「坂本龍一」という名前を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
さまざまな顔を持つ坂本さんですが(筆者は「1919」が好きです)、
「一体どんな人生を歩み、どのような功績を残した人なの?」と、その全体像を詳しく知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
2023年に惜しまれつつこの世を去った後も、その音楽は世界中で愛され続け、その影響力は計り知れません。
この記事では、世界が「教授」と愛した音楽家・坂本龍一さんの輝かしい経歴やプロフィール、誰もが一度は耳にしたことのある代表曲、そして才能を受け継ぐ息子さんや娘さんについてリサーチしました。
この記事を読めば、坂本龍一というアーティストの偉大さと、坂本さんの音楽がなぜ今もなお人々の心を惹きつけてやまないのか、その理由がきっとわかるはずです。
ぜひ参考動画とともにお楽しみください!
筆者としては、ダウンタウンとの共演が面白かったな〜(遠い目)。
音楽家・坂本龍一さんのプロフィールを功績とともに紹介!
出典:YouTube
まずは、音楽家・坂本龍一さんがどのような人物だったのか、その基本的なプロフィールを輝かしい功績とともにご紹介します。
項目 | 内容 |
名前 | 坂本 龍一(さかもと りゅういち) |
生年月日 | 1952年1月17日 |
没年月日 | 2023年3月28日(享年71歳) |
出身地 | 東京都中野区 |
学歴 | 東京藝術大学大学院 音楽研究科修士課程修了 |
職業 | 作曲家、編曲家、ピアニスト、音楽プロデューサー、俳優、社会活動家 |
主な活動 | イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)での活動、映画音楽制作、ソロ活動 |
主な受賞歴 | 英国アカデミー賞 作曲賞(『戦場のメリークリスマス』)、アカデミー作曲賞(『ラストエンペラー』)、ゴールデングローブ賞 作曲賞(『ラストエンペラー』『シェルタリング・スカイ』)、グラミー賞 最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞(『ラストエンペラー』)、フランス芸術文化勲章オフィシエ |
幼少期から音楽の英才教育を受け、日本の最高芸術学府である東京藝術大学大学院を修了。
そのアカデミックな経歴から「教授」の愛称で親しまれました。
YMOでテクノポップという新たなジャンルを世界に知らしめ、その後は映画音楽の分野でアカデミー賞をはじめとする数々の国際的な賞を獲得。
まさに、日本が世界に誇る音楽家の一人です。
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坂本龍一の軌跡:YMO時代から世界のサカモトへ
出典:YouTube
YMO「千のナイフ」
ここでは、坂本龍一さんが世界的なアーティストへと駆け上がっていった輝かしいキャリアを、時代を追って見ていきましょう。
音楽的基盤を築いた学生時代とYMO結成
10歳で作曲を始めるなど、幼い頃から非凡な音楽的才能を発揮していた坂本さん。
東京藝術大学では作曲を学び、大学院では電子音楽や民族音楽に深く傾倒し、後の多彩な音楽性の礎を築きました。
大学院修了後の1978年、ソロアルバム『千のナイフ』でデビュー。
同年、細野晴臣さん、高橋幸宏さんと共に「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成します。シンセサイザーを駆使した斬新なテクノポップは国内外で大きな衝撃を与え、YMOは世界的な成功を収めました。
俳優としても輝いた『戦場のメリークリスマス』
YMOが「散開(解散)」した1983年、坂本さんに大きな転機が訪れます。
大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』に、デヴィッド・ボウイと共に出演。
ヨノイ大尉役を演じ、俳優としてのカリスマ性も発揮しました。
さらに、この映画で彼は音楽も担当。メインテーマである「Merry Christmas Mr. Lawrence」は、坂本さんの名を世界に知らしめる代表曲となり、英国アカデミー賞作曲賞を受賞。俳優と音楽家の二刀流で、世界にその才能を知らしめました(ほんと、感しますよ!)。
『ラストエンペラー』でアカデミー賞受賞の快挙
坂本さんの評価を不動のものにしたのが、1987年のベルナルド・ベルトルッチ監督作品『ラストエンペラー』です。
この映画で音楽を担当し、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞するという歴史的な快挙を成し遂げました。
さらに、ゴールデングローブ賞、グラミー賞も受賞し、映画音楽家としての地位を確立しました。
その後もバルセロナ五輪の開会式音楽を手がけるなど、その活躍はまさにワールドクラス。
名実ともに「世界のサカモト」として絶賛されました。
晩年も尽きなかった創作意欲と社会活動
1999年には、CMソングとして制作されたピアノ曲「energy flow」が、インストゥルメンタル(歌のない器楽曲)作品として史上初のオリコン週間シングルチャート1位を獲得し、ミリオンセラーを記録。癒し系の音楽として社会現象にもなりました(懐かしい)。
その後、2014年に中咽頭がん、2021年に直腸がんを公表し、闘病生活を送りながらも彼の創作意欲は衰えませんでした。
映画『レヴェナント:蘇えりし者』や『MINAMATA—ミナマタ—』、そして遺作となった『怪物』まで、最期まで音楽を創造し続けた坂本さん。
また、環境保全団体「moreTrees」の設立や反原発活動、東日本大震災の被災地支援など、社会活動家としての顔も持ち、その発言は大きな影響力を持っていました。
坂本龍一さんの代表曲|誰もが一度は聴いた名曲たち
坂本龍一さんが遺した楽曲は数知れませんが、ここでは特に広く知られ、愛されている代表曲をいくつかご紹介します(ほんとに数作だけすみません)。
「Merry Christmas Mr. Lawrence」(1983年)
映画『戦場のメリークリスマス』のメインテーマ。一度聴いたら忘れられない、切なくも美しい東洋的なメロディは、映画の枠を超えて世界中の人々に愛されています。
