲学者」(そのまんまやん!)と言います。
タレスはなぜ「最初の哲学者」と言われているのか?
冒頭で述べてようにタレスは「最初の哲学者」と言われています。
じゃあこれって誰が言い始めたの?って疑問が出ると思うのですが、タレスを「最初の哲学者」と最初に言ったのは万学の祖と称されるアリストテレスです。
さっきから「哲学の父」や「最初の哲学者」だの「万学の祖」だのややこしいわ!と思われると思いますが、こんなの覚える必要ありませんから大丈夫です(笑)。
さて、ではなぜアリストテレスがタレスを「哲学者」と言ったのかというと、その簡単な答えは「物事を論理的・合理的に考えたから」です。
もう少し言うと「物事の成り立ちについて神話や超自然的説明に頼らなかった」というのがその理由です←ここ重要!!(テストにはでないけど)。
例えば雷が鳴ったときに「ゼウス(ギリシャ神話の神)が怒った〜〜」とはならず↓って感じで物事を捉え始めたからです。
ワシ、タレス。よろすこ。雷が鳴るのは空の中で何かが起きてんじゃない?(と考えたかは不明)。
もちろんタレス以外にも物事を考えた人は大勢いましたが、
タレス以前の人々は、おもに神話をもとに世界を説明しました。
例えば、ヘシオドスなんて人がまさにそうです。ヘシオドスが書いた「神統記(しんとうき)」という著作はギリシャ神話で世界を説明するものですし、その他にもアルクマン(紀元前630頃)という人は、宇宙生成について詩篇を残した人物です。
あっ!ホメロスの方が有名か・・・(まぁいーや)。
話をもとに戻すと、こんな感じでタレスは物事の成り立ちを、神話に頼らずに目に見えるものから合理的に考え始めたんですね。
タレスは万物の根源を「水」と考えた
タレス以降からソクラテスまでの哲学者は「万物の根源」について、あーでもない・こーでもないと議論します。ちなみに「根源」のことをアルケーと言います。
その議論がどんなものかというと、例えばこんな感じ↓
- 全てのものはどこからくるのか
- 全てのものは何から作られているのか
- 数とは何か
- 無限とは何か などなど
いろいろややこしいので詳しい説明はしませんが、こんなことを考えていました。で、当のタレスはどのように世界の根源を考えていたかというと、タイトルにある通り「万物の根源は水である」←ここ重要と考えました。
水が万物の根源であると考えた理由は「水はあらゆる生命に不可欠であり、自在に形を変え、普遍である」などが挙げられます。
もちろん現代の科学からすれば、万物の根源が水であるという考えは突拍子もないですが、タレスが偉大だったのは「万物の根源」に言及したところだということを覚えておいてください!!
つまりタレスは、「〜について」を神話を用いずに最初に言及したことから、
「哲学の祖」と呼ばれるようになりました。
ところで、タレスといえば「水」
水は全ての生命の根源です。
日本は自然に恵まれた国ですが、地震超大国でもあります。
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タレスに弟子はいた?
話を元に戻して・・・。
根源をめぐる問いかけはタレスから始まりましたが、タレス以降多くの哲学者が登場し、独自の哲学を領域展開します(笑)。
タレスには弟子がいなかったとされていますが、万物の根源をめぐる問いかけは、同じ時期に存在したアナクシマンドロスやアナクシメネスに引き継がれます。
そしてこの3人は同じミレトスで活動したことから、哲学史的には「ミレトス学派」と呼ばれているので余裕がある方は覚えておいてください!。
アナクシマンドロスやアナクシメネスについては別のブログで紹介します。また、彼らは自然を観察することで哲学を行ったことから、自然哲学者とも呼ばれているのでこちらも併せて知っておいてください!
エピソードや死因は?
ソクラテスと同様に著作が残されていないタレスですが、後世の人々に語り継がれたエピソードはいくつか残されていますので紹介します。
ども、タレスです。ワシ結構すごいんだけど・・・。中学生くらいの時に数学で習ったじゃろ、「タレスの定理」って。あのタレスってワシのことやねん!
その他に伝えられているエピソード(もはや伝説ですが)には、
- 紀元前585年に起きた皆既日食を予言
- 大地は水の上に横たわると考えていた
- オリーブの圧搾機を借り占めて大儲けした
- 影の長さからピラミッドの大きさを計算した
- 土木技師として川の流れを整備した など
さらにタレスのエピソード(伝説)の中でもっとも有名な話として次のものがあります。
ある日タレスが、星々を観察するために老婆を伴って外に出ようとすると、誤って溝に落ちてしまいます。そこでタレスは大声で助けを呼ぶと、老婆はこう答えました。「タレス様。あなたは足下にあるものさえ見ることがでおできにならないのに、天上にあるものを知ることができるとお考えになっているのですか?」と。
これは3世紀頃の哲学史家ディオゲネス・ラエルティオスの「ギリシャ哲学者列伝」(岩波文庫)で取り上げられているエピソードで、ソクラテスの弟子プラトンの著書「テアイテトス」にも似たような話があるので、もしかしたら事実かもしれません。
死因について
これまた明確な情報はありませんが、タレスはスポーツ観戦が好きだったそうです。伝説によれば、スポーツ観戦をしている時の「暑さと喉の渇きにより」死亡した(熱中症か?)や、老衰によって死亡したとされています。今から2600年も前の時代に78歳まで生きたらしいのでかなりの大往生だったといえます。
タレスについての補足
タレスは古代ギリシャの7賢人の1人として数えられています。せっかくですので、ギリシャの7賢人も紹介しておきます。「地名+人名」です。全然覚えなくていーです(笑)
- ミレトスのタレス
- アテネのソロン
- プリエネのビアス
- ミチレのピッタコス
- リンドスのクレオブロス
- コリントのペリアンドロス
- スパルタのキロン
それと、中国にも「竹林の7賢人」っていう人たちがいます。
まとめ
今回はタレスについて簡単にご紹介しました。
昔勉強したけど、再度調べてみると「あ〜こんなこと授業でならったな」とか思い出しました。
ソクラテス以前の哲学者だけでも、もう少しいるので(本当はかなりの数がいるけど)、
しばらくはソクラテス以前の哲学者を書いてみようかと思います。
- タレスっていう哲学者がいた
- タレスは万物の根源(アルケー)を「水」と考えた
- ミレトス学派って人たちがいた
- ↑の人たちを自然哲学者っていうのを知った
- 「タレスの定義」を久しぶりに聞いた!
- タレスはギリシャ7賢人の1人
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