ピアノソロ版も人気が高く、多くのピアニストによって演奏され続けている不朽の名作です。
筆者も昔よく演奏していました。
「energy flow」(1999年)
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「この曲を聴くと癒される」と感じる方も多いのではないでしょうか。
製薬会社のCMソングとして書き下ろされ、インスト曲として異例の大ヒットを記録しました。
静かで優しいピアノの音色は、忙しい現代人の心に寄り添い、多くの人々に安らぎを与えました。
「The Last Emperor」(1987年)
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映画『ラストエンペラー』のテーマ曲。壮大でオリエンタルなオーケストラの響きは、激動の時代を生きた清朝最後の皇帝・溥儀の人生を見事に描き出しています。
この曲で、坂本さんはアカデミー賞の栄光を手にしました。
「Aqua」(2001年)
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アルバム『BTTB』に収録されている、透明感あふれる美しいピアノソロ曲。後に紹介する娘・坂本美雨さんのために書かれたと言われており、その優しく清らかな旋律からは、娘への深い愛情が感じられます。
あらためて聴くと、祈りのようなメロディーが心にぐっときます。
「1919」
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アルバム『1996』に収録されている楽曲で、坂本龍一さんのキャリアの中でもとくに評価の高い一曲です。ピアノのミニマルなフレーズが繰り返されながら、少しずつ変化していく構成は非常に緻密で、聴く者を引き込みます。
坂本さんのクラシック音楽の素養と、実験的な精神が見事に融合した作品です。
箏奏者のLEOさんや角野隼斗によるアレンジもカッコいいです!
ちなみに、バックに流れる演説は、レーニンによるスピーチです。
「美貌の青空 / Bibo no Aozora」(1995年)
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映画『バベル』の挿入歌としても使用され、世界的に知られるようになった名曲です。物憂げで美しいメロディが心に深く染み渡ります。さまざまなバージョンが存在し、坂本さんの音楽性の幅広さを感じさせます。とりわけ、ポルトガル語の歌詞が乗ったバージョンは、独特の浮遊感と切なさがあり人気です。
坂本龍一さんの家族構成|息子・空音央さんと娘・坂本美雨さん
世界的なアーティストである坂本龍一さんを支えた家族はどのような方々なのでしょうか。
坂本さんの才能は、子供たちにも見事に受け継がれています。
公表されている情報によるとお子さんは3人。一般の方である長女、そして広く知られているのが、歌手の坂本美雨さんと、映画監督の空音央(そら ねお)さんです。
坂本龍一さんの娘:坂本美雨(さかもと みう)さん
出典:YouTube
坂本龍一 featuring Sister M – The Other Side of Love
坂本美雨さん(1980年生まれ)は、坂本さんとシンガーソングライターの矢野顕子さんの間に生まれました。
1997年、16歳の時に「Ryuichi Sakamoto feat. Sister M」として、父である坂本さんの楽曲に参加する形で歌手デビュー。
その透き通るような歌声で注目を集めました。
現在はソロ活動のほか、ラジオパーソナリティ(TOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」など)やナレーターとしても活躍。2024年からはNHK Eテレ「日曜美術館」の司会も務めるなど、多方面でその才能を発揮しています。
引用:公式Instagram
坂本龍一さんの息子:空 音央(そら ねお)さん
空 音央(そら ねお)さん:オフィシャルサイトより引用
空音央さん(1991年生まれ)は、ニューヨークで生まれ育った映像作家・映画監督。
アメリカの大学で映画と哲学を学び、現在は日米を拠点に活動しています。
彼の名を一躍有名にしたのが、父・坂本龍一の最後のピアノソロ演奏を記録したドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』(2023年)です。
監督として、父の音楽と哲学を深く理解し、研ぎ澄まされたモノクロの映像美で表現しました。この作品は世界中で高い評価を受けています。
さらに、長編劇映画デビュー作『HAPPYEND』も国際映画祭に出品されるなど、新進気鋭の映画監督として大きな期待が寄せられています。
公式Instagramもチェックしてみてください!
坂本龍一さんってどんな人?経歴・プロフィール:まとめ
今回は、音楽家・坂本龍一さんの人物像、経歴、代表曲、そしてご家族について紹介しました。
正直、もっとたくさん書きたいことがあるのですが・・・。今回はここまでということでご容赦ください。
坂本龍一さんは、YMOとしてテクノポップの扉を開き、映画音楽で世界の頂点に立ち、そして晩年は社会にメッセージを投げかけ続けた、まさにジャンルや国境を越えたアーティストでした。
その音楽と哲学は、これからも色褪せることなく、子供たちの世代、そして未来へと受け継がれていくことでしょう。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 坂本龍一はYMOで世界を席巻し、映画音楽でアカデミー賞を受賞した音楽家。
- 代表曲『戦場のメリークリスマス』『energy flow』は今も世界中で愛され続けている。
- 俳優として映画『戦場のメリークリスマス』に出演し、強烈な印象を残した。
- 娘は歌手やラジオパーソナリティとして活躍する坂本美雨。
- 息子は父の最後の演奏を撮った映画監督の空音央。
- 晩年は環境問題などの社会活動にも情熱を注いだ。
彼の音楽をまだ深く聴いたことがないという方は、ぜひこの機会に触れてみてください。きっと、あなたの心に響く一曲が見つかるはずです。